忘れ物防止の救世主になるか?「IZCONY」


SoftBank SELECTION IZCONY

 外出時、部屋を出てから「あれ。財布持ったっけ?」「iPhone持ったっけ?」と気になり、ふと足を止め、バッグの中をごそごそしてしまうことがある。どちらも不携帯ではとても1日過ごせないからだ。そこで導入してみたのが「SoftBank SELECTION IZCONY」(以下、IZCONY)というキーホルダーである。「イズコニー」と読むようだ。つまり「いずこに?」である。

 「IZCONY」は“iPhone 4S”とBluetoothでペアリングすることで、双方の存在を確認できるアイテム。iPhoneとキーホルダーの距離が離れると、双方でブザー音が鳴り響くため、置き忘れの防止になるとともに、どちらかが見つからない場合は、アラームを鳴らすことで探せるというものだ。Bluetooth 4.0に対応し、通信距離は最大20m。「IZCONY」本体はボタン電池(SR9365W)2個で駆動し、連続使用期間は約1.5カ月となっている。1台のiPhoneで最大5つの「IZCONY」まで同時に使用できるので、その際はキーホルダーごとに名前を付けることもできる。

 使用するには、iPhone側にも専用のアプリをインストールし、Bluetoothをオンにしておく。「IZCONY」本体に電池をセットしたら、1分後に先端のアラートボタンを押しながら、キーホルダー側の電源スイッチを右に回す(アラートボタンは6秒間押し続ける)。その後、「IZCONY」のアプリを起動して、表示される「IZCONY登録」をタップする。「IZCONY」という名前で認識されたら、タップすれば登録は完了だ。

 iPhoneがどこにあるか分からず、「IZCONY」からiPhoneを探したい場合は、先端のアラートボタンを押すと、iPhoneから音が鳴る。iPhoneから「IZCONY」(をつけた鍵やお財布など)を探したいときは、アプリで探したいものを選び、「IZCONYを見つける」をタップする。すると該当する「IZCONY」からブザー音が聞こえる。ブザー音が鳴ったら、見つけた「IZCONY」本体のアラートボタンを押すか、アプリ側で「アラートON/OFF」を「オフ」にすれば止まる。

 常にブザー音が鳴るようでは困る場面もある。そんなときは、「IZCONY」側でマナーモードも選択できる。キーホルダーの付け根にある電源スイッチは左右に回るようになっており、中央がオフ、右に回すと通常モード、左に回すとマナーモードになっているのだ。通常モードでは、LEDの点滅とブザー音で通知し、マナーモードはLEDの点滅のみとなっているので、音を鳴らしたくないときはマナーモードにしておくといいようだ(iPhone側のみブザー音が鳴る)。

 また、各キーホルダーの右矢印を選択すると、「アラートレベル」を設定できる。これは距離の指定に使う。一番左側(初期設定)では、利用環境における通信距離の最大値となるらしい。一応最大20mということだが、このスライダーを調整することで、どの程度離れたらブザー音を鳴らすか調整できるようである。

 手元にある3つの「IZCONY」のうち、財布と鍵に1つずつつけてみた。これでバッグへの財布の入れ忘れや、鍵の紛失が防げるかもしれない。んが! 設定したところ、離れた距離がかなり近くても鳴ってしまうようで困ってしまった。「アラートレベル」は最長にしてあるが、拙宅では10mも離れないうちに鳴ってしまうのだ。鍵用の「IZCONY」をオンにしたまま玄関においてしまうと、ブザー音が鳴りっぱなしに……。仕方なくマナーモードにしてみたが、これではどこに置いたか確認できなくなってしまうだろう。

 通信できている(近くにある)ときは、アプリ上の名前の横に緑色のボタンが表示されるので、アラートはオフにして、近くにあるかどうかだけボタンの色で確認するという手もあるのだが、アプリを起動したとき、確実に通信が確立する保証がない。実際に、鍵も財布もバッグの中にあり、どちらも通常モードなのに、ある時からお財布用の「IZCONY」しか認識しなくなった。「鍵用のIZCONYはいずこに?」という状態なのである。しかも、認識している「IZCONY」は、移動していないのに突然鳴り出すなどして存在を誇示する場合も。どうやら個体差が激しいようだ。

 そんなわけで、現在はお財布用の「IZCONY」だけが動作している状態だ。帰宅後、財布をバッグから出した後、バッグに戻し忘れたまま出かける可能性もあるので、ありかの確認には使えている。ただ、これもいつ使えなくなるか分からない。仕様通りに動作してくれたら非常に便利だと思うだけに、不安定さが残念でならない。

 なお、この製品は「iPhone 4S」用という点に注意していただきたい。当初記載に気づかずiPhone 5で設定に挑み、見事に玉砕してしまった。一応設定できるが、複数ペアリングしようとすると上書きされてしまったり、設定とは違う「IZCONY」が鳴り響いたりと悪戦苦闘するハメになる。「iPhone 4S」でやり直したところ、スムーズにペアリングできた。「iPhone 5」に対応し、安定して使えるようになることを期待したい。


本体は約65mm程度アラートボタン
電源スイッチとLEDボタン電池が2個付属する
iPhone用アプリをインストール「IZCONY」とペアリングする
名前を付けて5つまで管理できるiPhoneからお財布用の「IZCONY」を呼び出すと、ブザー音を鳴らしながらLEDが点滅
ある時からお財布用「IZCONY」しか認識しなくなった登録した「IZCONY」は簡単に削除できる

 

製品名製造元購入価格
SoftBank SELECTION IZCONYソフトバンクBB2980円

 

 

(すずまり)

2012/11/14 06:00