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KDDIとNICT、大規模言語モデルの共同研究を開始

 KDDIと情報通信研究機構(NICT)は1日、大規模言語モデル(LLM)に関する共同研究を開始した。

 LLMの利用にあたっては、事実と異なる内容などが生成される「ハルシネーション」や、地図情報の活用が難しいことなどが課題になっている。

 そこで、NICTが蓄積した600億件以上のWebページのデータや、そのデータから作成されたLLMの事前学習用データなどを活用し、共同研究を進める。

 KDDIは、KDDI総合研究所の技術に基づき、日本語汎用LLMの傾向に合わせたハルシネーション抑制技術の高度化を図る。また、地図画像や付随する建物情報などのマルチモーダルデータを、LLMで取り扱う技術の開発も目指す。

 これらの技術は、特定の目的のための対話システムや雑談システムにおける、LLMの信頼性向上につながるもの。

 また、LLMによって位置関係を把握できるようになれば、通信事業者の顧客応対への適用も期待される。問題が発生している設備やエリアを迅速に把握し、通信品質を改善できるという。

 今回の研究は、総務省とNICTが推進する「我が国における大規模言語モデル(LLM)の開発力強化に向けたデータの整備・拡充及びリスク対応力強化」における共同研究の第1弾となる。