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木地本昌弥の「CLIE PEG-UX50」レビュー
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Bluetooth、無線LANに標準対応。Palm初の横型スタイルを購入!
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以前はいろいろ選択肢があったPalm OS 搭載PDAだが、最近じゃ「Palm」=「CLIE」みたいな図式になってきている。っていうか、CLIEは知ってるけどPalmって何? みたいな人も少なくないんやって。そやね。考えてみると、パーム端末をいろいろ買ってきたワシやけど、ここんとこCLIEばっかりやもんねぇ。って感慨にふけっている場合とちゃうちゃう。とにかく、Palm機の新機種であるCLIE PEG-UX50(以降UX50)を手に入れたのである。8月9日の発売日当日に購入していたので、もっと早めにレビューを書きたかったのだが、あまり調子が良くなく、交換してもらったりしていたので遅くなってしまったというわけなのだ。
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Palm初の横型スタイルを採用した「CLIE PEG-UX50」
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このように女性が使っても十分に小さめのサイズである
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■ キーボード主体で操作するためのCLIE
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キーボードを使う場合はこんな感じで使用する
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さて、このUX50なのだが、小さいというのが第一印象だ。今回のタイプは480×320の横型画面。CLIEとしてははじめての試みで、対抗機種としてはザウルスのSL-C760やSL-C750を想定していると感じるのだが、サイズ、重さ共に小さく軽く作られている(UX50が103×86.5×17.9mmで重さが175g、SL-C760が120×83×23.2mmで重さ250g、SL-C750が120×83×18.6mmで重さ220g)。
手のひらサイズで、男性の胸ポケットなどに入れてもそれほど違和感がない大きさである。さっと取り出して、さっと利用する……そんな使い方にはばっちりの端末だと感じた。
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スタイラスをメインに使う場合にはこんな感じで使用する
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ザウルスよりも少し小さめのサイズだ
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ジョグダイヤルの位置があまりよくない。左手の親指を使うのだが、このように持って使うと親指がつりそうになってしまう
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このUX50は、これまでのCLIEと違って横型で使用するタイプ。解像度480×320ドットのハーフVGAタイプである。ノートパソコンのように液晶を開いて使用する方法と、液晶をくるりと回転させ、キーボードの上にかぶせて使用する方法が選べる。同じような方法が利用できるPDAにザウルスがあるが、ザウルスと違い、回転させた場合でも横長の画面で使用しないといけない。
使ってみて感じたのは、スタイラスやジョグダイヤルを利用して入力して使用するのではなく、キーボード操作を主体に利用することが前提になっている感じ。なぜなら、ジョグダイヤルの場所が悪くて、持ちながら使用しても、机などの上に置いて使用しても操作しにくいのである。ジョグダイヤルは回す以外に押す操作もできるのだが、どちらも利用しにくいのがツライところだ。特に押す場合だが、すんなりと押せずにくるりとひとつずれて押してしまう――というようなことも多々あるがツライ。もひとつツライのである。
また、日本語入力として「Decuma Japanese」が利用できるのだが、画面の左側下に入力欄が出るので、右利きの人の場合、手のひらがキーボード部分に当たってしまい、大変入力しにくい。「Decuma Japanese」は、ひとつ前の「PEG-NX73V」「PEG-NX80V」で標準搭載された日本語手書き入力で、UX50でも標準搭載された。変換効率も高くかなり便利なだけに、ちょっと残念なのである。
その反面、キーボード入力はかなり快適だ。キーボードの部分が波形になっていて、その波形の盛り上がったところにボタンが配置されているので、ワシのような白魚のような……いやいや、サンショウウオの頭のような太い指でボタンにタッチしてもひとつ上や下のボタンに触れることがない。キーボードの配置を良くするために横長のデザインにしてきたのであろうから、キーボードが快適なのは当たり前といえば当たり前なのかもしれないが……。
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このように入力欄が画面の左下に出るので、手書きで入力しようとすると手のひらがキーボードにあたってしまいけっこう入力しづらいのである
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キーボード面が波形になっていて、その盛り上がったところにキーが配置されているので、指の太い人でも上下のキーに触れることなくキーを押せる
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■ このクレードルとACアダプタ、なんとかならんのか!
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クレードル。電源がさせるだけである
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UX50には、充電をするためのクレードルが付属している。このクレードルは電源を供給するだけで、パソコンと接続するためのUSBケーブルは接続できない。USBケーブルは、本体と接続しないといけないのだ。
この仕様はツライね。だって、クレードルにのせて、本体にケーブルを接続して……ってすんげー面倒。それでもクレードルにAC部分があるならいいが、ACアダプタは別にある。それもかなり大きめ。出張などの場合、でっかいACアダプタとクレードルを持ち歩かなくちゃいけないのである(本体だけで充電はできないのだ)。せめてこのクレードルがCF用のアダプタになるとか、そんなんやったらよかったのに。
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UX50を載せるとこんな感じ
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右側がUX50のACアダプタ。左側のザウルスのACアダプタと比べるとかなり大きいことがわかるはずだ。ザウルスはダイレクトに電源をさせるが、UX50はさらにクレードルが必要になる。出張時などめんどうなことは想像つくよね
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■ 通信手段はけっこういろいろ、でもなぁ
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赤外線でNM502iを利用して接続しているところ
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UX50に準備されている通信手段は無線LANとBluetooth、そして赤外線(IrDA)である。従ってインターネットを利用するためには、無線LANのアクセスポイントを利用するか、Bluetoothに対応した携帯電話を利用するか、赤外線に対応した携帯電話が利用できるのである。が、Bluetoothに対応した携帯電話はauの「C413S」とドコモのPHS「パルディオ633S」、赤外線でPCやPDAと接続して通信可能な携帯電話はドコモの「NM502i」「NM207」ぐらいしかない。
ワシはすべて持っていたが、未だに現役で使っているっていう人は少ないよね、たぶん。現行モデルではないので、買いたくても買えないし。またまた、都内では無線LANのアクセスポイントがけっこう多いのかもしれないが、地方に行くと少ないっていうのも問題。ワシの住んでいる大阪でもそれほど多いとは言えないし。そう、このUX50の問題は、接続できる環境が少ないという問題があるのだ。
しかし、無線LANの環境がまわりにあるという場合はけっこう便利だ。複数のアクセスポイントを登録しておけるので、いちいち環境を書き換えることなく接続できる。しかも初めて行った先でも無線LANのアクセスポイントの登録がカンタン。ワシはこの無線LANの環境の設定が大っキライなのだ。だって面倒なんやもん。そんなワシでもカンタンに設定が完了できた。楽勝である。エヘン。
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BluetoothでC413Sを利用して接続しているところ
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無線LANが利用できれば、カンタンに出先でもインターネットを利用することが可能だ
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■ 通信手段さえ確保できるなら買いなされ
さてさて、このUX50だが、デザインがいい。この辺は個人の好みにもよるが、かっこいいと思う。それに小さくて持ちやすくて便利だ。また、バッテリの持ちがいいのも○。大阪から東京まで新幹線で約3時間、メモリースティックに入れた音楽を聴いてみたが、バッテリーの残量表示はほとんど変わらず。かなりバッテリーの持ちがいいことがわかった。ただ、無線LANを利用して接続しっぱなし……というような使い方はバッテリーの消費が早くなるので、そういった使い方はやめておいた方がいいだろう。
デザインが良くて、コンパクトで持ちやすい、そしてバッテリーの持ちがよく、しかもメモリもかなり多め――と並べていくと、PDAに求められる条件のほとんどがクリアできているって感じである。ただし、問題となるのが、通信手段だ。この通信手段さえ確保できるのなら、オススメできるPDAのひとつである。69,800円(ワシはこの値段で買ったのだ)ってちょっと高いと言えば高いんやけどね。
■ URL
「CLIE PEG-UX50」製品情報(Sony Style)
http://www.jp.sonystyle.com/peg/Store/Clie/Ux50/index.html
■ 関連記事
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(木地本昌弥)
2003/09/18 15:30
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