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NTT、スマホカメラだけで「柔らかさ」や「粘り気」を感じる手法を考案
2026年5月12日 12:09
NTTは、拡張現実(AR)環境において、実体がないバーチャルなもの(仮想対象)の形を変えると、バーチャルにも関わらず柔らかさや粘り気といった質感を感じられるという新たな手法を発表した。
パソコンやスマートフォンのカメラで取得した指の動きと、ディスプレイ上の仮想対象の変形をリアルタイムに連動させる。マウスやコントローラーなどの専用装置を必要とせず、視覚情報のみで触感の錯覚を引き起こすという。
研究では、2つの主要な視覚パラメーターが質感知覚に影響することを明らかにした。「柔らかさ」については、対象を押し込む際の変形の広がり方を制御。特定の範囲で最も柔らかく感じるという知覚特性を利用し、押し込み量と変形範囲を組み合わせることで柔らかさを表現する。「粘り気」については、指の動きに伴う対象のちぎれるまでの距離を制御。対象が長く伸びるほど粘り気を強く感じる特性を活かし、非接触での質感提示を実現した。
一般的なスマートフォンでも利用可能なため、導入コストをおさえてさまざまな分野で取り入れられる。将来的には、衣料品や食品の質感が重要なECサイトでの商品提示、遠隔コミュニケーション、教育、エンターテインメント分野への応用が期待されている。
VRやARなどでオンライン上でのショッピングや体験を共有できるサービスが広がりを見せているが、柔らかさや粘り気などの触覚的な質感は専用デバイスがなければ難しい。オンライン購入では、製品の質感を把握しづらいことが課題となっている。
一方で、人は視覚だけでも柔らかさや重さの質感を認識できることが分かっており、今回の研究では「変形」に着目して柔らかさや粘り気などの質感を伝えるための視覚パラメーターを明らかにした。今後、重さや温度感などほかの質感要素への適用可能性についても研究を進める。


