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新折りたたみスマホ「motorola razr 50」発表、若年層へのアピールを強化

 モトローラ・モビリティ・ジャパンは、新型折りたたみスマートフォン「motorola razr 50」を発表した。SIMフリーモデルのほか、ソフトバンクからも「motorola razr 50s」として発売される。

左からモトローラ・モビリティ ルーベン・カスターノ氏、モトローラ・モビリティ・ジャパン 仲田正一社長、目黒蓮、モトローラ・モビリティ・ジャパン 清水幹氏

アウトディスプレイが大型化、耐久性も向上

 今回の新機種は、折りたたんだ際のアウトディスプレイが従来モデルと比べて大型化。マップやメッセージアプリなども操作できるなど、使い勝手が大きく向上した。ヒンジも「第4世代型」とされる新設計で、開閉時に加速がつくことでフィーチャーフォンのような使い心地を実現。IPX8の防水性能を備えるなど耐久性の面でも進化している。

モトローラ・モビリティ カスタマーエクスペリエンス&デザイン ルーベン・カスターノ ヴァイスプレジデント

 ソフトウェア面でも「アシスト」「キャプチャー」「クリエイト」と3つの面でAIをアピール。グーグルとの連携で「Gemini」を搭載。アウトディスプレイからでもアクセスできるほか、カメラにも常に被写体をフレームにおさめたり水平な画角を保ったりといった機能を利用できる。

 今回から、SIMフリーモデルにもカラーバリエーションを3つラインアップする。

徐々に拡大する折りたたみスマホ

 発表の場には、モトローラ・モビリティ・ジャパンの仲田正一代表取締役社長が登壇し、同社の概況を説明した。出荷台数は前年比で135%、検索ボリュームも同じく55%増と出荷台数、知名度ともに堅調な成長が続く。SIMフリー市場におけるシェアでは3位のポジションを占める。

 ソフトバンクがMNOとしては新機種を独占販売する。ソフトバンク モバイル事業推進本部 郷司雅通執行役員によれば、2024年上半期における折りたたみスマートフォン(フリップタイプ)の販売シェアはソフトバンクがほぼ過半数を占める。一方でスマートフォンの販売台数における折りたたみのシェアは米国と比較すれば4倍ほどの差があり、郷司氏はまだ伸びしろがあると見る。

モトローラ・モビリティ・ジャパン 仲田社長(左)とソフトバンク 郷司氏(右)

 仲田社長はこうした日米の差について、スマートフォン黎明期を例に出し「最初はなかなか盛り上がらない。iPhoneもAndroidもそうだったが、どこかのポイントを超えるとグッと伸びる」と見方を話す。好きな人が購入して立ち上がりから伸びやすい米国に対して、ユーザーがある程度増えるとグッと伸びやすい市場特性の違いではないかとした。

 前モデルである、motorola razr 40/40sは折りたたみスマートフォンとしては好調で、今回の新機種発売にもつながるかたちになった。ソフトバンクでは「motorola razr 40s」も取り扱った。折りたたみスマートフォンは価格が高そう、壊れやすそうといったユーザーの不安を払拭するべく、低廉な販売価格や万が一の故障時に即日修理に対応するなどして折りたたみスマートフォンの拡大に努めてきた。

 今機種でも、購入サポートの特典を適用すれば、別途オプション利用料を支払い、13カ月目に返却することで機種代金が12カ月間、月額3円になるほか即日修理も引き続き提供する。価格は前モデルよりも上昇したが「値段以上の価値は提供できる」と仲田社長は話す。

 一方で今回、上位機種である「ultra」を冠したモデルは日本市場には投入されない。これについては「理由のひとつは価格帯。ultraは超ハイスペック。普及させるにはまず今回のレンジから。そのなかでバリエーションを広げる。よりハイスペックなものやロースペックなものもあるかもしれない。今回は一番普及させやすい価格帯のモデルから導入した」と説明した。

アンバサダーに目黒蓮を起用、若年層の認知拡大図る

 「モトローラ」は通信業界では歴史あるブランド。世界で初めて携帯電話を実用化したことでも知られる。そうした背景を知る40~50代からの認知度は高いものの、それ以下の世代では必ずしも知名度は高くない。

 モトローラでは、20~30代の認知獲得を最重要課題のひとつとして、若年層へのプロモーションを強化する。モトローラ・モビリティ・ジャパン 清水幹マーケティング部長は「日本市場は成長期に入り久しい。数多のブランドがひしめくなか、単にモトローラを知ってもらうだけでは不十分」と話す。モトローラを好きになってもらい「ファン」として密接につながるとしてキャンペーンを展開する。人気アイドルグループ「Snow Man」のメンバーである目黒蓮をブランドアンバサダーに起用した。

 仲田社長は目黒蓮を起用した理由を「真摯に真面目に、いろいろなことに取り組んで新しいことにチャレンジしている。モトローラのチャレンジャーとしての姿勢や通信市場で100年近く真面目に仕事をしてきたことに通じるものがある」と話した。プロモーションの狙いについて「まずはモトローラを知ってもらう。それを通じて折りたたみ端末の良さを知ってもらう。こういうことにより良さをわかってもらい、結果的に折りたたみ端末の市場を広げ、そのなかでモトローラが一定のシェアを得たい」とした。

 同社の調べによれば、若年層は「壮大な未来の話・歴史」についてよりも「自分が興味のあることを追求したい」という考えが強いのが特徴で、スマートフォンの機能についても同じく身近に感じられるかが重視されるという。「若年層の考えをコンセプト化したのではなく、新生モトローラの目指す方向性を、若年層のフィルターを通して変換して今回のキャンペーンとした」と清水氏は話した。

 キャンペーンでは野外広告での体験などが予定されており今後、ユーザー自身のアバターが目黒蓮とともにTVCMへ出演できるといった取り組みも用意されている。