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MVNOの独自サービス型SIMの契約数が下げ止まりか――MM総研の調査レポート

 MM総研は、国内MVNO市場の2022年3月末時点での実績を発表した。

 同社の調査によると、MVNOの独自サービス型SIMの契約数は1259.4万回線となり、前年同期比で0.2%のマイナスとなったが、2021年9月末との比較では増加した。

独自サービス型SIMの市場規模(画像出典:MM総研、以下同)

 携帯電話(3G/4G/5G)契約数に占める独自サービス型SIMの契約比率は、2021年3月末から0.2ポイント減の6.3%。前年同期比ではマイナスとなったが、2021年9月末からの半期では横ばいとなった。これは、2022年春商戦での販売が好調だったほか、IoTでの導入が進んだ結果と分析している。

携帯電話(3G/4G/5G)契約数に占める独自サービス型SIMの契約比率

MNOの廉価プランやサブブランドは好調

 大手移動体通信時業者のサブブランドであるワイモバイルと、UQ mobileの契約比率は2021年3月末の4.7%から2022年3月末には6.2%へと拡大し、全MVNOの独自サービス型SIMの契約比率とほぼ同水準になった。

 このほか、ドコモのオンライン専用料金プラン「ahamo」は300万回線、KDDIのpovo2.0は150万件に迫る契約数があり、低価格帯の料金プランの契約数が増加している。

IIJmioがMVNOのシェア1位、2位はOCN モバイル ONE

 独自サービス型SIM市場の事業者別シェアは、1位がインターネットイニシアティブの「IIJmio」で、契約数は237.2万回線で、シェアは18.8%。

 2位はNTTコミュニケーションズの「OCN モバイル ONE」で、契約数は177.8万回線でシェア14.1%。

 3位はオプテージの「mineo」で、119.6万回線でシェアは9.5%。4位はビッグローブの「BIGLOBE SIM」で、85.9万契約で6.8%。

独自サービス型SIMの事業者シェア

 1位のインターネットイニシアティブは、新料金プラン「ギガプラン」が好調で、個人向けサービスで4四半期連続で純増を記録したほか、IoTを含む法人分野でも1年間で20万超の純増を記録したと分析している。

 2位のNTTコミュニケーションズは、goo Simsellerを通じたスマートフォンのセット販売が堅調なほか、2021年10月からは「ドコモのエコノミーMVNO」として、全国のドコモショップで取り扱いを開始した。なかでも、2022年1~3月の春商戦における販売が好調という。また、フルMVNO基盤を活かしたIoT向け回線も好調を維持している。

 3位のオプテージは、2022年3月に開始した「マイそく」が好調で1~3月の春商戦で契約数を伸ばした。4位のビッグローブは、YouTubeなどのエンタメ系サービスが使い放題になる「エンタメフリー・オプション」の割引などで差別化を打ち出したほか、固定回線とのセット割引によって契約数を伸ばしているという。

 また、楽天モバイルはMVNO契約者について、自社回線を使った「Rakuten UN-LIMIT」への移行を促しているが、2022年3月末までの半年間は移行スピードが大幅に鈍化している。

2024年3月末にはIoT向け回線比率が約45.9%と予測

 MM総研では、2023年3月末時点で独自サービス型SIM市場が1410万回線になると予測しており、これまでの予測より普及スピードは緩やかながら引き続き市場の拡大を見込んでいる。今後はIoT回線でのニーズが高まり、2024年3月末時点でのIoT向け回線比率は45.9%と予測している。

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