レビュー
着けているだけで摂取カロリーがわかる、「からだメイト Watch」をじっくり使ってみた
2026年9月9日 00:00
シャープが7月9日に発売したスマートウォッチ「からだメイト Watch」を使ってみた。まず、レビューを書くためにシャープから1カ月ほど借りて試用したのだが、摂取カロリーの自動測定機能が気に入り、自分でも購入した。
価格はシャープ公式のCOCORO STOREで5万9400円。筆者が気に入っている点を中心に、使用感をレビューする。
シンプルで飽きがこないデザインが魅力
からだメイト Watchは、そのわかりやすい名称から “見た目よりも機能を重視したヘルスケア機器” をイメージする人が多いだろう。しかし、実際はシンプルながら高級感があり、日常的に身に着ける腕時計としてふさわしいデザインだ。
文字盤は円形で、ディスプレイは約1.32インチの有機EL。ケースの直径は42mmで、大きくも小さくもないサイズ感。
筆者は、これまでApple Watchの46mmモデルを使っていたのだが、からだメイト Watchに替えても、小さいとは感じず、画面の視認性もさほど変わらなかった。ワンサイズなので購入時に悩まずに済むのは利点。
カラーバリエーションはゴールドとシルバーの2色、ゴールドには淡いベージュ、シルバーにはブラックのベルトが付属している。ベルトもワンサイズ。やや長めで、小穴が多いので、誰にでも合うはずだ。
なお、市販の20mm幅の腕時計ベルトに交換することも可能だ。
操作性は標準的、独自の表示機能を搭載
ケースの右側には2つのボタンを搭載。右上にあるのはリューズ。押すと機能メニューが表示され、クルクルと回して画面をスクロールできる。項目の選択・決定はタッチ操作で行う。どんな画面が表示されていても、リューズを押すとウォッチ画面に戻る。また、2回押して起動する機能を設定することもできる。
右下にあるのはサイドボタン。よく使う機能を素早く呼び出すためのボタンで、初期設定は「エクササイズ」になっている。「ヘルスケア」「アラーム」「タイマー」など、他の機能に変更することもできる。
ウォッチ画面を下にスワイプすると、スマホで言うところのクイック設定が表示。電池残量を確認したり、「設定」を開いたり、「省電力モード」に切り替えたりできる。上方向にスワイプすると通知を確認できる。
右にスワイプするとカロリーバランスを確認でき、左にスワイプするとタイルが表示される。タイルはスマホにおけるウィジェットのようなもので、初期設定では、歩数、カロリーバランス、水分バランス、アラーム、天気が設定されていた。不要なタイルを削除したり、使いたいタイルを追加したりすることもできる。
一連の操作性は、スマートウォッチとしては標準的なので、スマートウォッチを使ったことがある人ならスムーズに使いこなせるだろう。なお、手首を上げたときに、自動で最新の情報がパラパラと表示される「サーキットビュー」という独自機能も利用できる。
注目の摂取カロリー測定機能の使い勝手は?
からだメイト Watchの最大の特徴は、摂取カロリーが自動で推算されることだ。購入を考えている人にとって最も気になるのがこの機能だろう。
まず、摂取カロリー量が測定される仕組みについて簡単に説明しておこう。
食べたものが栄養素に分解されると、体内の細胞がブドウ糖を吸収し、水分が排出される。ウォッチの裏面に搭載された「生体電気インピーダンスセンサー」が微弱な電気を流し、そうした体内の変化を検出する仕組みだ。
この測定には、生体データの解析の実績がある米HEALBE社の「FLOWテクノロジー」という特許技術が用いられており、摂取カロリーを推算するアルゴリズムは、米カリフォルニア大学と中国の広州赤十字病院での検証研究において約89%の精度が確認されているとのこと。
ユーザーとしては、事前の設定が必要なく、ただ着用しているだけで、その日の摂取カロリー量が加算されていく。心拍数などのモニタリングによって消費カロリー量もわかるので、リアルタイムのカロリーの収支をチェックできるわけだ。
しかし、食べたものが体内に吸収されるまでには時間を要する。シャープによると、摂取カロリー量としてカウントされるまでに、だいたい5〜9時間かかり、食事内容によっては10時間以上かかることもあるそうだ。
筆者が実際に使っていても、朝食と昼食を済ませても摂取カロリー量が一向に増えず、夕食後から深夜にどっと増えることもあった。なので、ウォッチに表示されるリアルタイムのカロリー収支を見て、次の食事の量を調整したり、運動量を決めたりするのは難しい。カロリー収支は1日のトータルで見ていくのがいいだろう。
1日の摂取カロリーと摂取カロリーの推移は「からだメイト」アプリで確認できる。
食事を摂る時間にもよるだろうが、深夜~朝にかけては摂取カロリーが記録されることが少ないようだ。それもあってか、シャープの担当者からは、起床時から朝食までに充電することを勧められた。筆者もなるべく朝に充電するようにしている。
摂取カロリーの推算値は信用できるものなのか?
筆者は、従来から食事のカロリー量を記録している。「あすけん」というアプリを使って記録しているのだが、「あすけん」で記録するカロリー量と、からだメイト Watchで計測される摂取カロリー量を比べてみた。
「あすけん」での記録は、あくまでも自己申告なので目安に過ぎない。また、食べたものの全てがカロリーとして吸収されるわけでもない。なので、両者の数値にかなり差が出ることを予想していた。
しかし、その差は思っていたほど広くはなく、また毎日のカロリー量の増減は、同じように推移していた。推算される摂取カロリー量がどれほどの精度なのかは素人である筆者にはわからないが、肌感としては信頼できるものだと感じている。
スマートウォッチとしての標準機能も万全
からだメイト Watchには、生体電気インピーダンスセンサーのほかに、光学式心拍センサー、血中酸素レベル用赤色及び赤外線センサー、皮膚温度センサー、地磁気センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、気圧センサー、照度センサーが搭載されている。
さらに、ランニング、ウォーキング、サイクリングなどの運動の計測時に使うGPSアンテナも搭載されている。
健康状態をモニタリングしたり、運動量を計測したりする機能は、他社のスマートウォッチと同等という印象だ。
心拍数、皮膚温度は自動でモニタリングされ、睡眠の質やストレスレベルも分析される。ただし、心拍変動(HRV)は記録されず、血中酸素レベルは手動での計測が必要となる。
運動は「エクササイズ」から種目を選んで計測する。筆者はウォーキングとサイクリングを計測したが、どちらも運動の開始を自動で検知し、計測に導く機能も搭載されていた。
しかし、運動開始の検知にはやや時間がかかることが多く、検知後に計測を開始した場合、そこから計測が始まり、運動を開始した時間に遡って記録されることはなかった。
ほかに、スマホの通知、スマホと接続した状態での音声通話、天気、アラーム、タイマー、ストップウォッチ、スケジュール、フラッシュライトを搭載。スマホで再生中の音楽をコントロールする機能、スマホのカメラの遠隔シャッター、スマホが見当たらない時に音を鳴らして探せる機能も備えている。
Apple WatchやGoogle Pixel Watchと比べて不足している機能としては、Suicaなどの決済機能、心電図アプリ、スマホと接続せずともウォッチ単体で通話・通信できるモデルが選べることなどが挙げられる。これらの中で絶対必要なものがあれば、からだメイト Watchは選ばないほうがいい。
バッテリーは毎日充電する必要アリ
からだメイト Watchを使っていて、唯一不満を感じたのが電池持ちだ。バッテリー持続時間は「最大2日」となっているが、実際には、2日持たせるのは不安で、毎日充電するのが望ましいと感じた。
最近は、朝起きたときに充電しているが、電池残量50〜55%程度からフル充電になるまで30分程度という印象。充電する時間を固定し、毎日の日課にしてしまえば、忘れることはないだろうが、出張や旅行の際に充電器を持っていかなければならない。
からだメイト Watchは、摂取カロリーを記録するために、常時装着しておくのが望ましいデバイスだ。多少重くなってもいいので、充電が週に1~2回で済むといいのになぁと思っているのが本音だ。
からだメイト Ringと併せて使うと……
シャープはからだメイト Watchと同時に「からだメイト Ring」というスマートリングを発売した。摂取カロリーを測定する機能はないが、睡眠を測定する精度はWatchよりも高く、WatchとRingを併せて使うことで、より細かい分析が得られるという。
シャープからRingも借りていたので、1週間ほどWatchと一緒に使ってみた。
からだメイト Ringを付けると、「からだメイト」アプリに、Watchを着用しているだけでは表示されなかった「血中酸素レベル」が表示されるようになった。Ringは血中酸素レベル自動計測に対応している。また、「コンディション」欄に「心拍変動(HRV)」も追加された。
さらに「睡眠」には、「睡眠時の呼吸」と「睡眠時心拍変動(HRV)」が表示されるようになった。
これらの情報のためにRingを追加購入するのを高いと思うか、安いとは思うかは、人によって異なるだろう。
有料プランに加入すると、より有益な情報が得られる
からだメイト Watchは無料で利用できるが、専門家が監修するアドバイスが得られる有料の「からだメイト Plusプラン」(月額600円)も用意されている。
自身でからだメイト Watchを購入したのを機に、有料プランに加入してみた(※9月30日までに加入するとキャンペーンで6カ月間は無料で試せる)。
筆者は「ダイエットコース」を選択した。すると、「からだメイト」アプリ「食事の記録」の機能が拡張された。無料プランでは、食事を記録するには、ユーザーが全て手動で入力する必要があるのだが、有料プランでは、料理の写真を撮影したり、選択肢から選んで入力すると、自動でカロリーが計算される。
また、身体の状態を100点満点のスコアで確認できる画面が詳しくなり、より詳細な分析と、ユーザーに寄り添うアドバイスが表示されるようになった。
筆者は現在「からだメイト Plusプラン」を無料で試しているが、継続するか否かは、6カ月使ってみてから判断することになりそうだ。
App Store(Androidの場合はGoogle Play ストア)での決済なので、新たに決済方法を登録する必要はなく、解約も簡単に行えるのはありがたい。有料プランのサービス拡張にも期待したい。
カロリーチェックに特化したデバイスの登場にも期待
筆者がからだメイト Watchの購入を決めた最大の理由は、やはり摂取カロリーが自動で記録されるからだ。
食事のカロリーを記録するには意外と手間で、忙しいときは、食後すぐに記録するのを忘れたりすることもある。何もしなくても、おそらく自分自身で記録するよりも正確な摂取カロリー量がわかるのは画期的。この機能だけが目当てでも買う価値があるスマートウォッチと思えた。
しかし、スマートウォッチ好きの筆者としては、1本のウォッチを長く使い続けるのではなく、気分によって付け替えたりして、いろいろなウォッチを使ってみたいのが本音。からだメイトWatchから消費カロリーと摂取カロリーの測定機能だけを抜き出して、画面のないリストバンドを作ってくれたら、他のスマートウォッチと併用できるのになぁと思った。今度、そうしたデバイスが登場することにも期待したい。






































