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アマゾン、スマホと直接つながる衛星5105基を打ち上げへ

 米アマゾン(Amazon)は27日、スマートフォンなどのモバイル端末と直接通信する衛星ネットワーク「Amazon Leo Direct-to-Device(D2D)システム」の展開に向け、米連邦通信委員会(FCC)に申請したと発表した。

 最大5105基の低軌道衛星を打ち上げ、携帯電話の基地局の電波が届かない地域でも、音声通話やデータ通信、メッセージ、緊急通報を利用可能にする。衛星ネットワークの展開は2028年に開始される予定。

既存のモバイル回線を補完

 FCCへの申請は、4月に締結された米Globalstarとの合併契約に基づくもの。同社の既存インフラやモバイル衛星サービス(MSS)の周波数ライセンスを活用し、Amazon Leoの低軌道衛星ネットワークにD2D(衛星とスマホの直接通信)サービスを追加する。

 Amazon Leoの同システムは、従来の衛星ブロードバンドサービスを補完する位置づけ。災害対応やIoT接続、地上ネットワークが利用できない際の緊急メッセージなどへの活用が見込まれる。また、主要メーカーの衛星対応チップセットを搭載したスマートフォンに広く対応する。

 Appleとの協業もすでに発表されており、対象のiPhoneやApple Watchが備える衛星経由の「緊急SOS」や「探す」機能などの通信基盤をAmazon Leoが担うほか、拡張されたネットワークを活用した将来の衛星サービスでも協業していく。

 また、衛星経由の「メッセージ(Messages)」や、ロードサービス(Roadside Assistance、日本未提供)も担う。

5つの軌道で地球全体をカバー

 衛星ネットワークは5つの軌道シェルに分散され、中緯度地域から極地帯まで幅広くカバーする設計。モバイル端末との通信には専用周波数帯「Lバンド」と「Sバンド」を用い、衛星と地上局間のバックホール回線には大容量の「Kaバンド」と「Vバンド」を使用する。

5つの軌道シェル
カバレッジシェル高度・軌道傾斜角
中緯度カバレッジ(Mid-latitude coverage)シェル1高度580km、軌道傾斜角55.7度
シェル2高度560km、軌道傾斜角58.2度
シェル3高度510km、軌道傾斜角56.3度
高緯度カバレッジ(High-latitude coverage)シェル4高度570km、軌道傾斜角73度
近極軌道カバレッジ(Near-polar coverage)シェル5高度540km、軌道傾斜角84度

 単に信号を中継する従来の衛星(ベントパイプ型)とは異なり、軌道上で信号を直接処理することで通信品質を改善。衛星間はレーザーリンクで接続して高度なトラフィックルーティングを実現する。

 さらに、「デジタルビームフォーミング技術」などにより、必要な場所へピンポイントで信号を送信。これにより、電力消費や電波干渉を最小限に抑える仕組み。

通信事業者との連携

 長期的ビジョンとして、通信事業者とのパートナーシップを重視しており、すでにボーダフォン(Vodafone)やDirecTV、Herotelなどの事業者との提携を発表済み。既存のモバイルネットワークを補完し、地上基地局の整備が困難な地域でのカバレッジ拡大を目指す。

 なお、既存のブロードバンド通信向け第1世代衛星はすでに390基以上が軌道上にあり、年内には初期の緯度帯域で固定通信サービスの展開を開始する予定。