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MM総研のMVNO調査、1位はIIJmioでシェアを拡大

 MM総研は20日、23年3月末時点の「国内MVNO市場調査」の結果を発表した。独自の料金プランを持つMVNOの回線契約数は、前年同期比4.2%増の1312.1万回線と伸長したものの、サブブランドの比率の拡大傾向もみられると分析している。

独自サービス型SIMの市場規模

業界シェア1位「IIJmio」はシェアを拡大

 法人向けにもシェアをもつインターネットイニシアティブ(IIJ)が、独自の料金プランをSIMカードで提供する独自サービス型SIMでシェア1位としている。回線契約数は293.8万回線(シェア22.4%)で、法人向けだけでなく個人向けでも伸長し、1年間で56.6万回線純増した。

 2位はNTTレゾナントで200.7万回線(シェア15.3%)、3位はオプテージで124.8万回線(シェア9.5%)、4位はビッグローブで84.6万回線(シェア6.4%)。

独自サービス型SIMの事業者シェア

 IIJについては、個人向けの「ギガプラン」が好調で、楽天モバイルの0円プラン廃止の受け皿になったと分析。IoTを含む法人分野でも1年で40万を超える純増を記録しているという。

 NTTレゾナントは、ドコモショップでの取り扱い(ドコモのエコノミーMVNO)の好調やオンラインでの端末セット販売が堅調に推移した。調査結果では、ドコモに吸収合併されることが言及されており、発表と前後してドコモの新料金プランが発表となった。

 オプテージについては、容量型の「マイピタ」や速度型の「マイそく」といった料金プランが好調だったと分析している。

 上位事業者が伸長する一方、下位事業者、特に契約が10万回線数以下で個人ユーザーをメインとする事業者は、新規獲得のための投資はせず、縮小均衡路線をとっているケースが大多数を占める状況だとしている。

携帯契約全体のMVNOシェアは横ばい

携帯電話(3G、LTE、5G)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率

 なお、携帯電話全体(3G、LTE、5G)の契約数(2億747.5万回線)に対するMVNOの構成比は6.3%で、2021年9月以降横ばいで推移している。

 大手通信キャリアのサブブランドは大幅に回線数を増加させており、UQ mobileとワイモバイルの契約比率は、前年同期の6.2%から8%を超える契約数まで拡大しており、MVNOとの差をつける結果となった。ahamoやpovo、LINEMOといったオンライン専用プランの構成比率も3%を超える結果となっている。

 これらの結果について、MM総研では「楽天モバイルの0円廃止による顧客流入が進んでいる」と分析している。

今年もMVNOは拡大傾向へ

 MM総研では、2024年3月末の独自サービス型SIMの回線契約数を、前年同期比+10.5%増の1450万回線と予測。大手通信キャリアのサブブランドやオンライン専用ブランドの影響も大きい一方、1円スマホ販売の規制強化やMNPワンストップ化などの追い風もあり、若干プラスになる見込みとしている。

 また、IoT用途では今年度以降に顕著に市場が拡大する見込みとしており、2025年3月末時点でのIoT回線比率は49.4%に達すると予測している。

独自サービス型SIM市場予測