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シャープ「AQUOS R11」「からだメイト Watch/Ring」説明会、ユーザー体験を重視した製品戦略へシフト
2026年6月16日 18:17
シャープは16日、Androidスマートフォンの新機種「AQUOS R11」と、同社初のスマートウォッチ「からだメイト Watch」とスマートリング「からだメイト Ring」を発表した。同社ECサイトでの価格は、「AQUOS R11」が16万3900円(SIMフリーモデル)、「からだメイト Watch」が5万9400円、「からだメイト Ring」が4万1800円。
同日実施された発表会では、製品担当者から新製品のポイントや、同社における今後のスマートフォンデバイスの戦略などが紹介された。
人の体験そのものを支えるライフスタイルへ進化
通信事業本部長の中江優晃氏は、今回発表した「AQUOS R11」について、「ここ数年で処理能力やカメラ、AI機能など技術進化を遂げてきた。R11はその進化を体現したモデル」と説明する。一方で、近年の物価高騰や円安、海外情勢など外部環境がめまぐるしく変化している現状を受け「今後の価値のあり方を再考する時期に来ている」と分析。
同社のスマートフォン事業における次の挑戦として、中江氏は「人を中心に考える」を掲げる。デバイスの機能ではなく、それによって「人がどう変わるか」という点に注目し、「人に寄り添う体験として設計していく」と語り、今回同時に発表する「からだメイト Watch/Ring」はその取り組みの1つになると話した。
同社が目指す姿として中江氏は「デバイスを提供する企業」から「人の体験そのものを支えるライフスタイルを提供するブランド」への進化を目指すとした。
からだメイト Watch
パーソナル通信事業部長の川井健氏は、新製品「からだメイト Watch」の大きな特徴を「摂取カロリーの自動測定」と「水分量測定」、「サーキットビュー」機能の3点を挙げる。
摂取カロリーの自動測定機能は、提携するHEALBEから独占ライセンス供与を受けた特許技術を使用して実現させている。本体の生体電気インピーダンスセンサーで、ユーザーの細胞外液の動きを測定して摂取カロリーを算出しているといい、カロリー推定値の精度は約89%になるという。川井氏は、「食品表示基準では20%の誤差を許容している」と例を挙げ、比較的高い精度で摂取カロリーを算出できていると説明する。
また、同じものを食べてもユーザーによって摂取しているカロリーは異なるという。川井氏は「私は多分ほとんど吸収してしまっているのでは」と見解を述べながらも、実際のバイタルデータから算出しているので、「実際に摂取したカロリーを導いてくれるパーソナルなカロリー測定」と川井氏は語る。
水分量測定は、身体の水分量を細胞の液体レベルを計測し、ユーザーにあわせた基準を学習し、適正な水分量かどうかを分析し、水分補給を促す機能となっている。
これらの特徴的な機能はもちろん、睡眠や運動、消費カロリーなども測定する。測定したデータは、スマートフォンアプリでも確認できるが、スマートウォッチ本体でも確認できる。
大きな特徴の3つめ「サーキットビュー」は、これらの測定データなどを「ユーザーが常に意識してもらえるように考えた」機能だと川井氏は語っており、時間帯に合わせてさまざまな情報をスライドショーのように表示する。朝の時間帯には、睡眠結果や今日の予定、夜には明日の天気やカロリー収支など、ユーザーが気にする情報を先回りして画面に表示する。
本体の幅は約42mmでコンパクトなデザインを採用している。デザイン面では、iF DESIGN AWARDを受賞している。
からだメイト Ring
「からだメイト Watch」とあわせて発表された「からだメイト Ring」は、指輪型のスマートデバイス。内側にさまざまなセンサーを搭載することで、バイタルデータを収集する。
パーソナル通信事業部商品企画部課長の田中陽平氏は、スマートリングを「装着していることを意識させない『サイレントなデバイス』」と説明。装着していることを意識させないまま、さまざまなバイタルデータを収集できるデバイスとして設計されている。
田中氏は、同機における大切なポイントとして「ストレスからの解放」や「どんなシーンでも使える」、「上質でシンプルなデザイン」を挙げる。サイズや軽さを追求しながらも、スマートウォッチに引けを取らない多くのセンシング機能と最大14日間の電池持ち、高い耐久性や防水性能を備え、さらに上質でシンプルなデザインを追求したこだわりの製品だと紹介した。
本体カラーはゴールドとシルバーの2色展開。サイズは4号~13号までの10サイズを用意する。
「からだメイト」アプリも刷新、サブスクプランで美容ケアコースも
田中氏は、新製品にあわせて発表された「からだメイトアプリのリニューアル」についても紹介する。アプリでは、ウェアラブルデバイスから収集したバイタルデータを元に、ユーザーの身体を“見える化”できる。
7月9日から提供されるサービスでは、有料の「からだメイト Plusプラン」(月額600円)が用意されている。この有料プランでは、ユーザーのなりたい理想像に合わせてアドバイスする機能や食事管理機能が用意されている。
ユーザーは最初に目標コースを選択した上で、ユーザーの理想像を再確認するアンケートに回答する。田中氏は「目的を持たずに漫然とヘルスケアを続けるのはとても難しい」と話し、より目的を明瞭にさせた上で取り組む意義を説明した。
サービスイン時は「ダイエットコース」と「美容と健康を意識したコンディションケアコース」の2つを用意する。それ以外のコースも準備を進めているといい、これらのコースや目的にあわせてアプリがユーザーに「運動」「睡眠」「体調」「食事」の4つの視点でアドバイスを提供する。内容は、法的ガイドラインや学術論文に基づいたもので、食事も栄養士監修の専門的な知見に基づくものだという。
あわせて、法人向けのプランも今冬を目標に準備を進めているという。従業員の健康状態を可視化することで、企業の健康経営をサポートするものになるという。
ハイエンドとAQUOS独自機能が光る「AQUOS R11」
商品企画部主任の福永萌々香氏は、「AQUOS R11」のコンセプトを「かけがえのない自分時間をお届けする」とし、主なトピックを「トレンドを押さえたハイエンド性能」と「AQUOSならではの独自の着眼点」と紹介する。
性能面では、チップセットに「Qualcomm Snapdragon 8s Gen 4」を採用しており、先代の「AQUOS R10」比でCPUで13%、GPUで40%性能が向上している。バッテリー容量も5100mAhに増量しているほか、輝度3600ニトの6.5インチPro IGZO OLEDディスプレイの搭載など、フラッグシップモデルにふさわしい性能を備えている。
背面には、ライカカメラ監修の約5030万画素のメインカメラ(23mm相当、F値1.9)と5030万画素の超広角カメラ(13mm相当、F値2.2)、3850万画素の望遠カメラ(68mm相当、F値2.4)を備えている。従来のR10にはなかった望遠カメラを備えることで、さまざまな撮影シーンで利用できるようになった。
AQUOSならではの機能としては、「からだメイト」との連携機能を用意している。ロック画面でWatchやRingの電池残量と睡眠時間、歩数、消費カロリーの目標達成状況をゼロタッチで確認できる。
また、カメラアプリでは、被写体を選択すると最適距離を判別し自動でズームする「スマートフィットズーム」や、写真内の文字情報を認識してマスク処理する「プライバシーセーフ」機能を備える。
このほか、通知や着信を、本体背面の“灯り”で知らせる「アカリウム」機能を搭載している。
厳しい環境下で「顧客価値重視」戦略へ
質疑応答では、製品に関する話題や、同社の事業戦略について説明された。
ウェアラブル製品では、今回「AQUOS」のブランドではなく、「からだメイト」のブランドで展開された。中江氏は、名称について「すごく悩んだ」とコメント。AQUOSブランドは同社にとっても非常に思い入れがあるブランドであるとしつつも「スマートフォンとの親和性を考えればAQUOSブランドとなるが、ディスプレイがない製品(Ring)にAQUOSブランドを冠することに意見が上がった」と経緯を説明した。
スマートフォン「AQUOS R11」については、昨年のAQUOS R10に引き続き「Proモデル」の発表はなかった。中江氏は「Proは特別なライン、自信を持って最上位機種と言えるものを出している」とProモデルの位置づけを説明する。一方で、外部環境の変化が大きく、「自分たちにとってのProモデルを出しても、ユーザーにとって手に取ることができるモデルにはならない懸念がある」と語り、物価高騰の影響も一因にあると語った。ただし、「今後もう出さない」というわけではないとも中江氏は説明しており、市場環境を見極めてラインアップを設定する方針を語った。
外的要因としては、SIMフリーモデルの価格だけを見ると先代のAQUOS R10から5万円程度価格が上昇している。近年メモリーを中心に資材価格が高騰しているといわれているが、今回の価格上昇は「資材価格上昇」だけでなく「性能も上昇している」とコメントした。
資材価格上昇について中江氏は、同社の戦略として「ハイエンド、ミドルレンジを中心に事業展開していく」と説明。資材価格上昇の影響を一番受けるのは「ローエンドモデル」と中江氏は指摘し、資材価格上昇の環境下でも「ユーザーに価値あるものを提供する」ためのものだとし、特にハイエンドモデルのRシリーズには注力していきたいと語った。
中江氏は、新製品の戦略として、他社との差別化ポイントとして「美容」のキーワードを挙げた。たとえば、スマートウォッチでは、これまで男性ユーザーが中心だったといい、「美容」や「使いやすいデザイン」を取り入れることで、新しい市場カテゴリーを狙うとコメント。スマートフォンの展開に当たっては、これまでの数量重視から顧客価値重視へと戦略を転換すると明かし、ミドルレンジ以上のモデルの積極展開をあらためて説明した。















































