ニュース

NTT本社が2031年に日比谷へ移転、IOWN実装の「NTT日比谷タワー」着工

 NTT、NTTアーバンソリューションズ、NTT都市開発は12月8日、東京都千代田区で開発中の「NTT日比谷タワー」の新築工事を12月1日に着工したと発表した。竣工は2031年10月末を予定しており、NTTは2031年に本社を同タワーへ移転する計画だ。

IOWNで「光の街」を実現

 NTTグループ誕生の地である日比谷において、次世代情報通信基盤「IOWN(アイオン)」を実装した「光の街」づくりを推進する。NTT都市開発と東京電力パワーグリッドが事業主となり、日比谷公園に隣接する「内幸町一丁目街区」の中地区に位置する。

 タワーは地上48階、地下6階、高さ約230メートル、延床面積約36万1000平方メートルの大規模複合施設となる。

 IOWNの特徴である大容量・低遅延・低消費電力な通信環境を基盤とし、NTT版LLM「tsuzumi」やAIコンステレーションなどの技術を組み合わせることで、オフィスワーカーの業務効率化や国境を越えた共創を支援する。

オフィス、ホテル、商業施設が融合

 フロア構成は、11階~42階がオフィス、44階~48階がホテル、7階~10階が産業支援施設、9階がホール、3階~5階が商業施設となる。

 オフィスフロアは基準階面積約1600坪の無柱空間を有し、IOWNを活用して遠隔地とも隣にいるようなコミュニケーションが可能になる環境を整備する。

 ホテル部分は、帝国ホテルとNTT都市開発による100室規模のスモールラグジュアリーホテルが入居する。

 低層部の3階~5階には、屋内貫通通路「(仮称)Cross Gate」を設け、壁面・天井一体型の大型LEDビジョンを実装する。ここでは企業の新商品発表や、他会場と融合したスポーツ観戦などのエンターテイメント体験を提供する。

環境性能と防災機能

 環境面では、オフィス部分でエネルギー消費量を従来比で50%以下に削減する「ZEB Ready」認証を得る。

 AIが人流やエネルギーデータを分析して設備を最適制御する「Just Enough Energy」の導入により、CO2排出量の削減を図る。

 防災機能として、災害による停電時でも最大1週間(168時間)、必要なエネルギーを100%供給可能な非常用発電機を整備し、企業の事業継続を支える。また、街区完成時には日比谷駅や有楽町駅と地下で直結し、道路上空公園を介して日比谷公園とつながる歩行者ネットワークを形成する。