iPhone駆け込み寺

アップルの10月19日発表会まとめ、AirPods(第3世代)はどこが違う? 新型「MacBook Pro」の魅力とは

アップルのティム・クックCEO

 アップルは日本時間の10月19日未明に発表会を開催し、第3世代のAirPodsやApple Musicの新プラン、MacBook Proなどの新製品を発表した。第3世代AirPodsとMacBook Proの新製品は予約受付を開始していて、10月26日から発売される。

AirPods Proの機能を一部搭載する第3世代AirPods

AirPods(第3世代)

 AirPods(第3世代)はワイヤレスイヤホンのスタンダードモデル。価格は23,800円で既に予約受付を開始していて、10月26日から発売される。

 前モデルである第2世代のAirPodsに比べると、空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング(装着者の頭の動きに連動して仮想的な音源の位置を移動する機能)、装着者の耳に合わせて音質を調整するアダプティブイコライゼーションといった、上位モデルであるAirPods Proの機能が新たに搭載された。音を出力するドライバやアンプも第2世代AirPodsよりも高品質になり、音質が向上している。

耐水性能を持つ

 AirPods Pro同様にIPX4等級の耐汗耐水性能を持つ。一方でアクティブノイズキャンセリング機能には対応せず、ここがAirPods Proとの違いの一つとなっている。バッテリの持ちは最大6時間で、第2世代の5時間、AirPods Proの4.5時間よりも長い。

 付属の充電ケースに収納し、Lightningケーブルか非接触充電器、MagSafe充電器で充電する。充電ケースにもバッテリを内蔵していて、組み合わせると最大30時間の音楽再生が可能。

MagSafe充電器に対応し、より充電しやすくなった

 デザインも前モデルから変更されていて、AirPods Proのように、イヤピースの外側に伸びる棒状の部分が短くなっている。一方でイヤピース部分は第2世代のAirPodsやEarPodsと同じような硬い素材で、AirPods Proのようなイヤーチップは採用しない。

 第2世代のAirPodsは16,800円の最安モデルとして販売が継続される。今回の発表により、AirPodsシリーズはAirPods(第2世代)、AirPods(第3世代)、AirPods Pro、AirPods Maxの4モデル構成となる。

Apple Musicには音声コマンド専用の月額480円の最安プランが追加

HomePodやAirPodsなどでSiriの音声コマンドからの利用を想定したApple Musicの新料金プラン

 Apple MusicにはHomePodなどからSiriでコントロールすることを想定した月額480円の「Voice」プランが追加される。こちらは今秋より提供予定。日本でも提供される予定。

 通常のプランだと、一般の個人プランは月額980円(学生は月額480円)だが、「Voice」は一部の機能が制限される代わりに、安価に提供される。

 制限される機能としては、「アップル以外のデバイスでの利用」「空間オーディオ」「ロスレスオーディオ」「歌詞の表示」「ライブラリへのダウンロード」「友だちが聞いている曲を聴く」などの機能。

 「Voice」プランでも、全ての曲の再生、エクスパートが厳選したプレイリスト、Siriからの再生、ラジオなどといった機能は利用できる。

HomePod miniには新色追加

 HomePod miniは機能や価格には変更はないが、従来のホワイトとスペースグレイに加え、新たにブルー、イエロー、オレンジの新色が追加される。いずれも発売は11月予定で、まだ予約受付も開始していない。

さらにパワフルになったAppleシリコンを搭載するMacBook Pro

14インチと16インチのMacBook Pro

 MacBookの新製品として、さらに高性能になったアップル独自設計のチップ「M1 Pro」と「M1 Max」を搭載する14インチと16インチの2つのサイズのMacBook Proが発表された。価格は239,800円〜。予約受付は開始していて、発売は10月26日から。

 なお、macOSの次期バージョン「Monterey」も10月26日にリリース予定で、新MacBook ProもMontereyを搭載する。

チップの比較。全て「M1」シリーズではあるが、チップのサイズからかなり異なっている

 「M1 Pro」と「M1 Max」は、昨年秋からMacが搭載しているM1チップの強化版で、ナンバリング自体は昨年秋から変わらないM1だが、プロユースに向けて性能が大幅に強化されている。

M1 Max。メモリチップに囲まれるように実装される

 これまでのM1チップ搭載Macはメモリを16GBまでしか搭載できなかったが、M1 Proでは16GBか32GB、M1 Maxでは32GBか64GBを選択できる。インテルプロセッサのハイエンドパソコンだと、通常はCPUとGPUは別のチップで、それぞれが別個にメモリを搭載するが、アップルのチップでは「ユニファイドメモリ」としてCPUとGPUでメモリを共有する。それにより、CPUとGPUのメモリ間でデータ転送をする必要がなく、GPUが最大64GBのユニファイドメモリから使用メモリの割り当てを受けられ、これまで以上のパフォーマンスを発揮できるようになる。

CPUの電力パフォーマンス。最大パフォーマンスも8コアのラップトップより高いが、消費電力は半分以下
GPUの電力パフォーマンス。コンパクトなプロ向けラップトップと比べると、消費電力は40%少ない
ハイエンドのラップトップPCとGPUパフォーマンスを比較すると、最大パフォーマンスは劣るが、消費電力は3分の1以下

 こうしたノートパソコンとしては極めて高いパフォーマンスを少ない電力消費で発揮できることも特徴。GPUの最大パフォーマンス自体は、これまでのハイエンドノートパソコンの独立GPUと同等だが、そうしたノートパソコンはバッテリ駆動時にはパフォーマンスを数分の1に制限することが多いのに対し、M1 Pro/M1 MaxのMacBook Proはバッテリ駆動時にも高いパフォーマンスを発揮し、発熱も抑えられている。

 アップルではこうした高いパフォーマンスをクリエイター向けのものとしてアピールしている。例えばXcodeでのビルド速度はクアッドコアi7搭載のMacBook Proに比べて3.7倍、4KレンダリングはIntel Iris Plus搭載のMacBook Proに比べて16コアGPUのM1 Proで9.2倍、32コアGPUのM1 Maxで13.4倍など、プロユースでのパフォーマンス例を挙げている。

 さらにアップルによるプロ向けのアプリ、「Final Cut Pro」と「Logic Pro」については、M1 Pro/M1 Maxチップに最適化されることもアナウンスされている。

M1 Maxは3台の6Kディスプレイと1台の4Kディスプレイを接続できる

 M1 Proは8コアCPUと14コアGPU、10コアCPUと14コアGPU、10コアCPUと16コアGPUの3種類、M1 Maxは10コアCPUと24コアGPU、10コアCPUと32コアGPUの2種類から選択できる。

 ディスプレイも新しくなっていて、最新の12.9インチiPad Proと同じく、ミニLED使った「Liquied Retina XDR」を搭載する。これにより、最大のコントラスト比は100万:1にまで拡大した。色数は10億色に対応。

 また、iPad Proなどと同様のProMotionテクノロジーに対応し、表示内容に合わせ、画面のリフレッシュレートを最大120Hzにまで可変させるようになっている。

ベゼルがかなり細くなり、ディスプレイが大きくなったが、一方でiPhoneのようなノッチができている

 ディスプレイの形状も新しくなっていて、ベゼルが3.5mmにまで細くなった。正確なディスプレイサイズは14.2インチ(3024×1964ピクセル)と16.2インチ(3456×2234ピクセル)となる。

 MacBookとしては初めて、ディスプレイ上部にはインカメラを内蔵するiPhoneのような出っ張り(ノッチ)がある。macOSの場合、通常のデスクトップ表示では画面最上部にはメニューバーやステータスアイコンが表示されるが、ノッチの左右にメニューやステータスアイコンが表示される形式となる。

ファンクションキーはタッチパネルからメカニカルなものに戻り、フルサイズにもなっている
充電はMagSafe 3とThunderboltどちらでも可能
3つのThunderbolt 4ポートを搭載。他にもHDMIポート、オーディオポート、SDXCカードスロットも備える
カラーバリエーションはスペースグレイとシルバー