音楽プレーヤー機能が充実した端末が増え、「着うたフル」のサービスが3キャリアで提供されるなど、携帯電話で音楽を楽しむ環境が充実してきている。auからは「ウォークマン」の名を冠した機種が発売されたほか、NTTドコモの「F902iS」はWindowsで主流となりつつあるWMA形式の音楽フォーマットにも対応している。
各端末メーカーで対応している音楽プレーヤー機能を使えば、好みのCDから取り込んだ楽曲を携帯に転送して再生できる。携帯を音楽プレーヤーとしても使いたい場合、どういった点に注意すべきなのか、簡単にまとめてみた。
■ 音楽ファイルの形式は?
携帯電話で音楽ファイルを再生するには、SD-Audio形式やATRAC3形式、着うたフルといったように音楽フォーマットの違いが大きなポイントになる。SD-AudioやATRAC3なら、パソコンを利用してCDから楽曲を取り込む(リッピング)か、音楽配信サービスで楽曲を購入し、携帯電話に転送して再生する。
着うたフルは携帯電話でダウンロードして再生するのが基本だが、KDDIが提供しているLISMO対応端末なら、専用ソフトを用いてパソコンで着うたフルを購入・ダウンロードして携帯電話に転送できる。この専用ソフトは、CDからのリッピングにも対応しており、着うたフルと同じ形式でリッピングできる。
パソコンでリッピングや楽曲の管理を行なうソフトは、音楽フォーマットにより異なるものが用意されている場合がほとんど。SD-Audio形式なら無料の「MOOCS PLAYER」のほか、「SD-Jukebox」などが対応している。ATRAC3なら「SonicStage CP」や「BeatJam」など。上記で「MOOCS PLAYER」「SonicStage CP」以外は有料ソフトだが、携帯電話のパッケージに試用版が付属している場合もあるので、使い勝手を試してみるのもいいだろう。なお、NTTドコモの「F902iS」は、Windows付属のWindows Media Playerで利用できるWMA形式にも対応している。
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LISMOのパソコン向けソフト「au Music Port」
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SD-Audio形式で楽曲を管理「MOOCS PLAYER」
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ソニーの「SonicStage CP」
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「F902iS」は、Windows付属のWindows Media PlayerでWMAファイルを管理可能
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■ 最新機種の音楽関連機能をチェック
NTTドコモ
機種名 |
対応フォーマット |
メモリカード |
最大容量 |
再生時間 |
D902iS |
AAC |
miniSD |
2GB |
5 |
F902iS |
WMA/AAC |
miniSD |
2GB |
9 |
N902iS |
SD-Audio(AAC) |
miniSD |
1GB |
9.5 |
P902iS |
SD-Audio(AAC) |
miniSD |
2GB |
7 |
SH902iS |
SD-Audio(AAC) |
miniSD |
2GB |
22 |
SO902iWP+ |
AAC |
MS PRO Duo |
2GB |
4 |
D902i |
AAC |
miniSD |
1GB |
- |
F902i |
AAC |
miniSD |
1GB |
- |
N902i |
AAC |
miniSD |
512MB |
- |
P902i |
SD-Audio(AAC) |
miniSD |
1GB |
- |
SH902i |
SD-Audio(AAC) |
miniSD |
1GB |
- |
SO902i |
AAC |
MS PRO Duo |
2GB |
4 |
au
機種名 |
対応フォーマット |
メモリカード |
最大容量 |
再生時間 |
W42S |
LISMO/ATRAC3 |
MS PRO Duo |
2GB |
30 |
W44T |
LISMO |
miniSD |
2GB |
19 |
W42K |
LISMO |
miniSD |
1GB |
8.5 |
W42H |
LISMO/SD-Audio(AAC) |
microSD |
512MB |
16 |
G'zOne W42CA |
LISMO/SD-Audio(AAC) |
microSD |
512MB |
15 |
W33SA II |
LISMO/SD-Audio(AAC) |
miniSD |
1GB |
6.5 |
W43T |
LISMO |
miniSD |
1GB |
8 |
W41T |
LISMO |
4GB HDD搭載 |
- |
12 |
W41H |
LISMO/SD-Audio(AAC) |
miniSD |
1GB |
7.5 |
W41CA |
LISMO/SD-Audio(AAC) |
miniSD |
1GB |
6.5 |
W41K |
LISMO |
miniSD |
1GB |
8 |
NEON |
LISMO |
miniSD |
1GB |
8 |
W41SA |
LISMO/SD-Audio(AAC) |
miniSD |
1GB |
5 |
W41S |
LISMO |
MS PRO Duo |
2GB |
5 |
ボーダフォン
機種名 |
対応フォーマット |
メモリカード |
最大容量 |
再生時間 |
905SH |
SD-Audio(AAC/MP3) |
miniSD |
1GB |
13 |
705SH |
SD-Audio(AAC) |
microSD |
512MB |
8.5 |
705T |
AAC |
miniSD |
1GB |
7 |
904SH |
SD-Audio(AAC/MP3) |
miniSD |
1GB |
7 |
904T |
AAC/MP3 |
miniSD |
1GB |
9 |
804N |
AAC/MP3 |
microSD |
512MB |
11 |
■ メモリカードの種類を確認
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2GBの容量も登場しているminiSDカード
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大量の楽曲を管理するユーザーはどのフォーマットを利用し、どのソフトを使うのか、慎重に選ぶ必要があるが、同様に大切なのが大量の楽曲を保存には必須のメモリカードの種類だ。
現在携帯電話で主流のメモリカードはminiSDカード。アダプタを使用すればSDカードとしても利用できる。この夏発売の最新機種にはさらに小さいmicroSDカードを採用する機種もあるが、購入のしやすさなどを考えると、現時点ではまだminiSDカードが主流といえるだろう。メモリースティックDuoは、ソニー・エリクソン製の端末とNTTドコモの「Music Porter II」など一部の三菱製端末でのみ採用されている。
携帯電話においては、miniSDカードを利用する端末はSD-Audio形式に対応し、メモリースティックDuoを採用する端末はATRAC3形式をサポートするといった具合に、メモリカードの種類と音楽ファイルのフォーマットには連動している点があるのも特徴。端末を選ぶと、利用できる音楽フォーマットの種類もある程度限られる、という部分にも注意しておこう。
■ 大幅に伸びている連続再生時間に注目
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「SH902iS」は22時間の音楽再生が可能
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ミュージックプレーヤー機能を搭載した端末は増えているが、最新機種では連続再生時間も大幅に伸びている。1GBの内蔵メモリを搭載し、メモリースティックPRO Duoに対応したウォークマンケータイ「W42S」では最長30時間(LISMOの場合)の再生が可能なほか、NTTドコモの「SH902iS」では22時間の連続再生ができる。
ミュージックプレーヤー機能に特化したインターフェイスを搭載した端末も登場している。ボーダフォンの「705T」「804N」「803T」、NTTドコモの「F902iS」などは、再生・早送りなどの操作が閉じたままでできるボタンを背面に搭載しているほか、「W42S」は端末下部に「ミュージックシャトル」を装備して、音楽再生時の利便性を高めている。
内蔵メモリの容量では、auの「W42S」、「W44T」が1GBと大容量のメモリを内蔵しているほか、多くのモデルが1GBなど大容量のメモリカードをサポートしている。
■ Bluetoothを使えばケータイはカバンの中に
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Jabraの携帯電話向けステレオイヤホン「BT320s」はBluetoothのA2DPに対応
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音楽をイヤホンやヘッドホンで楽しむ際には、無線で接続できるBluetooth機能も注目だ。NTTドコモの「P902i」「P902iS」なら、Bluetoothのオーディオ向け規格である「A2DP」に対応しており、音楽再生時にBluetoothのA2DP対応ヘッドホンやイヤホンが利用できる。
auの「W44T」はA2DP対応だが、著作権保護規格の「SCMS-T」準拠となっているため、利用するには「W44T」付属のBluetoothレシーバーや、東芝製のヘッドセット「スピーチレコグナイザー SR-1」が必要になる。
NTTドコモの「MUSIC PORTER X」も音楽に特化した端末。衛星サービス「モバHO!」の音楽チャンネルが月額980円で聴き放題で、1GBの音楽専用の内蔵メモリに番組を録音できる。外部メモリに対応していないので、録音した番組は携帯電話のみでの利用となる。音楽フォーマットではATRAC3などに対応しており、20時間の連続再生が可能。付属のパソコン向けソフト「BeatJam」で楽曲を転送できる。
■ ミュージックケータイを楽しもう
自分が使っている携帯、あるいはこれから買おうと考えている携帯がどういうタイプのものなのか、上記の表などを参考にチェックして「ミュージックケータイ」を楽しもう。
なお、インプレスジャパンからは「できるポケット」シリーズとして「LISMOですぐに音楽が楽しめる本」が発売されている。サイズは新書版で、著者は法林岳之、白根雅彦、できるシリーズ編集部。価格は924円。本誌の「月イチ 読者プレゼント」コーナーにも登場しているので、気になる方はチェックしてみてはいかがだろうか。
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■ URL
NTTドコモ 音楽再生機能 対応製品一覧
http://www.nttdocomo.co.jp/product/function_purpose/music/
LISMO 案内ページ
http://www.kddi.com/lismo/
ボーダフォン 3G端末 製品一覧
http://www.vodafone.jp/japanese/products/domestic_3g.html
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(太田 亮三)
2006/06/30 18:11
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