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フェイクニュースや誹謗中傷への対策に取り組む、総務省や携帯各社などが「デジタルポジティブアクション」
2025年1月22日 15:50
総務省は、インターネットでの誹謗中傷やデマの影響について理解を深めるためのプロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」を開始した。通信やテクノロジーに関する複数の企業が参画し、ICTに関するリテラシーを高める啓発活動が行われる。
専用Webサイトを公開
22日に公開されたWebサイトでは、ロゴやスローガン、ステートメントを公開している。2月11日には、本サイトが公開される予定で参画する各企業や団体による取り組みの紹介、政府の関連施策、ICTリテラシーの向上に役立つコンテンツが掲載されるという。
今後、企業や団体によるセミナーやシンポジウムの開催、普及啓発教材の作成、広告による広報活動などが行われる予定となっている。
参画する企業は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル、グーグル、マイクロソフト、メタ、LINEヤフー、X Corp Japan、TikTok Japan、スマートニュース、NewsPicks Studios、グノシー。また、安心ネットづくり促進協議会、セーファーインターネット協会、日本ケーブルテレビ連盟、草の根サイバーセキュリティ推進協議会、ソーシャルメディア利用環境整備機構、マルチメディア振興センターの各団体も参画する。
リテラシー向上の取り組み
総務大臣政務官の川崎ひでと氏は、プロジェクトを3つの方向性で進めると話す。「世代に応じた多様な普及啓発」「SNS・デジタルサービスにおけるサービス設計上の工夫」「信頼性の高い情報にかかる表示上の工夫」が軸となる。サービスの画面上での注意や警告なども方向性に含まれており、総務省と参画する各社・各団体がともに推進体制を作り、進めていくという。
今回のプロジェクトの背景には、インターネット上の偽情報や誹謗中傷、詐欺などの蔓延がある。令和6年能登半島地震では、注目を集めることを目的に、偽の救助要請がSNSに投稿されたことで実際の救助活動の妨げになったケースがある。
川崎氏は関心・注目の獲得が経済的価値になる「アテンション・エコノミー」や自らの興味関心のなかに閉じこもることになる「フィルターバブル」「エコーチェンバー」などの問題を指摘し「過激なタイトルや憶測だけで作成されたコンテンツが拡散している」と話す。今回の取り組みは、こうした実態を受けて取りまとめられた総務省の有識者会合での提言に基づき、社会全般のICTリテラシー向上を目的とする。
会長を務める慶應義塾大学大学院 法務研究科の山本龍彦教授は、制度面だけの改革は表現の自由も損ないかねず「問題を根本的に解決するためには、わたしたちの意識を大きく変える必要があり、そのためにリテラシーは必要不可欠」と話した。
プロジェクトの先行サイトが本日22日に立ち上がっており、発表されたスローガンやロゴなどが見られる。本サイトは2月11日に公開される。