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auのチャットサポートに「人間学習AI」、高度な質問も人間に変わり90%の精度で回答

 KDDIとKDDI総合研究所(KDDI総研)は、人間の応対を学習して回答精度を高めるAIエージェントを開発した。「auチャットサポート窓口」のユーザー応対支援のため。一部拠点に導入されている。

 AIで応対文を生成する、一般的な手法(RAG=Retrieval-Augmented Generation)では定型的な回答では高い精度を示す一方、AIチャットボットでは難しい質問での回答精度は低くなる。人間の経験や直感に基づく判断ができないAIが、複数の情報を参照してそれらを混合した結果、事実とは異なる文章を生成する「ハルシネーション」につながるためだ。

 両社が開発したAIエージェントは、auチャットサポート窓口での過去の応対履歴をもとに、人間のスタッフの経験などを抽出できる可能性に着目した。ユーザーの問い合わせ内容の要点を整理し、過去の参考にすべき事例をもとに「適用条件を確認する」「確認方法を提示する」のような応対パターンを分析し、構造化。ここから生成された文章に対して、社内マニュアルから通過情報を収集、ファクトチェックすることでハルシネーションを抑制する。

 これにより、およそ90%の回答精度を実現した。KDDI総研の調べでは、こうした仕組みを持つAIは世界初。AIエージェントが、ユーザーからの質問に対する回答を調査、回答文を作成する業務を代替することで、ユーザー1人あたりの応対時間を従来よりも約70%削減できる見込みとしており、スタッフの応対品質の均一化も合わせて目指す。

 auチャットサポート窓口への問い合わせのうち、およそ80%の質問はAIチャットボットが回答しているが、残りの約20%はAIには難易度が高く、人間のスタッフが変わって対応しているという。問い合わせ内容は多様化・高度化する傾向にあり、人間のスタッフが対応するケースは月間16万件に上る。スタッフそれぞれの経験などの差から応対品質・効率にばらつきが生じる課題がある。

 今回、開発されたAIエージェントは、ほかの業種などにも展開が可能な汎用パッケージで、社内・グループ内での利用拡大を進め、商用提供を目指す。