【Mobile World Congress 2017】
5Gの実験環境や「+d」の取り組みを世界にアピールしたドコモ
2017年3月3日 16:41
「Mobile World Congress 2017」(MWC 2017)に出展したNTTドコモは、海外に向けて「+d」の取り組みを紹介。異業種とのコラボレーションを図りながら進めていく5Gを見据えた展示内容で、来場者の関心を集めた。
また、ブース内にアンテナと端末を設置し、15GHz帯で5Gの電波を実際に出し、ロボットアームを遠隔操作するというデモを行っていた。15GHz帯の電波環境は、エリクソンの装置を利用。同社とエリクソンは共同で実験を行っており、その成果を来場者が実際に体感できる形で披露していた。
展示されていた「+d」の取り組みは、国内で発表済みのものが中心。モバイル人口統計を活用して乗客の需要を予測する「AIタクシー」や、能古島で行われた「セルラードローン」の実証実験、DeNAや九州大学、福岡市とともに行っている「自動運転」などの概要を紹介した。
AIタクシーは、基地局情報を使った人口統計やタクシーの過去の乗車履歴に加え、天候やイベント情報などをAIで分析し、タクシーを待つ人の数をエリアごとに予測するというソリューション。2月に実験内容が報道陣向けに公開されており、実用化は来年度中を予定する。
セルラードローンの事例は、ドローンを使って離島である能古島に、品物を届けるというもの。ドローンにスマートフォンを接続しており、遠隔からの監視や操作を行えるのが特徴で、こちらも現在は実験段階だ。ドコモでは、ドローンそのものだけでなく、周辺の電波環境に与える影響を確認している。また、自動運転は、九州大学のキャンパス内で、バスを自動的に走らせるという実験になる。
このほか、ブースでは、ドコモの海外事業の1つである、ネットワークのコンサルティングが紹介されていた。このコンサルティングは、アジアなどの海外キャリアを中心に提供される。電波の干渉を減らしてスループットを上げたり、アンテナの角度やパラメーターを調整して着信の失敗率を減らしたりといった、ドコモが積み上げてきたノウハウを伝授するものだ。
「オペレーター目線でサービスを提供できる」(関係者)というのが強みの1つで、通信機器ベンダーとは異なり、機器の購入などは必要がなく、小規模に実施できるため、海外キャリアにとっても導入が容易になる。ドコモはこのコンサルティングサービスを拡大する予定で、海外キャリア関係者も多いMWCでその実績をアピールしていた。