スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

万が一の「幸運」は自分で引き寄せるのだッ! 備えあれば憂いナシのアナログ&デジタルの緊急連絡術!

 今年に入ってふと思ったのは「iPhoneのメディカルIDって緊急時に実際使われるのか?」ということ。この「メディカルID」とは、iPhoneユーザーの持病やアレルギーや緊急連絡先など「緊急時に必要になりがちなユーザー個人情報」をiPhone上に登録でき、それを簡単な操作で表示できるというしくみ。本人が意識不明で救急搬送された場合、医療関係者が搬送された人の情報を得る手がかりとして使われたりする。

メディカルIDを既にiPhone上に登録している場合、ロック画面からの操作で内容を表示できる。ロック画面で画面を上にスワイプ(もしくはホームボタンを押下)し、「緊急」→「*メディカルID」の順にタップしていけば登録されている情報(メディカルID)が表示される。これ以外の表示方法もあるが、恐らくこの方法が医療関係者などに広く周知されているものだと思う。

 万が一のときに役立つかもしれない情報提供方法で、調べてみたところ救急隊員をはじめとする医療関係者への周知は広いようだ(世界的に)。一方で、ユーザーが実際にメディカルIDを設定していないケースがまだ多いため、「(医療関係者などが)見てもメディカルIDが登録されていないことが多い」といった理由で「すぐにはメディカルIDを見てもらえない」ことも多いっぽい。

 なお、メディカルIDの登録や設定は、iPhoneのヘルスケアアプリから行う。ヘルスケアアプリを開き、右上のユーザープロフィールアイコンをタップし、メディカルIDの登録や編集を行う。ちなみにメディカルIDは「誰でも」見ることができる。なので、悪用の可能性があり、つまりは個人情報を盗まれる可能性がある。だがそれを防止する設定にもできる。

メディカルIDはiPhoneのヘルスケアアプリから登録・編集できる。緊急時に必要になる個人情報を登録可能。スクリーンショット3枚目の「ロック中に表示」をオフにしておけば、iPhoneをロック解除しない限りメディカルIDは表示されなくなる。リスクが高い行動を取るときだけ「ロック中に表示」をオンにするといった使い方もできる。

 などと急にメディカルIDについて考えていたのは、サイクリングの頻度が高くなっているから。頻度に加え、距離や時間も長くなっている。そして↓こういうトコロを走りがち。

広い畑のなかを通るサイクリングロード。たま~にサイクリストや散歩の人、農作業をする人を見かけるが、だいたい「誰もいない道」といった感じ。
こちらはメジャーなサイクリングロードだが、時間帯によっては誰にも遭遇しない。道の左右は農業地帯や河川だが、季節によっては背の高い雑草に囲まれてしまう。
これは自転車走行OKな遊歩道。季節によっては雑草に囲まれてギリギリ通過できるくらいの道幅になってしまう。ほとんど人と遭遇しない遊歩道でもある。
こちらはあるトレイル。山の中のシングルトラックだが、平日はほぼ誰もいない。

 俺の場合、土日祝日などはサイクリングをせず、もっぱら平日のサイクリング。で、上記のような道を走りがち。走行時間は3時間から6時間といったところだ。サイクリング自体のリスクがありつつ、走行時間もけっこう長く、人の行き交いも稀な道が多いということで、「えぇっ、あんなに元気だったのに……お気の毒に」的なことが起きる可能性もソコソコ高い気がする。

 そんなわけで「メディカルIDって万が一のとき役立つ?」とか思ったりしたわけだ。だが、考えたり調べたりした結果、メディカルIDは身体に異常をきたして倒れたりしたときに「すぐ役立つ」というわけではないようだ。「病院に搬送された後に役立つ可能性があるかも」くらいな「万が一のときに役立つかもしれないお守り的な存在」なのだと思う。とは言え、万が一に備えて設定しておいて損はない非常に有効なツールであることは間違いない。

 でもやはり、より確実性や即効性が高い「緊急事態に役立つツール」があると、より安心感が高い。具体的には緊急連絡先カードなどの「物理的なモノに書かれた緊急情報」だ。

ヘルメットに緊急連絡先を装着していたが……

 俺の場合、サイクリング時には当然だがヘルメットを着用している。サイクリング中に頭部損傷で死ぬ可能性を下げるためだ。「サイクリングロード走行くらいで死なないだろう」とか思いがちだが、ヘルメットを着用しないで走って事故を起こすと、けっこう簡単に死に至る。

 自転車事故全体の統計では、単独事故での死亡原因の約5割~6割が「頭部損傷」だ。また、ロードバイクなどで時速25km程度で走行中に転倒した場合、頭部への衝撃は「建物の2階(高さ約3~4メートル)からコンクリートへ垂直に落下したとき」とほぼ同等と言われてもいる。ヘルメットなしでそうなったら……?

 ちなみに、ヘルメットを着用している場合の致死率は低く、死傷者全体における割合は0.1~0.2%程度。一方で、ヘルメットを着用していない場合の致死率は「着用時の約2.3~3倍(約0.23~0.6%)」になるという。ここで意識したいのは「200回の事故で1人死ぬ程度じゃん」ということではなく、「ヘルメット着用で死亡リスクを1/3くらいまで抑えられる」ということだ。

 ツイデに、サイクリングロード上の事故で少なくないのが「スポーツ自転車同士の正面衝突」。お互いが時速25kmで走っていたとすると、衝突の瞬間の速度は時速50km(自動車の衝突並み)となる。こういう事故が起きてケガをしないのは「奇跡的」と言えよう。つーか、こういう正面衝突が死亡事故になるケースもある。

 って話が逸れたが、俺の場合はサイクリング中に常時着用するヘルメットに、緊急連絡先を装着している。↓こんな感じ。

ヘルメットに緊急連絡先カード的なモノを物理的に装着している(黄色矢印)。
情報を書き込んだ細長いカードを折ってケースに入れ、そのケースをヘルメットに貼るタイプ。ただ、走行中にヘルメットに木の枝や雑草がかすったりすると剥がれやすい。またこのヘルメットは表面がマットな質感であるため、ケースの粘着が十分強くないので、この緊急連絡先グッズは使うのをやめようと考えている。ちなみにこのグッズは以前は1枚単位で購入可能だったが、現在は20枚とか50枚の単位でないと買えなくなっている。
こちらは面ファスナーのリストバンド型の緊急連絡先グッズ。本来は手首などに装着して使うもので、内部に緊急連絡先を書き込んだ細長いカードが入っている。これ自体は既に購入できない状態だと思われるが、似た機能性の「clef(クレ) MEDICAL ID ANALOG BAND」という製品が2000円程度で購入できる。

 これら緊急連絡先グッズは15年以上前から使い続けている(予備も保有して劣化したら入れ替えて使用している)。だが、改めて考えると「これに緊急連絡先が入っているって……わかりにくくない?」と思ったりした。「英語表記だし、ヘルメットのデザインの一部にも見えるし」みたいな。

 また、そこそこトシだしということもあり、よりマジメに緊急連絡先グッズについて考え、緊急連絡先などがさらに伝わりやすいグッズを使うようになった。結果、サイクリングでも日常生活でも、ちょっと安心感がアップした。

緊急連絡先などがより伝わりやすいグッズとは?

 結局のところ、紙などでできた物理的な緊急連絡先カードが無難という結論に至った。単純明快に「よくある緊急連絡先カードを数枚(別の位置に入れて)携行する」ということだ。

よくある緊急連絡先カード。100円ショップでもAmazonでも買えるし、無料でダウンロードして印刷できるカードもある。自作してのプリント&パウチもわりと容易だろう。
書き込み済みのカードを財布に入れると、一部が露出して「緊急連絡先カード」であることがわかりやすい。

 多くのケースで「緊急事態に陥った人の連絡先などを探るには財布を見る」のが定番的方法らしい。「緊急時に見て!」的なグッズはさらに効果があると思う。また、スマートフォンの待ち受け画面を緊急連絡先画像にしておけば「他人がスマートフォン画面を見たら連絡先を伝えられる」という即時性が得られるとも思う……が、個人情報が漏れやすいとも言える。

 ともあれ、こういうカードを財布に入れている。また、自転車ならツールバッグやフロントバッグなどにも入れている。最近ではより目立つ小型の緊急連絡先カードを自作した。下記のようなもので、これを名刺サイズで印刷して防水加工を施して使っている。

ほぼ名刺の比率で作成した緊急連絡先カードの1面。
実際に緊急連絡先を書き込む面。貼り合わせたりして使う。
少しわかりにくいが、名刺サイズのビニール袋(免許など本人確認ができるカードを入れている)に、上記緊急連絡先カード(を貼り合わせたもの)をテープで接続し、財布のカードポケットに入れている。財布を開けば即、緊急連絡先カードの存在がわかるようにした。
緊急連絡先カードをめくると、裏側に緊急時に伝えたい情報が書き込まれているというしくみ。小さいのでヘルメットへの装着も試したが、そうするにはまだカード自体が大きいのであった。

 こういうカードに、さらに「iPhoneにメディカルIDあり」など情報を追加するといいのかもしれない。あ、よろしければ自作緊急連絡先カード画像をコピペして改造してお使いください。

QRコードを活用する方法もある

 iPhoneのメディカルIDは知らなくても、iPhoneやAndroid端末でQRコードを読み取る方法なら知っている、という人は非常に多いのではないだろうか。基本的にはスマートフォンのカメラでQRコードを見るだけだし。最近ではうかつにQRコードを読みとったら詐欺だったというケースもあるほど、メジャーになっているQRコード。

 そんなQRコードを使った緊急連絡先グッズ/サービスも存在する。調べてみたらけっこうイロイロあったが、「レスQR」という有料グッズ/サービスが継続性・簡単さにおいて良さそうだった。QRコードをいろいろなカタチで身に付け、万が一のときにそのQRコードを読んでもらい、緊急連絡をしてもらったり、QRコードが誰かに読まれたことが家族などに伝わったりするというもの。サンプルのQRコードから体験できるので、興味のある方は試してみてほしい。

「レスQR」ウェブサイトにサンプルのQRコードが掲載されている。そのQRコードを読むと、スクリーンショット2枚目~3枚目のような画面が表示され、タップするだけで緊急連絡を取ることができる。

 前出のような緊急連絡先カードを、そのままJPG画像やPDFドキュメントへとデジタル化すれば、デジタルの緊急連絡先カードをQRコードから表示することもできる。たとえばGoogleドライブやDropboxといったクラウドサービスにデジタル緊急連絡先カード(画像やPDF)を保存し、そのファイルのURLを取得し、そのURLをQRコードとしてプリントすれば、必要に応じたスタイルで利用できる。

 また、デジタル緊急連絡先を示すURLにパスワードを設定し、プリントしたQRコードの近くや裏にそのパスワードを書いておけば、「ある程度のセキュリティを保ちつつのデジタル緊急連絡先運用」が可能になるだろう。ただ、パスワード設定をするには有料サービスの利用が必須というクラウドサービスもあるので、あるいはNASなどの「自前クラウド」を使うのがよりスムーズかもしれない。

 てな感じで緊急時に連絡先を提示するグッズやサービスはいろいろあるが、それ以前に「緊急事態にならないような本人の心がけ」が超絶大切。それをしたうえでも緊急事態に陥ってしまった場合、その先は運の要素にけっこう左右されてしまうとは思うが、緊急連絡先カードやメディカルIDの用意が「より幸運を引きつけやすくなる」ような気がしている。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。