ニュース

FDD/TDDのキャリアアグリゲーション、ボーダフォンがポルトガルで導入

Snapdragon 810が対応、日本での導入は?

 エリクソンとボーダフォンは、ポルトガルの商用ネットワークにおいて、FDD-LTEとTDD-LTEを組み合わせたキャリアアグリゲーションを導入すると発表した。ボーダフォンはこれにより、TDD/FDDのキャリアアグリゲーションを商用ネットワークで提供する初めてのキャリアになる。

 ボーダフォンがポルトガルで提供している商用のLTEネットワークにおいては、バンド3(1800MHz、FDD)の15MHz幅と、バンド38(2600MHz、TDD)の20MHz幅を組み合わせて、キャリアアグリゲーションの試験が実施されている。試験端末には、FDD/TDDのキャリアアグリゲーションをサポートする、クアルコムの「Snapdragon 810」を搭載した端末が使われている。

 エリクソンでは、高周波数帯であるTDDのエリア構築の課題を、低周波数帯のFDDと組み合わせることで解決でき、TDDによる高速通信がキャリアアグリゲーションに組み込まれることで、下り速度を大幅に改善するとしている。

日本での導入は?

 なお、日本では、TDD-LTEに相当するLTEネットワークをUQコミュニケーションズが「WiMAX 2+」として、Wireless City Planning(WCP)がAXGPとして、それぞれ2.5GHz帯で提供している。この周波数帯のデータ通信サービスは、日本においてBWA(2.5GHz帯広帯域無線アクセスシステム)とも呼ばれる。

 auのAndroidスマートフォンでは、au 4G LTE同士、またはWiMAX 2+同士でのキャリアアグリゲーションをサポートし、Snapdragon 810を搭載した「Xperia Z4 SOV31」「HTC J butterfly HTV31」「AQUOS SERIE SHV32」が発売されている。

 KDDIではFDD/TDDのキャリアアグリゲーションについて「技術的には可能だが、導入については検討中」としている。

 ソフトバンクモバイルのAndroidスマートフォンでも、SoftBank 4G LTE(FDD)、SoftBank 4G(AXGP)の両方に対応し、Snapdragon 810を搭載する「Xperia Z4」「AQUOS Xx」をラインナップしている。

 ソフトバンクではFDD/TDDのキャリアアグリゲーションについて、「現時点では未定」としている。

太田 亮三