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グーグルの生成AIで年賀状をカンタンに、日本郵便が「#Geminiで年賀状」
2025年12月15日 16:57
若年層にも「年賀状」に親しみを持ってもらうべく、日本郵便は、グーグルの生成AI「Gemini」を活用したサービス「#Geminiで年賀状」の提供を開始した。利用料金は無料。特設Webサイトの開設期間は2026年1月15日まで。
スマホやパソコンで年賀状を作れる
Geminiの画像生成モデル「Nano Banana Pro」を活用したサービス。年賀状のテンプレートが用意されており、指定した写真をアップロードすることで、写真とテンプレートが組み合わされた、オリジナルの年賀状が生成される。
画像は複数枚、アップロードできる。オリジナルのテキストメッセージも入力できるほか、縦横比も調整できる。生成した年賀状は「郵便局のプリントサービス」内の専用サイトで実際の年賀状として印刷して、送ることもできる。印刷する場合、印刷代やはがき代が別途必要となる。生成した年賀状はスマートフォンやパソコンにダウンロードでき、XやInstagram、LINEにダイレクトにシェアするボタンも用意される。
テンプレートは全部で9種類。「和装デザイン」「浮世絵」「モノクロデザイン」「おせち」「雪景色」「プリントシール」「毛糸デザイン」「4コマ漫画」「ジョッキー」から選べる。スマートフォンなどで撮影し、アップロードした写真とテンプレートが、Nano Banana Proで組み合わされ、自分だけのオリジナルデザインに仕上げられる。
若年層にも年賀状に触れる機会を
若年層を中心に、年賀状文化に触れたことがない人が増えるなか「年賀状に触れるきっかけを作りたかった」と日本郵便 郵便・物流事業統括部 切手・葉書室長の松本俊仁氏は意義を説明する。
一方のグーグルは、最新の生成AIモデル「Gemini 3」や画像生成モデル「Nano Banana Pro」を11月に発表。画像生成では、人間の手指の描写や光の当たり方などの表現が向上しており、特に画像内の文字書き込みでは、日本語の正確な表現や手書きの質感、筆書きの表現が進化した。
Geminiの「Canvas」機能を用いる「#Geminiで年賀状」では、そうしたNano Banana Proの能力を活用している。グーグル マーケティング シニアディレクターの小池渉氏は「この進化を日本人の生活に即した形で役立てたい。真っ先に思い浮かんだのが『年賀状』」と語る。「デジタルな挨拶が一般的だからこそ、年賀状には特別なぬくもりがある。日本の美しい文化を未来へつなぐことに貢献したい」と新サービスへの熱意を示した。
日本郵便の調査によれば、年賀状を送る目的について「年末年始に感謝の気持ちを伝える」「伝えたい気持ちがある」と答えた人のうち62%が「新年の挨拶・定例の習慣」と回答。次いで35.3%が「日ごろの感謝やお礼の気持ちを伝えるため」、そして32.9%が「しばらく会っていない人とのつながりを保つため」と答えた。
さらに「ひと手間かけた形で感謝を伝えられれば良い印象を持つ」と、8割が回答したという結果を示し、日本郵便の松本氏は「ひと手間かけることに対して価値を感じる人が多くいる。年賀状はそのニーズを叶える。新サービスも多くの人に喜んでもらえることを期待している」と話した。





















