ニュース

KDDI、バックボーンへ「オープンルーター」の商用利用を開始――省エネ/低コストに貢献

KDDIがバックボーンネットワークのルーターをオープンルーターに

 KDDIは、バックボーンネットワークに、複数ベンダーの機器を組み合わせることができる「オープンルーター」の商用運用を開始したと発表した。通信事業者での商用運用は国内初、世界で2例目の試みになるという。

 これまでのルーターの構成は、ベンダーに依存しており、ハードウェアとソフトウェアを柔軟に選択できなかった。

 今回の「オープンルーター」では、ルーターの構成が“ホワイトボックス化”されることで、運用するKDDIが必要とする機能に合わせた最小限の構成ができるようになった。

 今回のオープン化にあたっては、米Broadcomの大容量汎用ハードウェアチップを採用しており、必要な機器を選択して導入することで、約50%の低消費電力化と約40%小型化、低コスト化を実現できるとしている。

 また、これまで「コア」や「エッジ」、「ピアリング」といったネットワークの領域ごとに異なる機種のルーターを利用することが一般的だったが、「オープンルーター」とすることで、それぞれの領域で同じハードウェアを使用できる。インターフェイスの仕様をオープン化することで、機器の共通化を図ることができ、各領域の予備品の共通化により機器コスト削減につながるという。

 今回のオープン化にあたっては、マーク・ザッカーバーグ氏がCEOのMeta Platformsが推進するTIP(Telecom Infra Project、通信関連事業者のコミュニティでKDDIのほかNTTエレクトロニクスや楽天モバイルなども参加)で認定されており、今後もルーターのホワイトボックス化に向け仕様策定や認定ベンダーの公表などに貢献していくとしている。