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「RICOH THETA V」発表、4K動画、空間記録マイク搭載の360度カメラ上位モデル

Googleが初めて認定する「Street View mobile ready」カメラに

「RICOH THETA V」

 リコーとリコーイメージングは、全天球映像を撮影できる360度カメラの最上位モデル「RICOH THETA V」を9月下旬に発売する。価格はオープン価格で、5万円台前半になる見込み。

 「RICOH THETA V」は、4K解像度の360度動画撮影や、4chマイクによる360度の空間音声記録、無線通信を強化した高速転送などに対応するのが特徴。スマートフォンなどとの接続はWi-FiとBluetoothの2種類から選択できるようになった。ファームウェアの更新で、将来的に性能も向上させるとしている。

 新型イメージセンサーを採用した上で、プロセッサーにはクアルコムのSnapdragonを搭載し、画質の大幅な向上と低消費電力駆動を両立させた。露出精度やホワイトバランスのアルゴリズムも一新し、オート撮影でも正確で自然な描写が得られるとしている。

 撮影した360度の全天球イメージは、Facebook、LINEに投稿できるほか、theta360.comを通じてTwitter、Instagram、TumblrなどのSNSで共有できる。YouTubeの360°チャンネルにも投稿が可能。

 Googleが初めて認定した「Street View mobile ready」カメラになり、ユーザーは歩行中や移動中にストリートビュー映像として撮影し、アプリなどを利用してモバイル環境のみで映像をGoogleマップに投稿できる。

 撮影解像度は、3840×1920ピクセルで、30fpsの360度動画を撮影できる。ファイル形式はH.264で、将来的にはH.265にも対応できる。静止画の最大シャッター速度は1/25000秒で、マニュアルモードではISO3200の高感度設定が可能。

 360度の空間記録が可能という4chマイクを搭載し、水平方向だけでなく上下方向も360度に対応。映像と連動することで、撮影環境の音と映像をそのまま再現できる。さらに、オーディオテクニカが開発したマイクユニットを搭載する別売りの専用アクセサリー「3Dマイクロフォン TA-1」も用意され、音楽演奏などにも対応する高品質な録音も可能。

 無線通信機能が強化され、「THETA S」と比較して通信速度は2.5倍に高速化された。テレビなどに装着した無線アダプターに映像を転送するリモート再生機能を搭載しており、カメラに保存されている静止画や、動画をHD解像度(720p)で転送して再生できる。Bluetooth接続では、スマートフォンと常時接続でき、スマートフォンの操作で撮影したり、スリープに入ったカメラを起動したりできる。Wi-Fi接続ではスマートフォンでのライブビュー表示、画像転送などすべての機能を利用できる。

 本体はAndroidベースのOSが搭載される。拡張性が高くなり、今後はプラグインとして「外部メモリー記録機能」なども提供される予定。将来的にはプラグインを一般の開発者も開発できるようにする。

 今後のファームウェア更新で性能の向上も図られる。2017年中に予定されているものでは、360度動画の合成処理をカメラ本体内で先に行い、転送速度を大幅に高速化する機能が提供される予定。また、カメラをWi-Fiのクライアントとして、無線LANルーターの環境でネットに接続できるクライアントモードも実装が予定されている。

 撮影モードは静止画、動画、ライブストリーミングの3種類。静止画ではオートのほか、シャッター優先、ISO優先、マニュアルの各モードを選択可能。動画とライブストリーミングはオートのみになる。

 ライブストリーミングモードでは、カメラから4K解像度相当の360度全天球映像をリアルタイムで出力でき、高性能なPCや高速な通信環境を用意すれば、ライブ配信することが可能。

 このほか本体内の加速度センサーと新搭載のジャイロセンサーが連携、天頂補正処理の精度が向上されたほか、インターバル撮影時の最短撮影間隔は従来の約半分になる4秒間隔の撮影が可能になっている。別売りの「水中ハウジングケース TW-1」は水深30mに対応する。

 内蔵メモリーは約19GBで、静止画は約4800枚、動画は合計で4Kが40分、2Kで130分の記録が可能。

 内蔵バッテリーによる駆動時間は、静止画で約300枚、動画で約80分。

 大きさは約45.2×130.6×22.9(最薄部17.9)mm、重さは約121g。ボディカラーはメタリックグレー。