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NTT、街の“真の色”を推定する新技術、メタバースなどで活用へ

 NTT(持株)は、天候や日照条件に左右されず、街本来の“真の色”を推定する技術を開発した。画像認識やメタバース空間などにおける活用が期待される。

今回の技術(固有画像分解手法)をメタバース空間の構築に活用するイメージ

 同社は、次世代のネットワーク構想として「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network、アイオン)」を提唱。実世界データのデジタル化に向け、さまざまな研究開発を進めている。

 今回確立された固有画像分解手法は、たとえば影など、照明条件に依存した成分を画像から取り除くことで、任意の照明条件を再現できるというもの。レーザー照射によって3D空間上の距離を計測するLiDARが用いられ、物体固有の反射率(アルベド)を高精度で推定することが可能になった。

従来の技術との精度比較

 これにより、さまざまな日照条件で計測した複数のデータを統合するメタバース空間の構築において、撮影時の影が残ってしまう課題などが解消される。たとえば影が入っている画像から影を除き、任意の日照条件を再現したメタバース空間を構築できるという。

従来は、複数のデータを統合した空間を構築する場合に、影などが入ってしまっていた

 研究成果は、コンピュータビジョン分野において最難関の国際会議として知られる国際会議「CVPR(Conference on Computer Vision and Pattern Recognition)2023」に採択されている。