iPhone駆け込み寺

iPhone 13の5Gは4Gに比べてどのくらい速いのか?

iPhone 13

 「iPhone 13」シリーズは、「iPhone 12」シリーズ同様に5Gに対応している。しかし、いま「iPhone 13」シリーズを買う人は、もっと前の4Gモデルからの買い替えが多いのではないだろうか。

 「iPhone 13」シリーズの5Gでは、どのくらいの通信速度が出せるのか、今回は「iPhone 13」と「iPhone X」の2モデルを使い、比較してみた。

 測定は、NTTドコモの回線を使っている。場所は筆者の仕事場、渋谷駅から徒歩10分以内なので、5Gはそこそこ入る。とくにドコモは安定していて、5Gも4Gもアンテナアイコンの表示はバリ4だ。測定にはNETFLIXが提供しているスピード測定サイト(fast.com)を使い、3回ずつ測定している。

 通信速度は測定する場所、時間帯、つかんでいる電波バンドなどなど、さまざまな要素が影響して上下しやすいので、あくまで参考値として欲しい。

「iPhone 13」の測定結果
1回目
2回目
3回目
「iPhone X」の測定結果
1回目
2回目
3回目

 結果は、「iPhone 13」が290/270/510Mbps、「iPhone X」が72/82/89Mbpsだった。4Gのみの「iPhone X」もかなりの速度が出ているが、5Gは不安定なものの、最低でも270Mbps、最高で510Mbpsというのはかなりのものだ。

 ここまでくると、ほんの30秒ほどでギガに達する。大容量もしくは無制限の料金プランでないと使いこなせないレベルだが、逆にいうと、動画など大容量通信をたくさんするため、大容量もしくは無制限の料金プランを契約しているなら、それを存分に使い切るためにも、5G対応iPhoneが欲しいところだ。

 しかし実際のところ、現在のネットサービスで、ここまでの速度が必要とされる場面は少ない。サーバー自体が、そんなに高速でアクセスできるとは限らないからだ。

 しかし、5Gのメリットは最高速が速いことだけでなく、「混雑に強いこと」にもある。

 帯域が広いので、利用者が増えてきても速度が低下しづらい。また、5Gは「多数同時接続に強い」仕様にもなっている。いままでは速度が低下しがちだった混雑する駅前などでも、実用的なスピードを保ち続けることを期待できる。

 なお、5Gには「レイテンシ」が低い、つまり「低遅延」という特徴もあるが、今回のテストでは有意な差は得られなかった。5Gも4Gもだいたい40ms弱という感じだ。大雑把に言えば25分の1秒、ギリギリ人間が知覚できる時間である。

固定回線の測定値。Wi-Fiではなく有線LANで接続している

 一方、同じ場所にある固定回線(auひかりのマンションタイプ)はというと、マンション内の回線が古いため、通信速度自体は遅く、4Gと大差ない。しかしレイテンシは10ms前後と、5G/4Gに比べると格段に速い。

 遅延は小さなデータのやり取りで影響が大きい。

 たとえばWebブラウザの場合、サーバーと「このHTMLファイルちょうだい」、「送るよ」、「HTMLファイルに書かれてた画像ちょうだい」、「あいよ」といったやりとりを何往復もしている。遅延は片道にかかる時間なので、何往復もすると、知覚しやすい時間となってくる。

 この遅延の差があるため、ネットゲーマーは固定回線を必須としている。iPhone/iPadのゲームであれば、モバイル回線の遅延を想定して作られているとは思うが、「遮蔽物に隠れてからヘッドショットされた!」とか「いまの攻撃、俺の画面では避けてたわー」とかいうことを減らしたければ、5Gにも満足することなく、固定回線の利用をおすすめしたい。

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