本日の一品

スマホやタブレットで自在に操作、ボール型ロボット「Sphero」

 さまざまなスマホ対応ガジェットの中でも注目のアイテム「Sphero(スフィーロ)」。Ver. 2.0が国内でも発売中なので買ってみた。このSphero、実物を見たことがない人にとっては「スマホでコントロールできるボールでしょ?」程度の認識かもしれないが、実際に遊んでみるとそのデキのよさに驚かされるはずだ。かくいう筆者も、知人に遊ばせてもらったときに、この「単なるラジコンのボール」という認識を覆された口だ。動作させると「ロボティックボール」という呼称が示すとおり、まさにロボットを操作する感覚だ。

 パッケージを開けると、台の上にちょこんと乗っかった本体とご対面。実は付属のジャンプ台とカップをうまく組み合わせた収納方法になっている。内容物はその他、充電台と各形状のコンセント付きACアダプターだ。

箱を開けるとカップに収まったSpheroが登場。ジャンプ台をうまく組み合わせた収納方法を採っている
「Sphero 2.0」の中身。ジャンプ台とカップ。充電台とACアダプター

 まずは充電だが、充電台を電源につないだらその上にSphero本体を乗せるだけ。非接触式になっているので特に接続は不要と、この辺りもスマートな作りだ。なお、3時間ほどの充電で約1時間の動作が可能だ。

非接触式でSpheroを載せるだけの充電台。バッテリーが少なくなるとSpheroが赤く点滅して知らせてくれる

 充電が完了したら、さっそく遊んでみる。今回は操作にiPhoneおよびiPadを使用したが、Android端末にも対応している。なお、Sphero自体は遊び方が決まっているわけではなく、アプリによって使い方が変わる。

iPadの設定アプリにある「Bluetooth」項目でSpheroと接続する。その際、Spheroは、充電台から下ろしておく。別の端末で操作する場合は、いったんペアリングを解除する必要がある

 iPhoneで操作する場合、まずは設定アプリの「Bluetooth」項目でSpheroをペアリングする。しかし接続しようとしても無反応で、まったく認識してくれない。「これは設定がやっかいなシロモノか」と思いきや、まずはSpheroを起こしてやる必要があるという。Spheroを振ったりコツコツと叩いてやると、それに驚いたかのように本体がカラフルに点滅し、ブルッと動いた。その姿は知性を感じさせ、ロボットという設定がピッタリだ。ちなみに本体はポリカーボネート製でかなり頑丈な作り。叩いたり、ぶつけたり、落としたりとやや乱暴に扱っているが、問題なく動作している。耐衝撃に加えて耐水仕様なので、水辺でも遊べるそうだ(が、怖くて試していない)。

Spheroを正確にコントロールするためには、各アプリに用意されたキャリブレーション機能を利用する。本体内の青い光が正面に来るように操作する
本体内のLEDライトは様々な色に変化させることができる。この操作も各アプリケーションで行う

 接続が確認できたら、Spheroを操作するためのアプリを起動する。まずは基本となる「Sphero」を試してみる。基本的なコントロールができるアプリで、これでSpheroで何ができるかがだいたいわかる。モニター上のジョイスティックによるSpheroの操縦、端末内の傾きセンサーを使った操縦、色の変化、スピードの調整、そしてプログラム(マクロ)による自動操縦だ。

 操作は多少の慣れが必要だが、スピードを調整できるので速度をゆるめて練習できる。ちなみに「付属のジャンプ台を使ってカップに載せる」というアクションをやってみたくなるのが人情だが、ジャンプさせるためにスピードを上げるとコントロールが難しくなるので、そう簡単には成功しない。

 SpheroはSDK(アプリの開発キット)が公開されており、デベロッパーはSpheroをコントロールするためのアプリを自由に開発できる。本稿執筆時点でも約30種類のSphero対応アプリが公開されている。ひととおり遊んでみたので、その中からいくつか紹介しよう。

Sphero(無料)

 基本アプリ「Sphero」のインターフェイス。基本操作のほかに上級者用のモードも用意され、コマンドを実行してスキルを上げるとレベルアップして、新しいワザが使えるようになる。Spheroの操縦は、基本的にこのアプリでOKだ。

ドロー&ドライブ(無料)

 画面上に描いたラインのとおりにSpheroが移動する。ラインを引くときにカラーを変更すると、そのとおりに色を変えながら転がる。コースを作って自動操縦で通過させるといった遊び方がある。

Sphero Cam(無料)

 Spheroの写真や動画を撮るためのアプリ。Spheroが動いている映像を撮るには操作しながら同時に撮影する必要があるが、よく考えると難しい。このアプリなら1台の端末でそれが可能だ。

Sphero Golf(無料)

 カップとなるプラスチックのコップや障害物などを設置してコースを作っておき、ゴルフの要領でスマホでスイングしてSpheroを転がし、カップインを目指す対戦型ゴルフゲーム。プレーを楽しめるようになるまでには少し練習が必要だった。

Sphero Macrolab(無料)

 一転して地味なインターフェスだが、Spheroを動かすためのマクロを組むアプリ。速度や方向、動き方、カラーなどを数値やコマンドを選択して指定する。どちらかというと仕組みを理解するためのアプリ。

Sharky the Beaver(無料)

 AR(仮想現実)を利用したゲーム。Spheroが画面上ではシャーキーというビーバーのキャラに代わり、画面上に見えるアイテムなどを集める。大人でも思いのほか楽しめる、カワイイゲーム。

The Rolling Dead(無料)

 こちらもARゲーム。端末をかざすと地面からゾンビがどんどん蘇ってくる! Spheroを武器に変化させ回転してつぶしたり、火炎放射器でゾンビを倒す。ゾンビに襲われると体力が減るので、攻守の切り替えをしっかり。

Nyan Cat - Space Party!(無料)

 逆転の発想で、Spheroをコントローラーにしてアプリを操作するシューティングゲーム。キャリブレーションしたSpheroをグリグリ動かせば、ネコが弾丸を撃ちながら縦横無尽に飛び回る。

Zombie Rollers(100円)

 街中に現れたゾンビを巨大なボールに乗ってやっつけるアクションゲーム。このアプリもSpheroをコントローラーにして遊ぶことができる。Tiltやジョイスティックでも操作できるが、Spheroでプレイするのが一番楽しかった。

 頑丈でシンプル、しかしアプリによってどんどん遊びの幅が広がるSphero。アプリが増えれば楽しみ方も広がっていく。今後の対応アプリのリリースにも期待したい。なお、1月に米国で開催された家電見本市「2014 International CES」では、新たに「Sphero 2B」が発表された。今度はボールではなく車輪のようなフォルムを採用していて、動きも軽快。こちらも発売されたら買ってしまいそうだ。

製品名製造元購入価格
Sphero 2.0Orbotix1万3453円

矢野裕彦