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総務省WG、電波オークションや5G高出力端末の普及などに関する意見を公表――一部で懸念する声も

 総務省は28日、「5Gビジネスデザインワーキンググループ」の第10回が開催され、5Gの今後の展開やミリ波の活用、“電波オークション”に関する取り組みとそれについて各社からのコメントがまとめられた。

5Gの今後の展開について

高出力端末の普及など

 ワーキンググループでは、今後の5G基地局について、エリア拡大用の5G中継局や高出力端末の制度化、インフラシェアリングへの支援、道路などへのエリア整備への補助金、電波の追加割り当てなどが検討されている。

 これらについて、おおむね賛同意見とした一方、「5G普及には大きな投資が必要であり、過度な品質や価格要件の緩和が必要」(個人)や議論のうえでのデータの不備を指摘するコメント(クアルコムジャパン)などが寄せられた。

 携帯各社からは、基地局展開や高出力端末の制度化などに関して、肯定的な意見が見られ、「ソフトウェアの設定変更により増力できるものもあるため、同一認証番号による認証の再取得ができるよう希望する」(KDDI)や「ミリ波など高い周波数の免許手続きを含めた迅速なサービス展開につながる見直しの検討を」(ソフトバンク)といったコメントが見られた。

5Gの社会実装について

 また、ワーキンググループでは、5Gの社会実装の促進として、ユースケース創出支援事業や、自動運転に必要な通信確保に向けて自動運転ニーズの高い場所のSA(スタンドアローン)化、ドローン利用やローカル5G免許手続きの簡素化などが挙げられた。

 加えて、BtoBやBtoBtoCマーケットの拡大に向けて、業界内連携や業界間連携の促進、スタートアップへの支援などが取り上げられている。

 これらの指針について、「AIやXRなどを組み合わせたサービスを」(ソニーワイヤレスコミュニケーションズ)や、「ドローン活用のため、非居住地域を含めたエリア整備が重要」(KDDI)、「ミリ波対応チップの低廉化に向けて、国のサポートも含め海外ベンダーとの交渉を加速化させることも考えられる」(インターネットイニシアティブ)といったコメントがあった。

電波オークションについて

 2025年末までに、新たに割り当てられるミリ波帯(26/40GHz帯)について、多様なプレイヤーの参入促進と、新サービス創出を促進するため、“条件付き”の電波オークションを制度整備することが挙げられている。

 電波オークションの対象となる周波数は「6GHz超の帯域」としている。これより低い周波数は、従来通り総合評価方式とする。

 この適用条件については「広くカバーすることが求められる周波数帯は、エリア整備や災害対策の拡充など社会的貢献を後押しする指針とした総合評価方式の適用が望ましい」(KDDI)や「条件付きオークションの適用条件を6GHz超の帯域とすることは妥当」(ソフトバンク)といった賛同する声があった。

 その一方、「すでに電波の経済的価値を反映した合理性のある割当方式となっており、『落札額の過度な高騰』につながりかねないオークション方式の導入は必要ない」(楽天モバイル)と懸念するコメントも寄せられた。