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スマホがつながりやすい社会実現へ、「インフラシェアリング推進協議会」設立

 JTOWERとSharing Design、移動通信基盤整備協会(JMCIA)の3者は、インフラシェアリング推進協議会を設立した。事業者のほか、産官学の連携でストレスのない通信環境を実現すべく、効率的なモバイルインフラ整備を目指す。

左から移動通信基盤整備協会の浜本雅樹事務局長、Sharing Designの氏本祐介社長、JTOWERの田中敦史社長

産官学が連携する協議会設立

 シェアリング事業者や行政、有識者が連携し、国内のモバイルインフラ整備をより効率的かつ高度に進化させることを目指す。市場統計の作成や政策提言、利害関係者とも相互にメリットが得られる関係を構築し、円滑な屋内整備推進に向けたルール作りの成果創出を推進する。

 「シェアリング促進委員会」と「屋内整備推進委員会」の2つの実務検討を行う委員会を設置し、それぞれシェアリング市場全体の拡大および施設内の円滑な整備の推進に向けた取り組みを検討する。オブザーバーとして総務省も参画する。

 インフラシェアリング市場は、参入企業の増加とともに市場拡大・認知向上ともに進んでいるものの、事業規模は限定的なものにとどまっており、課題も少なくない。シェアリング事業者間の共通理解を醸成し、事業環境における課題を抽出し、その解決を目指す。同時に、シェアリング事業者がモバイルインフラ整備を担う不可欠な存在であることを訴え、社会的地位の確立を目指す。

インフラシェアリング普及の壁を超える

 通信の設備を複数の事業者間で共有しあう「インフラシェアリング」は、今後も重要性を増していくとJTOWERの田中敦史社長は語る。

 その背景には、AIの本格的な普及や動画などの利用の増加による通信トラフィックの爆増や将来的な労働人口の減少による、工事・保守の人員不足、電力消費の削減などがある。ネットワーク整備の効率化やインフラの維持の観点から見ても、事業者が個別に設備を持つより、複数社で共有し、数を削減することで、運用の効率を上げられる。

 一方で、シェアリング市場の成長を阻む要因もある。屋内でのインフラ整備に限れば、競争や整備の枠組みが不透明という課題がある。多様な業界からシェアリング市場への参入が増えている一方、シェアリング事業者間の競争が働きにくいという課題があり、サービス競争が発展しない恐れがある。

 加えて、エリア対策を施したい場所など、施設の管理者側と携帯電話事業者の意向のすれ違いやコスト負担面なども課題として立ちふさがる。現状ではこうした状況に合わせたルールはなく、都度決めているという。さらに、市場の進捗を測るデータがないこともまた、課題のひとつとなっている。シェアリングの進捗やその効果が見えず、目標設定ができないといった問題がある。

30万局のインフラシェアリング目指す

 こうした課題に向けて同協議会内で実務的な動きを果たすのが「シェアリング促進委員会」と「屋内整備推進委員会」の2つとなる。

 シェアリング促進委員会では、インフラシェアリング市場における定量的なデータの作成を行う。日本にある基地局のうち、シェアリングされているものがどれだけあるのかなど、市場の定量的な分析を軸に、業界の発展に向けた取り組みを進める。さらにネットワークの強靭性やBCP(事業継続計画)の議論、インフラシェアリング自体の知名度の向上なども進める。

 もうひとつの屋内整備推進委員会では、多数の利害関係者が関わるインフラシェアリングにおける調整を円滑にするため、それぞれにメリットをもたらせるようルールを策定する。屋内整備が進みにくい要因・課題の整理や屋内整備目標の策定に向けた提言も行う。

 総務省では「デジタルインフラ整備計画」のなかで、2030年度末に5G基地局を60万局整備する目標を掲げており、このうち30万局はインフラシェアリングによるものとされている。同協議会では、この「シェアリング30万局」の達成を、活動における大きな定量目標に据えている。今後は、シェアリング事業者による整備分だけでなく、キャリア間のシェアリング実績なども含めて詳細なデータを分析・可視化し、目標達成に向け、計画策定を進める。統計の作成やルール作りはすでに始めており、2027年3月をめどに進捗を明らかにする。