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「iPhone 13 Pro」発表、マクロ撮影できる3眼構成に最大120Hzディスプレイ

 Appleは、日本時間15日2時からの発表会で、6.1インチディスプレイの「iPhone 13 Pro」を発表した。9月24日に発売される。17日21時から予約を受け付ける。

 価格は12万2800円~。128GB、256GB、512GB、1TBの4モデルがラインアップされる。

iPhone 13 Proの価格
ストレージ価格
128GB12万2800円
256GB13万4800円
512GB15万8800円
1TB18万2800円

カメラ

 背面のメインカメラは、望遠、広角、超広角カメラという3眼構成。このうち超広角カメラでは最短2cmでのマクロ撮影もできる。LiDARスキャナー搭載で、ナイトモードでのポートレートなどに活用できる。望遠撮影は、3眼全てを活用して最大6倍の光学ズームも利用できるほか、最大15倍のデジタルズーム撮影も楽しめる。

iPhone 13 Proのカメラ構成
望遠F2.8、77mm、最大3倍光学ズーム、6枚構成レンズ
広角F1.5、1.9μピクセル、7枚構成レンズ
超広角F1.8、視野角120度、6枚構成レンズ

カメラのソフトウェア処理

 アップルではiPhoneのカメラ機能を開発する際、何千枚もの写真を撮影し、分析するという。

 たとえばグループ写真で、被写体の色、コントラスト、光を自動的に調整することになるが、光がばらつく場面の調整は難しい。iPhone 13 ProのカメラではISP(画像処理プロセッサー)内のソフトウェアが異なる光の明るさを最適化し、人物のスキントーンを向上させている。

 フォトグラフスタイルと呼ばれる仕様は、ユーザーの好みを画像パイプラインに取り込み、プロの写真編集者が行うような編集を、リアルタイムで写真に施してくれる。また「単純なフィルターでは得られないような自分好みの調整もできる」という。

 撮影時には、初期設定で用意された4つのスタイルから一つをチョイス。たとえば「リッチなコントラスト」を選ぶとよりはっきりした見た目になり、「鮮やか」を選ぶと力強い見た目になる。

 こうした処理がiPhone 13 Proの写真撮影では求められている。同様の仕組みはiPhone 13にも搭載される。

進化した動画撮影とシネマティックモード、ProResビデオ

 iPhone 13 Proのカメラシステムでは、ドルビービジョン対応のHDR動画を撮影できる。

 15日の発表会では、プロの映像クリエイターが出演し、「これまでのiPhoneで、できなかったことのひとつは『レンズから奥行きを生み出すこと』」と解説。

 しかし今回のiPhone 13 Proでは、新たに「シネマティックモード」と呼ばれる撮影機能が用意され、撮影後にピントを選べるようになるという。

 これは、機械学習と視差を活用して深度マップを作成して、それを撮影した動画に適用することで実現する。これにより被写界深度効果を実現し、ボケの程度や、ピントを合わせる場所を選べる。シネマティックモードは、iPhone 13でも利用できる。

プロ向けに「ProRes」を高速処理

 このほか、動画撮影では「ProResビデオ」と呼ばれるコーデックにも対応する。アップルでは、「ProResビデオ」について「Final Cut Proのようなプロ向け映像編集アプリで、色の忠実性が非常に高くより効率的にエンコードできる」と説明。

 放送用の最終納品フォーマットとして用いられており、iPhone 13シリーズ搭載のチップセット「A15 Bionic」では、ProRes向けのハードウェア処理の高速化が含まれる。高速なファイルシステムやストレージとの組み合わせで、30fpsの4K ProRes映像を撮影できる。

 これらの仕様から、今回の発表会では「iPhone 13 Proは完結したプロ向けワークフローを提供する唯一のスマートフォン」と説明し、映画撮影が一変するとしている。

インカメラのTrueDepth

 ディスプレイ上部のTrueDepthは従来より20%小型化。

 撮影機能としては、メインカメラシステムと同等で、シネマティックモード、フォトグラフスタイル、ProResビデオ撮影、ドルビービジョンHDR撮影、ポートレートモード、ナイトモードのセルフィー、スマートHDR 4などに対応する。

ディスプレイ

 6.1インチ、ProMotion搭載Super Retina XDRディスプレイは有機EL、2532×1170ピクセル。ProMotionは、10Hz~120Hz(1秒に10回~120回)で描画する技術で、従来よりも滑らかな描画を実現する。

 ディスプレイガラスはCeramic Shield。コントラスト比は2,000,000:1、最大輝度は1000nit、HDRでは最大輝度1200nit。耐指紋性撥油コーティングが施される。

主な仕様

 大きさは71.5×146.7×7.65mm、重さ203g。ストレージは128GB、256GB、512GB、1TBの4種類。

 ボディカラーはグラファイト、ゴールド、シルバー、シエラブルー。筐体はステンレススチールで、アップルはその品質について「医療で活用されるレベル」とアピール。

 チップセットはA15 Bionicで、6コアのCPU、5コアのGPU、16コアのNeural Engineという構成。

 IP68の耐水性能を備える。Lightning端子、MagSafeを搭載する。

 5GはSub-6(6GHz以下の周波数)に対応する。Bluetooth 5.0、NFC、FeliCaなどをサポート。

日本で販売されるモデルA2636の対応バンド
通信方式バンド
5G NRバンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n28、n29、n30、n38、n40、n41、n48、n66、n71、n77、n78、n79
FDD-LTEバンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71
TD-LTEバンド34、38、39、40、41、42、46、48