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ライブ会場行きバスの中でファン向けVRコンテンツ、WILLERとKDDI

第1弾は「DISH//」限定VRコンテンツ

「DISH// 日本武道館'18元旦 オフィシャルバスツアー」と限定VRコンテンツ

 WILLERとKDDIは、高速バスの移動中にVRコンテンツを楽しめるサービス「ライブ バス VR」の提供を開始する。第1弾は、アーティストのライブ会場に向かう高速バスの中でファン向けのVRコンテンツを提供するというもので、5人組ダンスロックバンド「DISH//」の限定VRコンテンツになる。

 「ライブ バス VR」は、バスに乗車するユーザーが予め自分のスマートフォンに専用アプリをダウンロードしておき、パスコードで限定コンテンツのロックを解除して、高速バスでの移動中にVRコンテンツを楽しめるというもの。VRコンテンツを視聴できるよう、簡易VRゴーグル「ハコスコ」(通常版)が乗車時に渡される。コンテンツの利用に通信料はかかるが、「ライブ バス VR」サービスの利用は無料。

 第1弾の「DISH//」との取り組みでは、日本武道館での単独ライブに向かうWILLERの高速バスツアー「DISH// 日本武道館'18元旦 オフィシャルバスツアー」で提供される。出発地は大阪、名古屋、仙台の3種類。

 バス車内で利用できるようになる限定VRコンテンツは、「DISH//」のメンバーと一緒にバスに乗車している様子をVRで体験でき、同じバスに乗っているファン同士でも盛り上がれるというもの。コンテンツは、雑談、デート、告白、おまけ(だ~れだ?)の4種類が用意されている。

 この限定VRコンテンツは、同じ高速バスの車両を用いて撮影されたもので、女性が視聴することを想定してカメラ位置(視点)をやや低めに調整。臨場感を出すために、周囲の音が立体的に聞こえるバイノーラル録音を採用したほか、バスのエンジン音もあえて一緒に収録されている。

 このほか「ライブ バス VR」を利用する乗客は、簡易VRゴーグルとして、「DISH//」仕様のオリジナルハコスコを購入できる。

 KDDIはこのほか、9月末から提供する「KDDI カラオケ VR」の取り組みの中で、「DISH//」の限定VRコンテンツの一部を先行配信する。

「高速バスはVRの利用シーンとして最適」

 31日には都内でサービスの発表会が開催された。KDDI ビジネスIoT企画部 部長の原田圭吾氏は、KDDIとしてVRコンテンツを新しいコミュニケーションと位置付け、コンテンツ制作やプラットフォーム構築に注力している様子を紹介。高速バスについては、数時間の移動になり「VRの利用シーンとして合っている」とし、WILLERが手がけるほかの事業も含めて、今後も連携していく方針を明らかにした。

KDDI ビジネスIoT企画部 部長の原田圭吾氏

 WILLER 代表取締役の村瀬茂高氏は、高速バスなどの移動手段と、現地で体験する食や観光といったコンテンツを組み合わせて事業を拡大している様子を解説した上で、アーティストのライブ会場に向かうバスツアーでは、一緒に移動しているファン同士で盛り上がりたいという声が以前から多かったことを明らかにし、VRコンテンツの導入で、ただ単に移動するだけではない、付加価値の高い体験になることを紹介した。

 WILLERでは今後も、バスツアーなどで提供するコンテンツをVRを含めて拡大していく方針。KDDIとは、決済などでも連携しており、トータルで連携できることが特徴とした。第1弾のVRコンテンツに「DISH//」が選ばれた理由については、バスツアーにこれまで最も協力してくれたアーティストとのことで、村瀬氏は「DISH//のファンと作ってきたサービスだった」と振り返った。

WILLER 代表取締役の村瀬茂高氏

 発表会には「DISH//」のメンバー5人も駆けつけた。メンバーの北村匠海は「撮影時は想像がつかなかったが、最新技術で収録されており、完成を楽しみにしていた」と期待を語ると、まだ完成した映像を観ていないというメンバーを代表して、矢部昌暉がVRゴーグルでコンテンツを体験。北村から告白されるというVRコンテンツが再生され「小さな声で恥ずかしがってたけど、“好きだよ”って聞けた!」と、ファン目線でドキドキの体験を報告した。北村は「快適な旅にしてほしいという思いで撮影した」とファンに向けメッセージも贈った。

「DISH//」のメンバー5人も駆けつけた
VRコンテンツを体験