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ソフトバンクが「ペイトク」で描くPayPayと通信の新しいかたち

 ソフトバンクは、同社の新料金プラン「ペイトク」と「メリハリ無制限+」を発表した。10月3日より提供が開始される。27日、ソフトバンク 寺尾洋幸氏がその詳細を説明した。

PayPay使うとオトクな料金プラン、メリハリ無制限も刷新

 「ペイトク」プランに加入していると、PayPay決済時の還元ポイントが最大+5%還元される。

 新プランでは、月間のデータ容量別に3つのプランが提供される。月間容量30GBの「ペイトク30」では月額基本料7425円で「PayPay還元+1%(上限1000円/月)」、50GB/月の「ペイトク50」では8525円/月で「PayPay還元+3%(上限2500円/月)」、無制限の「ペイトク無制限」では、9625円/月で「PayPay還元+5%(上限4000円/月)」の特典が提供される。

 「メリハリ無制限+」は、月額基本料7425円で月間のデータ容量が無制限で利用できる料金プラン。

 ただし、データ使用量が1カ月で合計200GBを超えた場合は、請求月末まで最大4.5Mbpsに制限されるほか、テザリングとデータシェアで利用できるデータ容量は月間50GB(超過時は最大300kbps)に制限される。

ポイント還元でお得に、キャンペーンも

 「ペイトク」提供の意義をソフトバンク 専務執行役員の寺尾洋幸氏は説明した。

 寺尾氏は「高い、8万円もPayPayを使えないと思うかもしれない」としつつ、そのメリットを説明する。総務省の調べによれば、2人以上の世帯における、1カ月の平均消費支出は約29万円という。

 寺尾氏は、それらのうち日々の支出にペイトクでPayPayポイントが付くサービスは18万円ほど。そのうち8万円をPayPayでの支払いに切り替えれば、ペイトク無制限の上限の4000ポイントを獲得できることを説明する。

 すでにPayPayを利用している人にとっては魅力的な面もあるが、生活に関わることでもあり支払い方法を切り替えるハードルが高い。そうしたユーザーには「ペイしてトクトクキャンペーン」で訴求する。

 20日締めのユーザーの場合、2024年2月20日の決済分までペイトク無制限プランユーザーの場合、ポイント付与率が15%にアップする。付与上限(4000ポイント)は変わらないが、2万7000円分の決済で4000ポイントを獲得できる。

メリハリ無制限+も新登場

 非PayPayユーザーにも「メリハリ無制限+」が用意される。月額7425円のプランで通信容量は無制限。ただし、現在提供されているメリハリ無制限からの変更点として、月間通信量が200GBを超えると、通信速度が4.5Mbpsに制限される。これはペイトク無制限も同様でごく一部で大容量通信を使うユーザーがおり、公平性を担保するための措置となる。

 最終的なコストは全ユーザーに降りかかるため、一部の極端な大容量トラフィックをおさえる狙いで、通信設備が逼迫しているようなことはないという。影響を受けるのは利用者ベースで言えば全体の0.3%とされた。

 新プラン提供後も、これまで続けてきた「スーパーPayPayクーポン」をはじめ、LYPプレミアムなどの特典が提供される。

新プラン提供でユーザー獲得を強化

 無制限プランに加えて30GBと50GBプランを提供する意義について、寺尾氏はソフトバンクブランドでユーザー獲得を強化したいとその狙いを語る。

ソフトバンク 寺尾氏

 これまでのソフトバンクブランドでは、中容量と大容量の差が極端だったと振り返り「ソフトバンクブランドでしっかりユーザーを捉えたい。経済圏を強めるには中容量ぐらい(が重要)。低容量帯ではワイモバイルがあり中~大容量ではソフトバンクブランドでしっかりユーザーを獲得できる体制をつくりたい」とした。

 新たなプランについては「ペイトク無制限を頑張っていきたい。それでもPayPayを使わないユーザーもいる」としてメリハリ無制限+を用意した意図を明かす。

 これまでの通信業界は端末のスペックなどによる差別化を図ってきたが、現状は成熟した市場になりつつある。「Beyond Carrier」としてソフトバンクやそのグループで提供されるサービスを利用してもらうことでユーザーの暮らしを豊かにし、ビジネスとしてプラスにするという今後の展望が示された。

 ソフトバンクの新料金プランは、10月3日から提供される。