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ドコモ、法人向け「5Gスライシング」開始 混雑時も専用帯域で安定通信
2026年3月26日 19:57
NTTドコモビジネスとNTTドコモは26日、5G SA(スタンドアローン)ネットワークを活用し、混雑時でも安定した通信を提供する法人向けサービス「5Gスライシング」の提供を開始した。
ネットワークを仮想的に分割して専用の帯域を割り当てることで、工場やイベント会場といった高負荷な環境でも、映像伝送やロボット制御などの重要な通信を維持しやすくなる。
5Gスライシングは、1つのネットワークを仮想的に分割(スライス)して運用する技術。従来の「5Gワイド」が優先制御であるのに対し、スライシングは「専用道路」を確保するイメージに近い。
ドコモはこれまで、優先制御を行う「5Gワイド」や、自営網を構築する「ローカル5G TypeD」を法人向けに提供してきた。5Gスライシングはこれらの中間に位置するサービスで、公衆網を利用しながらローカル5Gに近い安定性を比較的手軽に導入できる。
2種類の利用プラン
サービス開始時点では、「常時利用プラン」と「予約利用プラン」の2プランが用意される。「常時利用プラン」は24時間継続して専用スライスを利用する形で、「予約利用プラン」はイベントやスタジアムでの中継など、特定の場所と期間(1週間単位)を指定して予約する形となる。
料金体系は回線単位ではなく、帯域や場所に対して課金される仕組み。ドコモビジネスの岩本健嗣氏は「ホテルの部屋代のように、場所と容量を借りるイメージの価格設定になる」と説明した。
スライシングならではの安定性
ドコモビジネスが都内4か所で実施した検証では、一般の5G通信では映像の遅延や停止が発生し、優先制御の5Gワイドでも負荷が高まると画質の低下が見られた。一方、5Gスライシングでは、新宿駅西口の昼休みや渋谷・表参道のイベント会場といった混雑下でも、映像が乱れることなく安定して伝送された。
5G NSAエリアの立川駅周辺では、仕様によりスライシングが機能しない一方で、5Gワイドが最も安定する結果となった。さらに、ドコモで人工的に負荷を高めた極限の混雑環境でも、5Gワイドに遅延やカクつきが見られる中、5Gスライシングのみが最後まで安定した通信を維持し、その優位性が示された。
説明会では、5Gスライシングと5Gワイドを比較するデモも設置。通信負荷を意図的に高めた環境で4K映像伝送の比較が行われた。実際に確認すると、5Gスライシングに対して5Gワイドは画質が荒くなったり、映像が停止したりする場面が見られた。
主な活用シーンとしては、工場内でのAGV(自動搬送車)の遠隔制御、スタジアムや駅周辺でのライブ中継、空港の滑走路における監視カメラ映像の伝送などを想定。特に、コンシューマー利用によるトラフィック急増の影響を受けにくい業務用途での導入が見込まれる。





















