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KDDI、表参道・ケヤキ並木100年の歴史をVR学習コンテンツに

 KDDIは、東京・表参道のケヤキ並木の100年の歴史を学べる、VRの学習コンテンツ「タイムトリップミュージアム『明治神宮表参道ケヤキ並木の100年』」を公開した。「いのちの森」のWebサイトと、auの公式YouTubeアカウントで提供されている。

 制作されたVR学習コンテンツは、表参道のケヤキ並木と約100年の歴史を学べるVR動画コンテンツ。緑化や環境問題の啓蒙活動を行う「いのちの森」が提唱するプロジェクトの一環として制作されている。1920年の明治神宮と表参道の完成や、その翌年のケヤキ並木の完成から、戦争や空襲、関東大震災、ファッションストリートとしての発展など、ケヤキ並木の変遷を、表参道沿いの3つのスポットを基点にしたCGやイラスト、実写を交えた映像で学習できるようになっている。

 8月31日には、今回制作されたVRコンテンツと、スマートフォンの「Galaxy S7 edge SCV33」と「Gear VR」を活用し、渋谷教育学園渋谷中学高等学校の生徒が実際の表参道を巡りながら歴史を学ぶ海外授業が実施された。この海外授業で採用されているスマートフォンとVRヘッドセットは、11月30日までの間、渋谷区の中学校、高等学校などに貸し出しも行われる予定。なお、YouTubeで公開されている動画は、360度のVR動画として視聴できる、

土田晃之と高島彩がVR体験、学習への応用を語る

 31日には都内で記者向けに発表会が開催された。冒頭には、いのちの森 実行委員長の野中ともよ氏がビデオレターで登場し、「表参道・ケヤキ並木は2020年で100年目の節目を迎える。次の100年を考えなければいけない」と、今回の取り組みに至った経緯を語った。

 KDDI コミュニケーション本部長の山田隆章氏は「目だけではなく、五感を使ったものになる」とVRを使った学習の特徴を語ると、いのちの森 事務局長の井梅江美氏は「VRでより先人の思いを感じ取ってもらえるのではないか。皆さんのパワーを次につなげていきたい」と語った。

いのちの森 実行委員長の野中ともよ氏
いのちの森 事務局長の井梅江美氏、KDDI コミュニケーション本部長の山田隆章氏

 特別ゲストには、父親、母親としての顔も持つ土田晃之、高島彩の二人が登場。VR動画は1920年から年代別に3つのパート(各3分間)に分かれており、1920~1949年までのパート1を体験した高島彩は「あっという間だった。その場にいるような臨場感。(空襲などから)生き延びている木があると知ってビックリ。今度歩くときには探したいと思いました」と、臨場感や歴史に感激した様子。同じく1950~1989年のパート2を体験した土田晃之は、「すごく面白かった。学校にいいのでは。すごく集中して見られる。体験しているようで、入り方(没入感)が違う」と、学習コンテンツへの応用にも魅力を感じている様子を語った。

高島彩、土田晃之

 31日には、前述のようにケヤキ並木沿いにある渋谷教育学園渋谷中学高等学校の生徒が、実際の表参道のポイントに訪れ、課外授業としてVRヘッドセットで学習コンテンツを体験した。体験を終えた高校一年生の男子学生は、「(先のステージイベントで)すごいすごいと言われていて、本当かな? と思っていたが、実際に体験してみたらすごかった。昔の戦争や空襲とかの、体験できない状況を知るのにもいいと思う」と、臨場感の高さや、VRならではの仮想的な世界に興味を覚えていた様子だった。

課外授業の様子