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ドコモ、Sub6帯対応レピーターを開発 商業施設で屋内5Gエリア構築を実施

 NTTドコモは、Sub6帯に対応したレピーター(NRレピーター)を開発した。9月には商業施設内に設置を行い、国内で初めてNRレピーターを用いたSub6帯の屋内5Gエリア構築を実現した。

 レピーターは、窓際まで届いている基地局からの電波を増幅し、屋内の電波環境を改善する装置。

 今回ドコモが開発したNRレピーターは、屋外基地局の電波を活用することで、レピーターの施工のみで屋内5Gエリアの構築が可能となる。新たに屋内基地局を設置する場合と比べ、投資やコストを抑えつつ、より早期に屋内5G対策を実施できる点が特徴。

 近年、トラフィック(通信量)の増大に伴い、屋内の高トラフィックエリアでのSub6帯による5Gエリア構築の必要性が高まっている。しかし、Sub6帯はLTE周波数帯よりも高周波数のため屋内への浸透損失が大きく、屋外基地局による屋内エリア対策が難しいという課題があった。

 また、屋内基地局で5Gエリアを構築する場合は、基地局の設置や光ファイバー回線の敷設が必要となり、投資や運用コストの増加、構築期間の長期化が懸念されていた。

NRレピーターを用いた屋内5Gエリア構築イメージ、(左)NRレピーター設置前 (右)NRレピーター設置後

 実際にNRレピーターを導入した商業施設では、約250平方mの屋内5Gエリアにおいてスループットが約10倍に向上したことを確認。施工期間も数日と短く、通常の基地局建設と比べて短期間でエリア品質の向上を実現したという。

 今後ドコモは、屋内5Gエリアのさらなる品質向上に向けてNRレピーターの導入を進めていく。

NRレピーターの仕様
装置3.7GHz帯対応レピーター4.5GHz帯対応レピーター
周波数3600~3700 MHz4500~4600 MHz
方式TDD NR
大きさ2.0 L以下
重さ2.0 kg以下