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「ドコモポイ活プラン」登場、その狙いは? 若年層×スマホ決済で経済圏拡大へ
2024年3月21日 20:24
NTTドコモは21日、新料金プランとして「ドコモポイ活プラン」を発表した。「ahamo ポイ活」「eximo ポイ活」が用意され、まずはahamo ポイ活から提供が始まる。携帯電話の料金プランにおけるオプションとして加入することで、「d払い」の決済などに対するポイント還元率が上がる設計となっている。
報道陣向けの説明会には営業本部 営業戦略部 部長の山本明宏氏が登壇し、サービス提供の狙いを語った。また、質疑には山本氏のほか、スマートライフカンパニー コンシューママーケティング部部長の伊藤邦宏氏、経営企画部 料金企画室 室長の大橋一登氏、営業本部 オンラインCX部 ahamo推進室 室長の但川智之氏が応じた。
ドコモポイ活プランとは
2015年に提供が始まったdポイントについて、dポイントクラブの会員数は約1億人まで拡大。dポイントを利用できる店舗の数は、500万カ所以上となっている。また、dポイントの利用先は85%がドコモのサービス以外とされ、山本氏は「ドコモがさまざまな利用ニーズに応えてきた結果」と胸を張る。
dポイントやd払いに対し、携帯電話の料金プランを融合させたのがドコモポイ活プラン。ahamo ポイ活とeximo ポイ活の2つがラインアップされ、第1弾としてahamo ポイ活の提供が4月に始まる。
ahamo ポイ活は、ahamoのデータ増量オプション「ahamo大盛り」の利用者が「ポイ活オプション」(月額2200円)を追加することで利用でき、d払いの利用などに対して特典ポイントが付与される。開始当初は10%還元キャンペーンも実施され、d払いで4万円分の買い物をすると、月々の上限である4000ポイントが貯まる。
4000ポイントをahamoの基本料金に充当することで、ahamo大盛りを含むahamoの利用料は月々実質2750円になる、とアピール。山本氏は「100GBが実質2750円、自信を持ってお得と言えるプランになっている」とコメントした。
先述の特典ポイントに、d払いのベースポイント(最大1.0%)やdポイントカードのポイント(最大+2.5%)をあわせると、キャンペーン期間中は最大13.5%の還元を受けられる。
第2弾となるeximo ポイ活は、ahamo ポイ活への反響を踏まえて準備される。提供時期は2024年夏~秋となる予定。
質疑応答
――時期の違いについて聞きたい。ahamo ポイ活とeximo ポイ活は提供が始まる時期がずれているが、このあたりの背景は。
山本氏
ahamo(の利用者)へ先行してご提供したいという思いです。キャッシュレスのニーズとしてコード決済が増えていることや、データ利用が増加している動きがあります。
そうした状況を踏まえ、コード決済をたくさん使う若年層をまずはターゲットとして、ahamoのシンプルなプランで(ドコモポイ活プランを)提供し、勉強させていただきたいと思います。
ahamo ポイ活を出したあと、たくさんのお声をいただけると思っていますので、状況を見ながら多面的に検討し、eximo ポイ活の提供を目指します。
――ahamo ポイ活において、ahamo大盛りが必須なのはなぜか。
但川氏
ahamoは若い方に多く使っていただいていて、大容量へのニーズも増えてきています。それに加えて、コード決済も若年層を中心に利用されている。これらをかけ合わせ、ahamo大盛りを必須にするかたちで設計させていただきました。
料金設定について、非常にご利用いただきやすい価格帯になっていると思います。(ahamo ポイ活の特典が)上限4000ポイントということで、これを携帯料金に充当していただくと(携帯料金が)2750円になり、ベースのahamoよりもお安く100GBの世界観を体感していただけます。
現時点でahamoのベース(基本)プランを使っている方にも、このプランをうまく活用いただきたいという狙いがあります。
――ahamoそのものを改定したり、今のベースプランの20GBをもっと大容量にする考えは。
但川氏
ニーズは時間の経過とともに多様化していると思いますし、データの使用量も増えていると思っています。ご指摘の通り、このままの状況で提供することは難しくなってくるのかなと思いますので、ニーズを捉えながらプランニングしていきたいです。
――ahamoとeximoの名前はあったが、「irumo」の名前が出なかったように思う。
山本氏
現時点では、データ利用が増えてきたというお客さまに対応したいということで、ahamo大盛りとeximoで考えています。ahamo ポイ活を出して、「irumoもぜひ」というお客さまの声がたくさんあれば、検討していきたいと思います。
――ahamoとahamo大盛りの契約者数を知りたい。
但川氏
具体的な数字についてはご容赦いただきたいのですが、ahamoについては、2023年6月に500万契約を突破したとお伝えしました。それから数カ月経っていますので、計算は皆さんのほうが速いのではと思いますが(笑)、一定数、契約者数は確保できていると思っています。
ahamo大盛りについても具体的な数字はご勘弁いただきたいのですが、若年層を中心に大容量へのニーズは増えていて、こちらも一定のご支持はいただいています。
順調に伸びているahamo大盛りに対し、ahamo ポイ活プランを提供させていただくと捉えていただければ。
――ahamo大盛りの「一定の支持」というのは、想定通りなのか。
但川氏
大容量のニーズがここまで増えるというところは、正直見込んでいなかった部分があります。想定よりもご支持いただいていると思っています。
――オプション契約に対して10%還元キャンペーンというのがしっくりこない。キャンペーンとしてやっていく理由は。
但川氏
今回はキャンペーンというかたちで、10%の還元を展開します。これは我々としてかなり思い切った数字を検討させていただいたんですが、(ahamo ポイ活が)これだけのプランに仕上がりましたので、多くの方にご活用いただきたいという思いがあります。
「オプションとキャンペーンがマッチングしないのでは」というお声もあるかと思いますが、ahamo大盛りはもともと、「ライトに大容量のプランを使っていただきたい」ということで始まったオプションであり、いつでも付け外しができる設計です。
違うかたちでプランを提供すると、より複雑になると考えましたので、オプションという思想は残しつつ、キャンペーンというかたちで全体の設計は考えました。
――キャンペーンの見直しなどはどう考えていくのか。
但川氏
お客さまのニーズをできる限り正確に把握したいと思っています。コード決済がどう支持され、かつahamoのポイ活オプションがどう支持されるかということを踏まえて、キャンペーンの終了や延長などを社内で議論させていただきたいと思います。
山本氏
キャンペーンの見直しは、お客さまのニーズを見ながらということになると思います。eximo ポイ活もこのあと控えていて、ahamo ポイ活との役割分担も含め、キャンペーンのあり方を考えていきます。
――ahamo ポイ活で、特典ポイントの還元率を+3%とした理由は。たとえばソフトバンクの「ペイトク50」は同じ3%だが、競合他社は意識しているのか。
但川氏
おっしゃる通り、他社さんの設計状況は我々としても参考にしています。
今回のプランの留意点は大きく3つあるかなと思っています。
まず、ベースのahamoはシンプルなワンプランとして設計していますので、ポイ活オプションも、あくまでオプションとして用意しています。すべてのセット割を外していて、シンプルなかたちでご活用いただけます。
次に、最終的な実質料金が3000円以下で、100GBをご利用いただけるというのが優位的なところです。
最後に、dポイントの経済圏は、基盤としては大きくなりつつあります。接点も520万カ所あり、d払いやdポイントの利便性をぜひ体感していただきたいと思っています。
――eximo ポイ活もポイント付与率は3%になるのか。
但川氏
スペックはまだ決まっていませんので、何%にするのか、どういったサービスに仕立てるのかというところは、ニーズを見ながら検討したいと考えています。
――ドコモポイ活プランについて、対象の支払いは、電話料金合算払い、dカードからの支払い、d払い残高からの支払いとなっている。他社のクレジットカードだとポイントがつかないということだが、dカードを訴求していくということか。
伊藤氏
d払いだけではなく、dカードやdポイントといった一体感のなかで進めていきたいと思っており、(dカードも)強化すべきポイントということでそのような条件としました。そうすることで、ユーザーの方にもおトクな還元を提供できると思っています。
――データを多く使う人と決済を多く使う人について、相関関係はあるのか。
山本氏
我々で調査もしていますが、その2つには大きな相関があると見ています。そういったニーズを受けて今回、若年層に人気のahamoというプランと、d払いというコード決済を合体させました。
――eximoはどのような顧客層なのか。
山本氏
eximoは、幅広いお客さまにご愛顧いただいています。データをよくお使いになられる方、小容量でも店頭サポートがほしいという方など、いろいろなニーズがあり、あらゆるニーズを包含するようなプランとして、多くの方にご支持いただいています。
――ドコモポイ活プラン、今回の狙いは。
但川氏
今回の狙いとしては、まずahamo大盛りをお使いの方で、d払いを月4万円以上お使いいただいていれば、上限までポイント還元を受けられます。まず、この方たちにはぜひ入っていただきたい。
あとは(現時点で)ベースのahamoを使っている方でも、上限の4000ポイントを受け取ることができれば、実質2750円で100GBを体感できますので、この方たちにも活用していただければと思います。
――ドコモではマネックス証券を連結子会社にしたり、オリックス・クレジットの子会社化だったり、金融事業を強化している。金融サービスとの連携も視野に入れているのか。
伊藤氏
今回の発表ではとりあえずd払いということでお話をしていますが、ご指摘の通り、マネックス(証券)さんやオリックス・クレジットさんとは協業しながら、キャンペーンなど含めて進めています。
これから具体的な中身を詰めていきたいですし、ご支持いただけるような商品を作っていきたいと思います。