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KDDI総研の中村会長が「紫綬褒章」を受章、モバイル通信の混雑回避技術で貢献

 KDDIとKDDI総合研究所は28日、KDDI総合研究所の代表取締役会長である中村元氏が、令和8年春の褒章において紫綬褒章を受章すると発表した。

 モバイル端末がネットワークの混雑度を推定して自律的に通信量を制御する「ネットワーク連動型モバイル端末トラフィック制御技術」の開発により、モバイルインターネットの安定化と普及に大きく貢献した功績が認められた。

 受章の対象となった技術は、通信ネットワークの混雑を回避するために、モバイル端末側で混雑状況を推定しながらデータ送受信を制御する仕組み。2010年頃から始まったスマートフォンの急速な普及やコンテンツの大容量化により、通信ネットワークの混雑によるサービス品質の低下が課題となっていた。

 当時はネットワーク側で一元的に混雑回避を行っていたため、刻々と変化する端末ごとの通信状況に応じた、きめ細やかな制御を行うことが困難だった。この課題に対し、KDDIらは端末側にも制御機能を導入し、ネットワークと端末が連動する仕組みを構築した。

 これにより、限られた通信リソースの有効活用が可能となり、より高品質で快適な通信環境の提供を可能にした。

ネットワークの混雑度推定に基づくトラフィック制御の仕組み

 一連の成果は、3G(UMTS/W-CDMA)や4G(LTE)の世界標準規格(3GPP規格)における必須特許として認定されており、同規格に準拠する世界中のモバイル端末に実装されている。

 また、KDDIから欧州電気通信標準化機構(ETSI)に対して必須特許の宣言が行われている。これにより、5G時代においてもデバイス開発企業などの関係各社は、標準規格に準拠した製品を開発・商品化する際、公正な条件で安心して特許を利用できる環境が整えられている。

 この技術は、スマートフォン向けの大容量通信だけでなく、IoT機器を介したさまざまなサービスの基盤としても活用されており、産業の発展と国民生活の向上を支えている。