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駅ロッカーに荷物を預けてホテルで受け取り、西武HDが手ぶら観光・混雑緩和に取り組み
2024年9月2日 15:47
東京都内の駅に設置されるスマートロッカーで、荷物をホテルまで配送するサービス「pikuraku PORTER(ピクラクポーター) in 東京」の実証実験が始まった。一般利用でき、2025年3月31日まで提供される。
駅ロッカーで荷物預かり、ホテルで受け取り
対応するスマートロッカーが設置されるのは、池袋駅(地下改札外)、西武新宿駅(正面口改札外)、豊島園駅(改札内)。配送先として指定できるホテルは東京都内では新宿や銀座、ほかに千葉県の舞浜付近などおよそ500ほどにのぼる。14時までにロッカーで手続きする必要があり、19時までにはホテルに配送される。
利用料金はロッカーのサイズで異なり、小が1900円、中が2200円、大が2800円。10月31日まではキャンペーンとしてそれぞれ1700円、1900円、2400円で利用できる。1扉に荷物を何個入れても料金は変わらない。交通系ICカードで支払える。
ロッカーのタッチパネルを操作することで荷物を預けることができ、支払いもその場で完結する。利用者には手続き時に登録した電話番号にSMSで確認が届くほか、ホテルに荷物が到着した際も通知される。
スーツケースや旅行カバンのほか、お土産の袋なども預け入れることができ、フタなどがない袋は別途梱包されて運ばれる。現金や貴重品、危険物など、一般的にロッカーに入れられないものは取り扱えない。
需要等を検証、オーバーツーリズム解消などに期待
西武ホールディングスでは、SPACERとともにスマートロッカーでコストコなど対象店舗の商品を受け取れるサービス「BOPISTA」(ボピスタ)を提供してきた。pikuraku PORTERは同じくスマートロッカーを活用した新たなサービス。
今回のサービスは実証実験としての位置づけ。西武ホールディングス 経営企画本部 西武ラボ 青木啓史課長補佐によれば、同様のサービスはJR西日本が展開しており、西武ホールディングスの実証では首都圏における需要や実際に荷物の配送などにかかる時間などを検証する。将来的な本格提供も目指す。
旅行需要が回復の兆しを見せる一方、オーバーツーリズムの問題が顕在化。旅行者の増加や大型のスーツケースによる公共交通機関の混雑がひとつの課題として取り上げられるなか、スマートロッカーに新たな機能を追加することで手ぶらでの観光の実現や混雑の緩和を狙う。