ニュース

「SmartNews」でAI要約「スマニューAIまとめ」が提供開始、複数媒体の記事を個別に要約

 スマートニュースは24日、ニュースアプリ「SmartNews」で、生成AIを活用したニュース要約機能「スマニューAIまとめ」の提供を開始した。主要なニュースメディアの記事を複数ピックアップし内容をまとめることで、1つのニューストピックを複数の視点から把握したり、ニュースの背景を確認したりできる。

 「スマニューAIまとめ」では、国内の全国紙や民放キー局などが報じる同じテーマのニュースを、生成AIが記事ごとに個別に要約、複数の要約を1つの記事にまとめて掲載する。記事の冒頭では、出来事と背景、展望の3要素をピックアップし、ニュースの全体像を多角的に確認できる。

 個別の記事要約には、それぞれ出典メディアを明示、元の記事へアクセスできるリンクも設置される。複数メディアの記事を混ぜた要約ではないため、それぞれのメディアの特色がそのままに、より多くのメディアの記事を確認できるようになる。

トップにAI要約の見出しが登場。ポイントがまとめられ、後半に記事ごとの要約が確認できる

ユーザーの環境変化と正確性へのこだわり

ヴァイス・プレジデント 日本プロダクト担当の村上臣氏

 ヴァイス・プレジデント 日本プロダクト担当の村上臣氏は、提供する背景に、ユーザーを取り巻く情報環境の急速な変化を挙げる。

 必要な情報の取捨選択にかかる負担を軽減し、信頼性の高い情報をわかりやすく、かつ正確に理解できる仕組みが求められている。そんな中、近年めざましい進化を遂げる生成AIについて、ニュース領域でもさまざまな情報を分析し、要点を抽出、再構成できる技術に発展しているとし、アプリ内でAIを適切に活用し、新たなユーザー体験ができるよう開発が進められた。

 ニュースを扱う上では、誤情報を流さないことが肝心だ。村上氏は、「正確性は、開発上で最も苦心した部分。ニュース記事の編成を担当する社員と、技術チームで構成した専門チームを結成し、慎重に取り組んだ」としており、情報の公開には人の目によるチェックも入るという。

メディア側の収益拡大にも期待

ヴァイス・プレジデント 日本リージョン メディアビジネス担当の洪錫永氏

 一方、提供するメディア側のメリットはどのようなものだろうか。

 ヴァイス・プレジデント 日本リージョン メディアビジネス担当の洪錫永氏によると、これまでの掲載では、1つのニューストピックに対して1記事掲載する形だったが、「スマニューAIまとめ」では1つのトピックに対して複数の記事を掲載できるようになる。

 「スマニューAIまとめ」記事内で発生した広告収益は、要約記事の出典元メディアに還元されるといい、メディアにとっても新たな収益機会になる、と洪氏は説明する。

「スマニューAI」の新キャラクターも登場、今後もAIを活用へ

 同社では、AIを活用した新しいユーザー体験全体を「スマニューAI」と命名。今回の「スマニューAIまとめ」もこの「スマニューAI」群の1つとして提供されるかたち。

 今回は、「スマニューAIまとめ」が発表されたが、今後もAIを活用した新たなユーザー体験を開発していくといい、村上氏は今回のAI活用を「大きな動きであることは間違いない」と期待感を示す。そのうえで「全体的にAIを使ってユーザー体験をアップデートできないか、という視点で見ており、なんらかの価値を付けられるように、ニュース以外も含めて活用していきたい」と意気込んだ。

 なお、「スマニューAI」の展開にあたり、新しいキャラクター「マーキュリーさん」が登場。「スマニューAIまとめ」をはじめとした“AIを使ったサービスや機能”では、このマーキュリーさんが登場し、ユーザーを案内していく。

マーキュリーさん