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楽天モバイル、「オレオレ詐欺対策保険」を「最強シニアプログラム」に無償付帯　通信キャリア初の取り組み

北川研斗

2025年12月1日 15:29

　楽天モバイルは12月1日、高齢者向け料金プラン「最強シニアプログラム」のオプションパックに、新たに「オレオレ詐欺対策保険」を無償で追加すると発表した。　通信キャリアによる「振り込め詐欺被害に関する保険」の提供は業界初となる。楽天損保と共同開発したもの。被害額を補償するものではなく、被害を受けた際の裁判・弁護士費用や再発防止策の費用などに充てられる。

楽天モバイル代表取締役共同CEOの鈴木和洋氏

オレオレ詐欺対策保険の概要

　「オレオレ詐欺対策保険」は、楽天モバイルのグループ会社である楽天損保と共同で開発された代表取締役共同CEOの鈴木和洋氏は、「通信キャリア初の取り組みとして、最大60万円まで補償する」と自信を見せた。

　対象者「最強シニアプログラム」のオプションパックに加入中の顧客である。すでにオプションパックに加入している顧客は、本日12月1日より手続き不要で自動付帯される。追加料金不要。オプションパックの既存料金内で提供される。

　補償対象オレオレ詐欺を含む振り込め詐欺に遭った際に発生する以下の費用を、最大60万円まで補償する。損害賠償請求等費用として、詐欺に遭った被害額の回収に向けた、裁判や弁護士への費用などを最大50万円まで補償する。

　再発防止等費用として、鍵や一部の電話機（固定電話・スマートフォン）の交換、センサーライトの設置費用などを最大10万円まで補償する。この保険は、実際に振り込んでしまった詐欺被害額そのものを補償するものではない点に注意が必要である。

　万が一詐欺被害に遭われた場合、保険金請求のためには、振り込みの事実をもって、警察に被害を届け出て、振り込み先の金融機関に届け出る必要がある。その後、楽天モバイルの公式サイトにある専用フォームから、必要事項を入力して通知することで、サービスを利用できる。

拡大するオレオレ詐欺被害への対応

　本サービスの導入は、高齢者を狙ったオレオレ詐欺などの特殊詐欺被害が拡大している現状に対応するものだ。

　鈴木氏は、深刻化する社会課題について警鐘を鳴らし、新サービスの意義を強調した。「シニアのスマホ利用率は96.5％に達し、利用はさらに拡大している。一方で、オレオレ詐欺の被害も急増しており、2025年1月から9月の被害総額は758億円、これは前年同時期の3.3倍という深刻な状況だ」

　オレオレ詐欺は、親族、警察官、弁護士などを装い、事件や事故の示談金などを名目に金銭をだまし取る手口。

　楽天モバイルでは、これまでも詐欺被害を未然に防ぐため、オプションサービス「迷惑電話・SMS対策 by Whoscall」を提供してきた。鈴木氏は今回の保険導入について、「詐欺の被害を未然に防止するだけでなく、起きてしまった被害に寄りそう仕組みが必要だと考えた」と語った。

シニア層へのアプローチを強化

　楽天モバイルは、「Rakuten最強プラン」を含むサービス全体でシニア層（65歳以上）へのアプローチを強化しており、その一環として2024年9月に「最強シニアプログラム」を発表した。

　登壇した常務執行役員CMOの河野奈保氏は、同社の現状について次のように述べた。

　「『最強シニアプログラム』発表後のシニアの伸び率は1.2倍を超え、契約者数は拡大を続けている。MMD研究所の調査によれば、シニアが乗り換え先として最も検討している通信会社としても楽天モバイルがNo.1の評価をいただいた」

　実際、2024年9月～2025年8月末までの1年間で、65歳以上の契約者数の伸び率は、その前の1年間と比較して1.2倍増加している。

　今回、「オレオレ詐欺対策保険」が追加されたことで、「最強シニアプログラム」のオプションパックは、計5つのオプションサービスで構成される。

　「最強シニアプログラム」では、通常2200円のオプションパックがポイント還元を含めて実質1100円で提供される。「15分電話かけ放題」、「迷惑電話・SMS対策 by Whoscall」、「店頭操作サポート」、「ノートンモバイルセキュリティ」、そして新たに加わった「オレオレ詐欺対策保険」が含まれる。3GBまでの通信利用料968円が、ポイント還元で実質780円となるため、あわせて実質月額1780円で利用できる。

　楽天モバイルは、現在「敬老キャンペーン」を実施しており、65歳以上で新規契約する顧客を対象に、通信料金が実質1年間無料になるなどの特典を提供している。

　また、オプションパックについても、キャンペーンにエントリーのうえ初めて申し込むと、実質6カ月無料となる特典が提供されている。