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DAZNが読売ジャイアンツの放映権契約を10年間延長、阿部監督「日本一の瞬間まで配信してもらえるように」
2025年1月28日 20:30
DAZNと読売新聞社、読売巨人軍(ジャイアンツ)は28日、2019年に締結した読売グループとDAZNとの包括提携を10年間更新することに合意したと発表した。ジャイアンツの一軍公式戦やセパ交流戦、日本シリーズのほか、二軍のイースタン・リーグ公式戦もライブ配信される。
10年間延長と新たな取り組み
今回の合意では、10年間の契約延長のほか、これまで以上にコンテンツが拡充される。
広島東洋カープ主催試合など一部の試合を除いたジャイアンツの一軍公式戦のライブ配信は、読売新聞や日本テレビが関わるサービス以外では独占配信となる。ジャイアンツの一軍公式戦は、日本以外でも新たに台湾での配信と有料放送が実施される。
また、ジャイアンツ二軍のイースタン・リーグ公式戦をDAZNで初めてライブ配信される。
このほか、ジャイアンツの春季キャンプの模様がDAZNで初めてライブ配信される。
配信以外では、DAZNがジャイアンツのオフィシャルプレミアムスポンサーを継続して務め、読売新聞の販売店網を活用したDAZNユーザーの拡大施策などが行われる。
DAZN Japan 最高経営責任者兼アジア事業開発の笹本裕氏は、配信の取り組みにあたり「日本テレビに大変なご理解をいただいた」とコメント。長期契約に合意した要因の1つとして、2019年の契約からDAZNと読売グループがWIN-WINの関係となり互いにメリットを感じたと指摘。長期契約により配信サービスの安定化が向上し、ファンの満足度が高まるとした。
コロナ禍による“オンデマンド配信”の価値
読売新聞グループ本社 代表取締役社長の山口寿一氏は、2020年からのコロナ禍による影響に言及。DAZNとは2019年から取り組みを進めていたが、そのなかで新型コロナウイルス感染症が流行し、無観客試合をするなど、ファンが球場で試合を楽しめない期間があった。その際に、オンデマンド配信によりファンに映像を届けられたことに「大きな価値を実感」と語る山口氏。
読売新聞やスポーツ報知といった紙媒体や日本テレビなどの地上波、BS放送、CS放送、読売グループのジャイアンツTV、日本テレビグループのHuluといった多様なメディアを組み合わせた発信を重視しており、この配信チャネルにスポーツ専門のDAZNが組み合わさったことで、多くのスポーツファンにジャイアンツの試合を配信できるようになったと評価した。
阿部監督「日本一の瞬間まで配信してもらえるように」
ジャイアンツの阿部慎之助監督は、DAZNで春季キャンプやイースタン・リーグの試合が配信されることについて「とても野球人気に繋がる」と評価。台北ドームやWBSCプレミア12など台湾の野球人気を肌で感じたといい、台湾での配信も「ジャイアンツファンや野球人口の拡大を目指し、わくわくする緊迫した試合を見せられるようにしたい」と語った。
2024年シーズンは日本シリーズ出場を逃したジャイアンツ。阿部監督は「日本シリーズまで配信できなかったが、今年は日本シリーズの最後の最後、日本一の瞬間まで配信してもらえるようにしたい」と25年シーズンへの意気込みを語った。
長期契約によるリスク
一方で、長期にわたって契約をすると、何か問題が生じた際など大きなリスクを孕むことが予想される。たとえば、DAZNはJリーグと契約し国内放映権を獲得しているが、視聴条件の変更や値上げなど一部のサッカーファンから不満の声が上がっている。
読売新聞グループ本社の山口氏は、長期契約の理由を「サービスを安定的継続的に行うため」とコメント。10年間何も変えずに実施するのではなく、サービスを磨いていき価値を高めていくとした。
また、DAZNの独占配信としているものの、ジャイアンツTVやHuluなど読売新聞グループのオンデマンド配信については許容されており、「完全な独占の枠組みではない」との見解を示した。
【お詫びと訂正】
本稿初出時、読売新聞グループ本社 代表取締役社長の氏名に誤りがありました。
正しくは、山口寿一氏です。お詫びして修正いたします。