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医療現場で活用される「Apple Vision Pro」アプリとは

 米Apple(アップル)は11日、医療現場で利用できる「Apple Vision Pro」のアプリを紹介した。

 「Vision Pro」は、同社が“空間コンピューティング”と呼ぶ、現実世界とデジタルを融合させ、さまざまなアプリを利用できるようにするゴーグル型デバイス。2月2日に発売された。開発者向け「デベロッパツール」の提供もすでに開始されており、医師や看護師、医療学生などに向けたアプリが開発されている。

手術の計画段階で活用

 Strykerが開発した「myMako」は、外科医がいつでもどこでも患者の手術計画を作成できるアプリ。股関節全置換術、膝関節全置換術、膝関節部分置換術の前に間接の状態を3Dで確認することができ、痛みが少なく回復までに時間のかからない手術方法の選択につながることが期待される。

 また、「CyranoHealth」では、看護師などが新しい医療器具のトレーニングを受けられる。ボストン小児病院開発チームのブラウンステイン博士は、「テクノロジーと医療が融合した没入的なトレーニングを通して、最先端の技術に対応できる医療従事者を育成する」とした。

「CyranoHealth」

 ほかに、「Fundumental Surgery」、「CollaboratOR 3D」、「Complete HeartX」、「Insight Heart」などのアプリが手術や医療教育の現場に向けて開発されている。

作業効率向上に

 「Cinematic Reality」は、Simens Healthineerが開発した、事前にスキャンされた人体のホログラムを3Dで表示できるアプリ。光の反射まで忠実に再現されたホログラムは、クリニックや学校での使用が意図されている。

 Epic Systemsが開発した「Epic Spatial Computing Concept」では、医療従事者のタスク管理ができる。グラフ作成やラボの確認、同僚とのチャット機能を備え、完了したタスクは指でタップし「バスケット」に入れることができる。

「Epic Spatial Computing Concept」

 作業効率の向上につながるほかのアプリには、「Visage Ease VP」、「Falcon Vue」、「Medivis」などがある。

メンタルヘルスの領域でも

 Cedars-Sinaiの「Xaia」では、会話型AIが患者のメンタルヘルスをサポートする。患者がもっともリラックスできる環境を投影し、呼吸や瞑想などのエクササイズを行う。患者のプライバシーを重視し、アプリの利用に際して個人情報や健康状態の入力は不要となっている。

「Xaia」

 ほかにも、「Mindfulness」、「TRIPP」、「Healium」、「Odio」などのアプリがメンタルヘルスやウェルネスの領域で開発されている。