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「KDDI Retail Data Consulting」が開始、小売店の出店や売上予測を支援

 KDDIは、小売店などに向けた売上の予測や新規出店時の場所選定などをデータでサポートするソリューション「KDDI Retail Data Consulting」の提供を開始した。

新規出店の場所や売上を予測

 パッケージ形式で提供されるもので全5種類。「店舗開発支援パック」「売上予測支援パック」「マーケティング活用パック」「在庫可視化・最適化パック」「品揃え最適化パック」が用意されている。今後、拡充も計画している。

 スマートフォンなどの位置情報を用いるほか、KDDIのニュースやエンタメなどサービスの利用情報などから興味関心を推測し、99の項目に振り分けてニーズを測る。事業者が持つ売上や会員データと組み合わせることで、新店舗出店時の候補地の選定のほか売上の予測などでビジネスを支援する。分析される情報から個人が特定されることはない。

インターフェイスの例。店舗開発支援パック(上)、売上予測パック(下)

 店舗開発支援パックでは、人流データや興味関心により商圏の特徴を可視化。出店するエリアや物件を決定する際の判断材料としての活用が可能。売上予測パックは、売上や客数などが類似する店舗を比較して分析でき、類似店舗を抽出して出店する際のエリア選定に利用できるとする。

 英会話教室を展開するイーオンで先行導入された。競合店の有無や小学校が近くにあるかなど、従来は時間をかけて調べる必要があったものの「ボタンひとつ押すだけで可視化できる」というメリットがあると評価されたという。

統合的なデータ分析をサポート

 KDDIが提供するビジネスプラットフォーム「WAKONX」(ワコンクロス)の取り組みのひとつ。細分化される消費者ニーズや人手不足、再開発による人流の変化など、小売業界が抱える課題の解決に寄与する。

 小売業界では在庫や顧客データなどのシステムが分かれており、統合的な分析が難しいことやどんなユーザーが購買層なのか、また自社データだけでは他社との差別化の観点でも効果的な施策の実施が難しいことなどの課題があった。KDDI Retail Data Consultingでは、KDDIと店舗が独自に持つデータを統合して分析することで、これまで小売業界が抱えていた課題を解消する。

 小売店や飲食店では売上予測パック、塾やフィットネスジムでは店舗開発支援パックの利用を見込んでいるほか、不動産事業者に対しても街づくりでの利用など幅広い用途に活用できるとする。複数のパックを同時に利用するかたちも考えており、利用にかかる料金は導入事業者との協議のうえで決まる。KDDI Retail Data Consultingは本日20日から提供が始まっている。