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総務省が消費者保護ルールに関するガイドライン改正、オプションのベタづけ禁止

固定通信サービスも実効速度表示を義務付け

 総務省は、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン」の改正案に対する意見募集の結果を公表するとともに、提出された意見に対する総務省の考え方および、改正ガイドラインを公表した。

 改正案に対する意見は、NTTドコモや全国消費生活相談員協会、日本ケーブルテレビ連盟などの法人や団体から6件、個人から4件の計10件が提出された。

固定ブロードバンドも実効速度表示を

 今回の改正案によって、固定ブロードバンドサービスは「固定ブロードバンドサービスの品質測定手法等に関するガイドライン」(2024年9月公表)に基づいた実効速度の計測を実施した上で、集計された計測値についても紹介することが望まれる。また、固定インターネット接続サービスの実効速度の計測をしている場合は、測定に利用した端末やアプリケーションについても明記することが望まれる。

説明事項の読み飛ばし防止

 契約時の説明事項をWebページに記載する場合、消費者が説明事項などを読まずに次のリンクへ遷移することが無いように、画面をスクロールして最後に「次へ」などのリンク先への遷移を表示することや、簡潔でわかりやすい表現による説明が求められる。また、誤操作による申込や、利用者が適切に内容を理解せずに契約することを防止するため、申込無いようの最終確認が行える画面を設けるなどの工夫が求められる。

有料オプション、デフォルト加入は不適切

 また、利用者がWebページで基本説明の確認やプラン選択を行う場合は、視覚効果やWebページのデザインなどが、利用者の判断を誤らせたり、行動を意図的に操作するなど、いわゆるダークパターンとならないように留意することが求められる。

 推奨される事例として、Webページから契約申し込みを受付する場合、最終確認画面を設けたうえ、基本説明事項のうち特に苦情につながりやすい料金や通信品質、初期契約解除の適用条件、相談窓口などをわかりやすく表示することなどがあげられる。

 不適切な事例としては、利用者の利用実態や利用意思の確認なく、あらかじめ特定の料金プランや有料オプションに申込(いわゆるベタ付け)を行うことを既定とすることや、割引や特典の適用条件など重要な情報を、割引額などに比べて目につきにくいように表示することがあげられている。

苦情への対応

 苦情などの処理・対応においては、 「固定ブロードバンドサービスの品質測定手法等に関するガイドライン」に基づく通信速度の計測結果と、実際の速度との乖離に関する苦情や問い合わせに対して、サービスがベストエフォート型であることや、地域によって通信速度に差があることの説明に終始し、利用者が使用する端末や、周辺機器の規格などの宅内環境による速度低下の可能性や、考えられる改善方法について説明を行わないことは不適切とされる。

 このほか、電気通信事業者などの禁止行為については、「電気通信事業者等は、やむを得ない事由がある場合を除き、利用者が電気通信役務を遅滞なく解約できるようにするための適切な措置を講じなければならない」とする規定の「やむを得ない事由」には、未納料金や残債がある場合に、清算までの間解約を受け付けないことが含まれない(認められない)ことが追加された。