レビュー
ドコモ「5G SA」開始、その申込み方法と実効速度をチェックしてみた
2022年8月29日 00:00
ドコモの5G SA(Stand Alone)の一般向けサービスが8月24日からスタート。5G SAは、5G専用のコアネットワーク設備「5GC(5G-Core)」と、5G基地局を組み合わせて通信をする方式で、理論値としては下り最大4.9Gbps、そして上りでも最大1.1Gbpsと、受信送信ともに1Gbps以上となっている。
ドコモの説明によると、推定低減率は下りで9%~17%、上りで17%~35%で、推定通信速度は下り441Mbps~833Mbps、上り送信時:187Mbps~385Mbpsになるとのこと。それでも上りで100Mbps以上というのは、動画などサイズの大きいデータを送る際に重宝する。
対応端末は、「Galaxy S22 SC-51C」、「Galaxy S22 Ultra SC-52C」、「Xperia 1 IV SO-51C」、「AQUOS R7 SH-52C」の4モデル。ただし「AQUOS R7 SH-52C」以外はソフトアップデートが必要だが、現時点では未配布のため使用できない。幸い筆者は「AQUOS R7 SH-52C」を購入して手元にあるため、早速5G SAの効果がいかほどのものかチェックしてみた。
申込手順
まずドコモの5G SAを利用するには、オプションサービスの申し込みが必要。マイドコモから、「お手続き」→「データ通信」→「5G SA」へとアクセスして手続を進める。手続内容としては、5G SAに関する契約内容の確認や、使用している端末が対応しているかどうかのチェックがある。一応立て付けとしては有料のオプションサービスのため、その確認を行う。ただし、当面はキャンペーンで無料となっているので、別途料金はかからない。
またマイドコモからは回線契約に紐付いている端末が、5G SAに非対応でもオプションの申し込みは可能。ただしドコモショップの店頭で申し込む際は、非対応機種だとオプションの申し込みはできないとのことなので、基本的にはマイドコモから申し込むのが良さそうだ。
ただしSIM(UIM)カードにも要件がありver.6(ライトブルー)以上が必要。ver.5(ピンク)以前のバージョンはSIMの再発行が必要となるので注意。ahamoはver.6扱いなので問題なし。今回はeSIMで契約。eSIM契約がどういう扱いになるのか不明だったが、オプション契約はできたので、まずはeSIMで試すことに。
実効速度はいかほど?
現時点での提供エリアはドコモの公式サイトから公開されている。全体的に西日本、特に大阪に利用スポットが多く、関東圏では東京駅の「丸の内駅前広場」だけ。そこで丸の内駅前広場へ「AQUOS R7 SH-52C」を持っていって、速度チェックをしてみた。
結果は「速いといえば速いが、上りは(冒頭で触れた)推定通信速度にまったく届いてない」という状況。もしかしたらeSIM契約のせいかとも考え、ahamo契約の物理SIMで5G SAのオプションを申し込み、さらに速度チェックしてみたところ、物理SIMでもほぼほぼ同じような速度だったので、eSIMであることは関係なさそうだ。
時間をあけて半日ほど、20数回速度計測をしてみたものの、上りで100Mbpsを超える結果は得られなかった。アプリでチェックすると、SAでつながっている様子なので、現状5G SAでの通信速度は「丸の内駅前広場」だと、下りで300Mbps~800Mbps、上りで40Mbps~90Mbpsといった感じ。
この結果についてドコモに確認したところ、次のような返答だった。
受信時最大4.9Gbpsは、技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。ベストエフォート方式による提供となり、実際の通信速度は通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します。
参考までに、ドコモが独自で実施した調査では同じ計測地で下り1393Mbps、上り209Mbpsのような結果も出ています」
あらためて試すと2Gbps超
そこで計測時間や計測サーバーの状況も関係してくる可能性も考え、再度計測テストを実施。今回は深夜0時過ぎと人の少ない時間を選択。さらに電波を受信しやすいように、ミニ三脚を使いアンテナ部分を覆わないようにホールドして、なるべく上空にかかげ計測してみた。
するとドコモスピードテストアプリで下りこそ200Mbps~440Mbpsだったが、上りは300Mbps近くを計測。前回もドコモスピードテストアプリは下りが振るわなかったので、さらにSPEEDTESTで計測してみると、なんと下りは2Gbps越え。下りもドコモスピードテストアプリと同じく300Mbpsに迫る結果が出た。
現時点での対応スポットはそこまで多くなく、対応端末も少ない。また現状無料とはいえ、申し込みの見返りとしての実行通信速度は、爆速の場合もあるものの条件次第といったところ。対応スポットが近くになかったり、対応端末を持っていないユーザーが慌てて準備をする必要はまだなさそうだ。