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OPPOが今、日本に折りたたみ「Find N6」を投入する理由――河野氏「日本への意気込みを感じてほしい」
2026年4月14日 20:11
オウガ・ジャパンは、同社初となる日本市場向けフォルダブルスマートフォン「OPPO Find N6」を発表した。価格は31万8000円で、4月15日から順次発売される。
「妥協なき品質」で日本市場へ投入
発表会に登壇したオウガ・ジャパン専務取締役の河野謙三氏は、これまでの折りたたみスマートフォン市場に対して「興味はあるが、まだ早い」と感じていたユーザーの懸念を払拭する姿勢を示した。
OPPOが折りたたみデバイスの研究を開始したのは2018年にさかのぼり、これまで4世代のモデルを展開してきたが、日本への導入は見送られてきた。河野氏によれば、その理由は「納得できる品質に達していなかったため」だという。
歴代モデルでは、初代Find Nで「コンパクトさ」、Find N2で「軽さ」、Find N3でカメラなどの「総合力」、Find N5では「薄さとバッテリー」の両立を追求してきた。そして、最新モデルで取り組んだ最大の課題が、画面の「折り目」だった。
OPPOはこの8年間で約600億円(30億元)の研究開発費を投じ、3500件を超える特許を取得。河野氏は「折りたたみだから何かを我慢する時代を終わらせたかった」とし、品質に厳しい日本市場へ満を持して投入する自負を語った。
「折り目を消す」3つの核心技術
OPPOの成蛟(チェン・ジャオ)氏は、折り目の問題を、ヒンジ・素材・構造の3要素が連動するシステム課題として捉え、独自の核心技術で解決したと説明する。
まず、ヒンジには業界初となるチタン合金製の「天穹ヒンジ」を採用した。従来の3軸構造では力の分散が不均一になりがちだったが、中央および左右に対して完全に対称な配置を実現したことで、開閉時の応力を均一に分散させた。
素材面では、自己修復機能を備えた柔軟性ガラス「フレックスガラス」を導入した。これは従来の3倍の剛性を持ち、折り曲げた後も99.9%の精度で元の形状に戻る性質を備えている。これにより、長期間の使用においても内部層のズレを防ぎ、常に平滑な状態を維持することが可能になった。
さらに、構造面では半導体製造技術を応用した「チップレベル高分子3Dプリント技術」を用いている。1200万箇所の特徴点をスキャンして微細な起伏を計測し、5ピコリットルという極小単位で材料を噴射して個体ごとの誤差を補正する。
これらの技術を結集した結果、折り目の深さは肉眼や指先では認識が困難な0.05mm以下にまで抑えられた。これは第三者機関のTÜV Rheinlandからも、世界で最もフラットな画面として認定を受けている。
質疑応答
――今回、日本に初導入した理由として日本人の品質への厳しさを挙げていた。折りたたみ以外の製品を扱う上でも、日本市場は海外と比べて売れにくいなど、課題を感じていた経験に基づく判断か。
河野氏
日本市場で約9年間ビジネスを続けてきた中で一番感じるのは、日本市場は基本が「減点方式」だということです。100点からスタートして、そこからどれだけマイナスを少なくできるかが、日本市場の厳しさであると捉えています。
一方で海外市場は、たとえば60点ぐらいのところから始まり、使ってみて良かったという評価が加わる「加点方式」の傾向があります。結果として70点、80点と評価が上がっていく。こうした背景があるからこそ、日本市場においては、一番質の高い、より満足のいく製品をいかに最初に出せるかが、極めて大事だと考えています。
――日本の折りたたみスマホ市場にどういう期待感や商機を見出しているか、海外メーカーの目線で教えてほしい。
河野氏
まだまだ様子見のところが非常に強いと思います。折りたたみスマートフォンという言葉が聞かれるようになってから数年が経ちますが、一般の方々の認知度はまだ非常に少ないのが実状です。そのため、まずは市場に投入させていただき、その中でお客様の反応を見るという段階にあります。これは他のメーカー様も同様ではないかと考えています。
――OPPOの折りたたみスマホというカテゴリーをどのように周知していくのか。
河野氏
日本での創業時から申し上げていることですが、特に日本市場においては「三方よし」という言葉を大切にしています。メーカーだけが得をするのではなく、製品を販売いただく通信キャリア様や販売店様、そしてその先にいるお客様との繋がりが重要です。パートナーの皆様と共に、製品の魅力を伝えていきたいと考えています。
――OPPO Find X9はFeliCaを搭載していたが、今回はグローバル版そのままの仕様になっている。搭載は見送られたのか。
河野氏
本音を申し上げると、今回の販売目標台数がかなり少ないという事情があります。そうした状況下でFeliCaを載せることは不可能ではありませんが、そうなるとこの価格では出せなくなってしまいます。今回は価格とのバランスを考慮し、見送るという判断に至りました。
――販路として「au +1 Collection」が含まれているが、どのような経緯か。
河野氏
私どもは各キャリア様と非常に良好な関係を築かせていただいております。その中で、KDDI様から「au +1 Collection」で展開してはどうかという、大変ありがたいお言葉をいただきました。これによって今回の販売形態が実現しています。
――約32万円と競合よりも高水準だが、誰にどのように販売していくのか。
河野氏
確かに31万円という価格は高いと感じられると思います。しかし、実はシンガポールなど海外の販売価格よりも安く設定しており、現在ご購入いただける、中国を除くグローバル版の中では日本が一番安価です。ここに日本市場への意気込みを感じていただければと思います。
ターゲットとしては、新しい技術に感度の高いお客様に加え、経営に携わるようなビジネスパーソンの方々を想定しています。私自身、前モデルを経営者仲間にお見せすると、画面の大きさやマルチタスク機能に非常に興味を持っていただけることが多かったです。日々忙しくマルチタスクをこなす方に、ぜひ一度使っていただきたいと考えています。
――Find X9 Ultraの発売を予告したが、Find X9の実績が好調だったからか。
河野氏
おかげさまでFind X9は非常に売れております。それが直接の要因というわけではありませんが、Find X9 UltraについてもFind N6と同様に、日本のお客様にぜひ使っていただきたいという思いで導入を決めました。
――「折り目が見えない」という部分を強調していた。折り目の存在がどれほど購入の障壁になっていたのか。
成蛟氏
実店舗に来られたお客様の行動を観察すると、端末を開いて折り目のあたりを触ったり、凝視したりする場面が多く見受けられました。お客様のイメージの中で、折り目が見えることは「技術が未成熟である」という認識に繋がり、ひいてはディスプレイの信頼性に対する不安として捉えられてしまいます。
OPPOブランドは常にお客様の真実の体験を重視してきました。かつては軽量化や信頼性を重視してきましたが、今回は新しいヒンジとフレックスガラスを用いることで、その折り目を無限にゼロに近づけることを目指しました。これを、消費者にとってトップクラスの折りたたみ製品にしたいと考えています。
――キャリア販売における戦略は。
河野氏
通信キャリア様も、折りたたみ製品についてはまだ様子見の段階にあると見ています。そのため、私どもとしても全てのキャリア様に採用いただくという強い訴求はしていません。
まずはご興味を持ってくださったパートナー様と共に、製品の素晴らしさやワクワク感を伝えていく段階だと考えています。
――以前は耐久性などを懸念事項として挙げていたが、今回は完全に払拭できたのか。
河野氏
耐久性については、ご心配いただくほどのものではないと考えています。実際に私が前モデルを使い続けていても、内側のガラスが剥がれたり浮いてきたりといったことは全くありませんでした。
唯一、カバーディスプレイのフィルムが剥がれることはありましたが、中心の折り目については不安はありません。
それでも、お客様が二の足を踏まないよう、今回は非常に手厚い保証プログラムを設定しています。
――メインディスプレイのガラスは独自開発か、メーカーとの共同開発か。
成蛟氏
メインスクリーンは積層構造になっており、その中に超薄型のフレックスガラスを取り入れています。
ガラス自体が持つ反発力をヒンジの力で打ち消すことで、自由な角度での固定やスムーズな折りたたみを可能にしています。
ガラスの厚みは折り目の見え方に直結するため、設計には多くの要素が絡みます。
OPPOとして、厚さや製造工程、応力、信頼性などのスペックを明確に定義し、それを満足させることで初めて折り目の問題を解決できます。その詳細なスペックをサプライヤーであるガラスメーカーに提供し、我々の要求通りに加工していただくという協力体制をとっています。
――原油やナフサの供給不安が話題だが、供給や価格転嫁に対する懸念はあるか。
河野氏
現段階において、私どもとしては特に影響はないと考えております。将来は分からないです。

















