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クアルコム、1Gbpsモデム「X16」やウェアラブル向け「Snapdragon Wear」発表

「Snapdragon 625」などミッドレンジも強化

 米クアルコムは、業界初を謳う下り1Gbpsに対応するLTEモデム「Snapdragon X16 LTEモデム」を発表した。搭載製品は2016年後半に市場に登場する見込み。同社は同時に、すでに出荷中というAndroid Wearをサポートするウェアラブル端末向けの「Snapdragon Wear 2100」と、搭載製品が2016年後半に登場するミッドレンジ向けチップセット「Snapdragon 625/435/425」も発表した。

下り1Gbpsに対応するLTEモデム「Snapdragon X16 LTEモデム」が発表された

Snapdragon X16 LTEモデム

 「Snapdragon X16 LTEモデム」は、Category 16をサポートし、業界初という下り最大1Gbpsをサポートするモデム。キャリアアグリゲーションは下りで4×20MHz・256QAM、上りでも2×20MHz・64QAMをサポートする。同社の第6世代にあたり、製造プロセスは14nm FinFETプロセス。

 RFトランシーバーのWTR5975とペアで利用することにより、アンライセンスバンドを使うLAA、ギガビットLTE、LTE-Uのサポートを実現している。

 「Snapdragon X16 LTEモデム」を搭載した製品は、2016年後半に登場する見込み。

Snapdragon Wear 2100

 「Snapdragon Wear 2100」は、ウェアラブル端末向けの新たなプラットフォームとして策定された「Snapdragon Wear」の最初のSoC(System on Chip)に位置づけられる製品。Android WearとAndroidをサポートする。

 Snapdragon 400より30%小型化されているほか、Bluetooth/Wi-Fi、LTE/3Gの両方で消費電力を25%削減した。LTEモデムはGNSSに対応し、低消費電力のBluetooth/Wi-Fiは常時接続を可能にする。

 「Snapdragon Wear 2100」はすでにメーカー向けに出荷中。同社は2016年にSnapdragonを搭載するウェアラブルデバイスが50機種以上発売される見込みと既に発表している。

Snapdragon 625/435/425

 「Snapdragon 625/435/425」は、スマートフォン向けチップセットのSnapdragonシリーズでミッドレンジにあたる製品を強化したもの。

 「Snapdragon 625」は14nm FinFETプロセスで製造され、CPUには2GHzでオクタコアのARM Cortex-A53を搭載。下り速度は300Mbpsで、上り速度も150Mbpsをサポートする。上り下りともに2×20MHzのCAに対応している。

 「Snapdragon 435」はCPUに1.4GHzでオクタコアのARM Cortex-A53を搭載。下り速度は300Mbpsで、上り速度は100Mbpsをサポートする。上り下りともに2×20MHzのCAに対応している。

 「Snapdragon 425」はCPUに1.4GHzでクアッドコアのARM Cortex-A53を搭載。下り速度は150Mbpsで、上り速度は75Mbpsをサポートする。下りで2×10MHzのCAに対応している。

 「Snapdragon 625/435/425」は2016年の中頃にサンプル出荷を開始し、2016年後半に搭載製品が登場する見込み。

太田 亮三