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Snapdragon 820にX12 LTEモデム統合へ、下り最大600Mbpsをサポート

Snapdragon 617/430などラインナップをアップデート

 クアルコムは、「Snapdragon 820」プロセッサーに「X12 LTEモデム」を統合すると発表した。また、「Snapdragon 617」「Snapdragon 430」「QuickCharge 3.0」など最新の製品や規格も発表している。

「Snapdragon 820」に「X12 LTEモデム」を統合

 「Snapdragon 820」はハイエンドのチップセットとして概要がすでに発表されているが、LTEに対応する「X12 LTEモデム」が統合されることが明らかになった。

 これにより「Snapdragon 820」では、モバイル端末向けでは初めてというカテゴリー12のダウンリンクとカテゴリー13のアップリンクをサポートし、理論値で下り最大600Mbps、上り最大150Mbpsの通信速度に対応する。

 ほかにも、4×4 MIMO、Qualcomm VIVEとしてIEEE 802.11cの2×2 MU-MIMO、802.11ad、LTEとWi-Fiのアグリゲーション(LWA)、LTEおよびWi-FiでのHDボイス通話とビデオ通話、Wi-FiおよびLTEでのアンテナ共有、QuickCharge 3.0対応といった特徴を備えている。

 「Snapdragon 820」を搭載した端末は2016年上半期に発売される見込み。

「Snapdragon 617」

 「Snapdragon 617」は「X8 LTEモデム」を搭載し、LTEのカテゴリー7に対応。下り最大300Mbps、上り最大100Mbps、上下ともに20MHz幅×2のキャリアアグリゲーションをサポートする。

 CPUはオクタコアで1.5GHzのCortex A53を搭載し、GPUの「Adreno 405」「Hexagon DSP」、「QuickCharge 3.0」に対応。「Snapdragon 617」搭載端末は2015年末までに発売される見込み。

「Snapdragon 430」

 「Snapdragon 430」は「X6 LTEモデム」を搭載し、LTEのカテゴリー4に対応。下り最大150Mbpsと20MHz幅×2のキャリアアグリゲーション、上り最大75Mbpsの通信速度に対応する。

 CPUはオクタコアで1.2GHzのCortex A53を搭載し、GPUの「Adreno 505」、「Hexagon DSP」、「QuickCharge 3.0」に対応。「Snapdragon 430」搭載端末は2016年の第2四半期に発売される見込み。

「QuickCharge 3.0」

 「QuickCharge 3.0」は急速充電規格を発展させたもので、電力レベルの最適化を行う「Intelligent Negotiation for Optimum Voltage(INOV)」を搭載する。

 INOVの搭載により、3.6V~20Vまでの範囲で、200mVごとの柔軟な電圧調整が可能になっている。QuickCharge 2.0では、5V、9V、12V、20Vの4種類だった。

 「QuickCharge 3.0」ではまた、「QuickCharge 1.0」と比較して2倍に高速化され、「QuickCharge 2.0」と比較しても最大27%高速化され、消費電力は最大45%減少できるとする。「QuickCharge 1.0」や同2.0、USB Type-Cコネクターと互換性が保たれる。

 「QuickCharge 3.0」はSnapdragon 820、620、618、617、430にオプション機能として用意され、2016年に発売される端末から利用できるようになる。

太田 亮三