レビュー

料金改定の「楽天モバイル」の特徴とメリットをあらためてチェック

 楽天モバイルの新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」が7月1日にスタートした。これまでの料金プランでは、月間利用データ量が1GBまでの場合、月額料金は0円で利用できたが、新料金プランでは1GBまでの枠が撤廃されるかたちで月額料金は最低1078円の料金体系となった。

 既存ユーザーも含め、7月1日以降は新料金プランに自動移行となったが、1回線目に限り月間利用データ量が1GBまでの場合、7月1日~8月31日までは月額料金0円で利用できる。また、9月1日~10月31日は、同様の条件で2カ月分の月額料金に相当するポイントが後日付与される。

 今月末からは、いよいよほぼ全員のユーザーに月額料金が請求されるようになるため、9月以降のことを考えているユーザーもいらっしゃるだろう。

 本稿では、9月以降の利用継続を判断する要素や、他社へ転出する方法などをとりあげる。

楽天モバイルの特徴

 「0円廃止」という文言ばかりが一人歩きしている印象だが、楽天モバイルの特徴をあらためてまとめてみる。

最大でも月額料金3278円

 楽天グループの三木谷浩史社長もしきりにアピールしているが、楽天モバイルでは、20GB以上のデータ利用量だと月額3278円で利用できる。

 KDDIのローミングエリアや海外利用時、回線混雑時の一時的な制限などはあるが、月額3278円でデータ通信を無制限に利用できる。

通信速度
  • 楽天回線エリア
    高速でデータ無制限(公平なサービス提供のため速度制御の場合あり)
  • パートナー(KDDI)回線エリア
    5GB/月超過後は最大1Mbpsで使い放題
  • パートナー回線エリア(海外)
    2GB/月超過後は最大128kbpsで使い放題
なお、月間利用データ容量のカウントは、利用したエリアにかかわらずすべて合算される。

 たとえば、屋外でもゲームや動画視聴などでデータ通信をよく利用するユーザーや、自宅のWi-Fiが遅くてよくモバイル回線でテザリングするユーザーなどは、月額料金を気にせずに利用できる。

アプリ利用で国内通話無料

 コミュニケーションアプリ「Rakuten Link」を利用すると、国内通話が無料で利用できる。

 無料の対象となるのは、Rakuten Link同士の通話と日本から日本の電話番号へ発信、海外から日本の電話番号で発信と、日本/海外で電話をうける(着信)場合、無料で利用できる。なお、iOSの場合、標準電話アプリでしか着信できないため、海外で電話をうけた場合、所定の料金が必要となる。

 なお、Androidスマートフォンの場合、SMSも「Rakuten Link」アプリから行え、日本の電話番号であればSMSの送受信も無料で実施できる。一方、iOSの場合SMSは標準メッセージアプリからとなるため、送受信共に所定の料金が必要となる。

 このため、Androidスマートフォンであればアプリを代替するだけで利用できるためわかりやすいが、iPhoneの場合発信と着信、SMSでそれぞれ違うアプリを使わないと通話無料の恩恵を受けられないため少し複雑となる。

 なお、iPhoneユーザー向けには、標準通話アプリからの発信(15分/回以内の通話)と国内SMSの送受信が定額となる「15分(標準)通話かけ放題」(月額1100円)が用意されている。

楽天市場でのポイントアップ

 楽天グループのポイントシステム「楽天スーパーポイント」の倍率が上げられるプログラム「SPU」により、楽天モバイルユーザーは、楽天市場でのポイント還元率を上げられる。

 楽天回線を利用するユーザーは+1倍、ダイヤモンド会員の楽天モバイルユーザーはさらに+1倍される。月の上限はそれぞれ1000ポイントまで。また、楽天モバイルのキャリア決済(Android端末のみ)を、月に2000円以上利用すると+0.5倍還元される。

人口カバー率97%、混雑時はつながりやすいことも

 楽天回線エリアの人口カバー率は、2022年3月時点で97%を超えたとしている。多くのエリアでは、楽天回線が利用できる一方、一部のエリアでは、KDDI回線をローミングすることでサービスが提供されている。KDDI回線のローミングエリアでは、前述のように月5GB以上のデータ容量を通信すると、最大1Mbpsまでの速度制限がかかる。

 また、5G通信も一部エリアで展開されている。まずは、ユーザー自身の自宅や職場などよく使うエリアで楽天回線のサービスが提供されているかを確認しよう。

 一方で、ユーザー数がほかのキャリアと比較して少ない影響か、イベント開催時などユーザー密度が一時的に高くなっているエリアでは、かえって楽天回線のほうがつながりやすい場合がある。

楽天モバイル継続のチェックポイント
  • よく使う場所が楽天回線エリアか?
    (ローミングエリアだと、月5GB以上のデータ利用で制限あり)
  • 通話アプリ「Rakuten Link」が使いやすいか?
    (iPhoneの場合利用しづらい場合も)
  • 楽天のほかのサービスは利用するか?
    (ポイントアップ対象となるので、続けた方が得なケースも)

楽天モバイルから離れる

 楽天モバイルを解約する場合、MNP転出によりほかの会社でも楽天モバイルで使用していた電話番号を、そのまま利用する方法がある。

 番号を持ち運ばずそのまま解約する場合も、楽天モバイルのユーザーページ「my 楽天モバイル」から手続きできる。解約の手続きをする際は、Wi-Fi接続したスマートフォンなど解約する回線以外の方法でインターネットに接続しておこう。

 Web版「my 楽天モバイル」からは、メニューから「契約プラン」ページにアクセス、プランページ下部にある「各種手続き」から「その他のお手続き」→「各種手続きはこちら」をタップ/クリックすると、「解約のお手続き」画面にアクセスできる。

my 楽天モバイルにアクセス
メニューから「契約プラン」ページにアクセス
「各種手続き」から「その他のお手続き」→「各種手続きはこちら」をタップ/クリック
解約やMNP予約番号の発行はここからできる

 MNPの場合、予約番号がすぐに発行される。あとは、乗り換え先のサイトや店頭で「発行された予約番号」を利用して契約することで、楽天モバイルで利用していた電話番号を利用できる。予約番号には有効期限があるので、余裕を持って手続きしよう。

 MNPなしで解約すると、利用していた電話番号は利用できなくなる。

 なお、弊誌では楽天モバイルを含めたMNO/MVNOの料金情報を随時掲載している。