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「W65T」レビュー
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スポーツ、動画とマルチに楽しめるスライド端末
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KDDIから発売された「W65T」は、スライド型の東芝製端末。回転式のセレクターを備え、有機ELディスプレイやワンセグ、モーションセンサーによるカロリーカウンターなどさまざまな機能を搭載する。「W65T」のデザインや基本機能、特徴的なポイントについて実機のレビューをお届けする。
■ 外観・デザイン
スライド型ボディを採用し、液晶側に「スピーディーコントローラー」と4つのタッチセンサーキーを搭載するのが特徴。閉じた状態でも基本的な操作が行える。
閉じた状態のボディサイズは約50×115×17.3mm。カメラ・スピーカー周辺は一段盛り上がっている形状で、最厚部は19.3mm。ボディの約半分までスライドし、開けた状態では長さが約1.5倍になる。
スライド操作には一般的なアシスト機構が付き、半分ほどスライドさせるとアシスト機構のバネにより半自動的に開く/閉じることが可能。スライド動作はなめらかなものの、やや重く感じられ、特に片手で閉じる操作において、手のポジションによってはスライドさせにくいと感じた。というのも、方向キーの周辺にはタッチセンサータイプのキーが搭載されているからで、ここに触れるのを避けて閉じるには慣れが必要となる。指紋の跡を気にしなければ、ディスプレイ部分に親指をあててスライドさせればいいのだが、そうでない場合、カメラ/スピーカー部を持つようなイメージで手のポジションをやや上方にすれば、ディスプレイ側面に親指をあてることで指一本で閉じられる。
端末を閉じた状態で有効になるキーロック機能が用意されており、ロックボタンは右側面に搭載されている。また、同じく右側面のTVボタンは、Run&Walkアプリ、LISMO、マナー、EZチャンネルプラスのいずれかに機能の割当を変更できる。赤外線通信ポートは、開いた状態のディスプレイ裏側に設けられている。
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タッチセンサーを認識するとセレクター外周のLEDが点灯
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タッチセンサーキーは、方向キーを兼ねたスピーディーコントローラー周辺に、au端末ではおなじみの「アドレス帳」「アプリ」「メール」「EZweb」の4つを配置している。タッチセンサーは静電容量方式で、つめなどでは反応せず、指の腹でタッチするタイプ。誤操作を防ぐため一瞬(0.15秒)触れただけでは反応しないように調整されているほか、タッチするとスピーディーコントローラーの外周にある4分割されたLEDが点灯し、タッチ操作が認識されたことを視覚的にも確認できる。スピーディーコントローラー外周のLEDはこのほか、着信やメールの受信などさまざまな場面で点灯・点滅する。
回転するセレクターとしてのスピーディーコントローラーは、三菱電機製の端末に採用されていたものと同等の機能を搭載する。45度回転させる度に軽い凹凸感があり、これがカーソルボタン1回の押下に相当する。1回転させるとカーソル8項目分を移動でき、軽快に操作できる印象だ。ワンセグのサブメニューなど一部のサブメニューをのぞき、端末全般にわたってカーソルの上下移動をスピーディーコントローラーの回転操作で行えるほか、静止画のズーム、縦スクロール、ボリューム、早送り・巻き戻しなどの操作が可能。EZアプリでも同様に、上下のカーソル操作に対してスピーディーコントローラーを利用できる。ユニークな機能では、端末側面のキーロックとは別の機能「開閉ロック」において、解除のための暗証番号を、ダイヤル式ロックの金庫を開けるように、スピーディーコントローラーを左右交互に回転させて数字を入力し解除するというものもある。
基本的に、端末を閉じた状態でもスピーディーコントローラーとタッチセンサーキーで操作を行える。一方、この状態ではテンキー側のクリアボタンは隠れているので、右側面にあるクリアボタンを利用することになるが、クリアボタンがタッチセンサーキー側にもあれば、より使い勝手がよくなったのではないかと感じた。
■ 基本機能
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メール本文による日本語入力画面
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カメラのファインダー画面
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通話機能では、マイクの位置が一般的な端末とは異なり、[9]と[#]キーの間に埋め込まれている格好で、パッケージから端末を取り出すとその旨を示すシールもはられている。通話中に指などで覆ってしまうことは少ないと思われるが、その位置を頭の隅にとどめておく必要はあるだろう。
メールのクイック返信機能では、さまざまな種類が用意された定型文を利用し、端末を閉じた状態でもメールの返信をすばやく行える。受信メールの保存件数は最大約2.5MBもしくは1000件。送信メールの保存件数は最大約1MBもしくは500件となっている。添付ファイルの容量が拡大され、最大2MBまでのファイルを添付できる。
日本語入力はATOK+APOTを採用。アドレス帳は最大約1000件。端末内のデータフォルダ容量は約100MBとなっている。外部メモリとして最大2GBまでのmicroSDカードが利用できる。この冬にラインナップされたKCP+採用端末では一様にmicorSDカードのサポートが2GBまでとなっており、映像コンテンツへの最適化をうたっているだけに、2GB以上の容量を実現するmicroSDHCカードがサポートされていないのは残念だ。
カメラはオートフォーカス対応の319万画素CMOSカメラ。手ぶれ補正機能に対応するほか、連写、VGAサイズの動画撮影機能も搭載する。右側面にカメラボタンがあり、端末を横にすればデジカメのようなポジションでの撮影も可能。ただし、カメラ機能に限ったことではないが、ユーザーインターフェースは横向きの表示には対応していない。
■ 特徴的な機能
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卓上ホルダを利用したワンセグ視聴スタイル
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Webサイトではやや赤系統の発色が強い
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メニュー画面。右下にはカロリーカウンターも表示されている
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W65Tは2.8インチ、240×400ドット(ワイドVGA)の有機ELディスプレイを搭載しており、ディスプレイ表示全般において、高コントラストで色再現性の高い表示を実現している。液晶ディスプレイの表示に慣れていると、その濃厚な色表現に驚かされる。一方、Webサイトなど、従来の液晶ディスプレイでの閲覧を前提に調色されている場合には、特に赤系統の発色が強すぎる印象もある。動画では、東芝のテレビ「レグザ」の技術を用いた輝度・色補正が行われているほか、レグザで録画したワンセグ放送をmicroSDカード経由で転送し、W65Tで視聴できる連携機能も用意されている。ワンセグの連続視聴時間は約3時間40分で、バックグラウンド録画やタイムシフト再生も可能。ワンセグ用アンテナはフリーアングルタイプの伸長式アンテナが装備されている。
パッケージ付属の卓上ホルダは、ワンセグの視聴に最適な傾斜の付いた形で、充電しながらワンセグを楽しめる。なお、卓上ホルダは充電のみで、USBクレードルのような通信機能には対応していない。
モーションセンサーを搭載することで歩数計や消費カロリーを組み合わせた「カロリーカウンター」が利用可能。「au Smart Sports」に最適なモデルという位置付けから、待受画面やメニュー画面上でもカロリーカウンターの内容を確認できるようになっており、消費カロリーや歩数は「Run&Walk」にも反映される。プリセットの待受画面にもスポーツをイメージした内容の画像が用いられている。この冬モデルでカロリーカウンターに対応するのはW65TとW64SHだが、W64SHが比較的ボディサイズの大きな端末であることを考えると、スポーツシーンで活用しやすいのはW65Tということになるだろう。
Bluetoothもサポートされることでスポーツシーンにおけるワイヤレスミュージックもアピールされている。Bluetooth Ver.2.0+EDRに準拠し、オーディオ系のプロファイルでは、A2DP、AVRCPをサポート。SCMS-T対応機器にワンセグの音声も出力できる。
おサイフケータイに対応し、荷物を減らしたいスポーツシーンでは特に重宝することになるだろう。このほか、音楽系サービスではau BOX、LISMO Music&Videoなどに対応し、GPS、EZ MYスタイリング、Full Game!対応のEZアプリ、ワイドコミック対応のEZブック、PCサイトビューアー、ケータイ de PCメールなどを利用できる。この冬モデルで対応機種が拡大しているグローバルパスポート CDMAには対応していないため、国際ローミングサービスはau ICカードを利用した端末レンタルサービスなどを利用することになる。
■ 位置付け
auのラインナップの中でも定番化されていない印象のスライド型端末で、特にスピーディーコントローラーとタッチセンサーキーの使い勝手を気に入るかどうかで評価が大きく分かれるだろう。スピーディーコントローラーは慣れると手放せなくなる魅力を備えており、auのラインナップの中でも定番化して欲しい部分だ。
端末プラットフォームに「KCP+」を採用し、機能やサービス面でも充実した内容のW65T。スポーツ向けとしてアピールするにはややボディが厚く重いという印象だが、スポーツ系のサービスのみならず、有機ELディスプレイでワンセグなど動画コンテンツも存分に楽しめる端末だ。
■ URL
製品情報(KDDI)
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/cdma1x_win/w65t/
製品情報(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/product/etsg/cmt/au/w65t/w65t_menu.htm
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(太田 亮三)
2008/12/04 13:05
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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