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楽天市場、2025年夏のトレンド予測を発表　猛暑・冷え・食の多様化に対応

岩井祐一郎

2025年5月28日 16:25

　楽天グループは28日、「楽天市場」の購買データや一般消費者へのアンケート調査をもとにした「楽天市場 2025年夏のトレンド予測」を発表した。

　注目すべきトレンドとして、「多様化する暑さ対策商品」「夏場の温活」「主食のバラエティ化」の3点を挙げている。

多様化する暑さ対策

　気象庁が発表した3カ月予報によると、今年の夏は全国的に6月から8月にかけて気温が平年より高くなる見込み。観測史上最も暑かった昨年を超える暑さになる可能性もあり、命を守るためにも暑さ対策商品の重要性がさらに高まると予測されている。楽天市場では暑さ対策関連商品を約40万点取り扱っており、昨年の約30万点から約1.3倍に増加。関連グッズの流通総額も拡大傾向にあり、2023年から2024年にかけて前年比約1.5倍の成長を記録した。

　アンケート調査では、7割以上の方がこの夏に暑さ対策関連商品を購入予定、または良い商品があれば検討したいと回答。商品選びのポイントとしては、機能性・価格帯・携帯性が多く挙げられた。

　特に需要が年々高まっている商品は、ハンディファン（流通総額約1.8倍増）、日傘（約1.2倍増）、ネッククーラー（約2.5倍増）で、近年は機能性と軽量・コンパクトな携帯性を備えた商品が人気だという。

コンパクトファン

コンパクトネッククーラー

軽量日傘

　具体的な商品としては、定番の小型ファンのほか、モバイルバッテリー付きやお弁当冷却用といった多機能タイプも登場。

お弁当用クールファン

体重計のように乗れるファンなども

　水筒もミスト機能付き、ポケットサイズ、大容量タイプ、水筒型氷のうなど、機能と携帯性を兼ね備えたものが揃っている。さらに、UVカット服もサンバイザー付き、デザイン性の高いタイプ、子供用など豊富に展開。

ミスト付きボトル

水筒型氷のう

　また、6月1日から職場での熱中症対策が義務化される新たな法律の施行もあり、職場向け関連グッズへの問い合わせも増加。ヘルメット用アイスセット、熱中症計ウォッチ、応急処置セットなどが人気を集めている。

ヘルメット用アイスヘッド

熱中症応急処置セット

　ほかにも、フローズンが作れるグッズやお弁当保存用の保冷剤など幅広い商品が揃い、子供向けの暑さ対策商品も需要が拡大。ランドセルパッドは前年比約6.4倍、子供用帽子は約2.7倍、子供用日傘は約1.4倍と大きく伸びている。

フローズンが作れるグッズ

保冷剤ポケット付きランドセルパッド

意外な「夏場の温活」ニーズ

　暑さ対策が進む一方で、アンケート調査では冷房による冷えを感じている方が半数以上いることが判明。そのうち約7割が夏場の温活に興味がある、もしくは既に取り組んでいると回答。楽天市場における温活関連商品の流通総額も2024年6月〜8月で前年同期比約1.3倍に伸長した。

　手軽に取り入れやすい腹巻きやネックウォーマー、生姜湯などが定番だが、火を使わないお灸や自宅でできるよもぎ蒸しセット、簡単に白湯が作れる商品など、本格的な温活グッズも注目されている。

よもぎ蒸しセットや白湯メーカーなども

健康志向と海外トレンドによる「主食のバラエティ化」

　食のトレンドとしては「主食のバラエティ化」が挙げられた。玄米やもち米など白米以外の穀物類の流通は、昨年1年間で約1.2倍に増加。特にコロナ禍以降の健康志向の高まりで雑穀米の利用が増えている。昨年夏は通年の伸び率（1.2倍）を上回り、夏場だけで1.5倍伸びた。夏バテ対策にも良いとされるもち米（約2.4倍増）、玄米（約1.8倍増）、もち麦（約1.5倍増）などが特に人気だとしている。

　アンケート調査では、パンや麺類以外で米以外の主食を意識するようになったかという問いに、半数以上が「意識するようになった」と回答。この夏に米以外の主食を食べる機会が増えそうかという問いにも、約8割以上が「増えると思う」「やや増えると思う」と答えた。一方で「意識しない」「変わらない」と回答した方も全体の約45％おり、主食に関するユーザーニーズが二極化していると分析されている。

　さらに、海外の主食の需要も拡大。2025年3月〜4月の流通総額は、ライスヌードルが前年同期比約2.7倍、ジャスミンライスが約1.4倍、パスタが約1.2倍と、それぞれ伸びている。特にパスタは5kgや10kgといった大容量タイプの売れ行きが好調で、まとめ買いの需要も見られる。アンケートでは、世界の主食に興味がある方が約6割を占め、食べたことのある世界の主食の上位にはクスクス、トルティーヤ、ライスヌードルが挙がった。