ニュース

スマホ出荷が大幅減、携帯電話全体の総出荷数が過去最低――23年度上期

 MM総研は、2023年度上期の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、結果を公表した。

 同社の調査によると、2023年度上期の総出荷台数は1223万台で、前年同期比17.1%減、2000年度以降の上期出荷統計として最小になった。

 出荷台数の内訳は、スマートフォンが1157万8000台で17.1%減、フィーチャーフォンは65万2000台で18.7%減、出荷台数に占めるスマートフォンの割合は94.7%となった。5Gスマートフォンは1145万8000台で14.9%減、スマートフォン全体に占める5G対応比率は99%。

 出荷台数の大幅な減少の要因として、端末の値引き販売の減少、円安・物価高騰による端末価格の上昇、キャリアの在庫調整の3点を挙げている。また、フィーチャーフォンの出荷台数は減少が続いており、過去最少を更新した。

2023年度の予測

 MM総研では、2023年度通期の出荷台数は2961万台(7.3%減)、スマートフォンの出荷台数は2805万台(6%減)と予測している。

 その要因として、今秋に発売されたiPhone 15シリーズが好調であること、電気通信事業法の改正により端末値引きが最大4万円に引き上げされること、2024年1月末にソフトバンク3Gサービスが終了することによる買い替え需要をあげている。

 2023年度下期は復調と分析するが、それでも2023年度通期の出荷台数は2961万台で、2000年度以降で過去最低を予測している。スマートフォンの出荷台数は2805万台で、5Gスマートフォンの比率は2026年度以降に100%に達する。

メーカー別シェア、Appleが12期連続1位に

 2023年度上期のメーカー別スマートフォン出荷台数では、Appleが49.2%(+5.7ポイント)で1位となった。続いて、2位にGoogle、3位シャープ、4位サムスン電子、5位ソニーとなり、この上位5メーカーのシェアを合計すると87%になる。

メーカー別シェア(出典 MM総研)

電気通信事業法の改正

 2023年度上期のスマートフォン出荷台数は、2015年度以降の9年間で上期としては過去最少となったが、2023年内に施行が見込まれる電気通信事業法の一部改正によって、白ロム販売(端末単体販売)における割引の禁止や、回線契約に紐付く割引が現在の2.2万円から最大で4.4万円までに引き上げられることで、今後の出荷台数へのプラス要因と見込んでいる。

 このほか、高価格帯の端末について、36回または48回の分割支払いを設定した上で、2年後の下取り金額を調整することで、最初の2年間に支払いする割賦代金を大幅に低減させるキャンペーンへの規制が行われれば、高価格帯の端末の売れ行きに影響を及ぼすと予測している。