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シャープから新フラッグシップスマホ「AQUOS R8 pro」、カメラの表現力や熱対策を強化

 シャープは、Androidスマートフォン「AQUOS R8 pro」を発表した。NTTドコモとソフトバンクから7月以降、順次発売される。価格は各キャリアから今後発表されると見られる。

カメラリングを放熱に活用

 AQUOS R8 proは「AQUOS R7」の後継となるフラッグシップモデル。ライカ監修の「SUMMICRON(ズミクロン)レンズ」を備えた1インチセンサーカメラや1~240Hzの可変リフレッシュレートに対応する「Pro IGZO OLEDディスプレイ」を搭載。HDR映像技術の「Dolby Vision」や立体音響技術の「Dolby Atmos」にも対応する。

 スマートフォンが高性能化する一方で、課題になる発熱への対策として「サーモマネジメントシステム」を搭載。カメラの周りに配置されたリングにチップセットとカメラの熱を集めて放熱を効率化した。個々のアプリに対して最適なリソースを割くようプロセッサーを制御することも含めて、表面温度は最大で8度低下、熱発生量は最大で30%低下させたという。

 こうした熱対策により、カメラ撮影は最大で2倍、ゲームは最大3倍の時間楽しめるようになり、“ワクワクが途切れない”体験を提供する。

 Pro IGZO OLEDディスプレイは、表示の制御によりブルーライトをおよそ50%カットできる。「リラックスビュー」も引き続き搭載されるが、ほとんど色味が変わらない状態でも目が疲れにくい環境でスマートフォンを利用できるメリットがある。

精度と速度の両面で進化したカメラ

 AQUOS R7の1インチセンサーカメラを継承、ライカ監修のSUMMICRONレンズを搭載した。今回のカメラではおもに「精度」と「速度」を改善。AQUOS R8 proでは新たに、より正確にその場を捉えるため「14chスペクトルセンサー」を搭載する。

 カメラで撮影してみたら、実際に見えている印象とは違う写真になった、というのは誰しも経験があること。シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部 係長の篠宮大樹氏は「カメラのセンサーは、人の目に比べて限られた情報しか得られない」とその理由を説明する。

 AQUOS R8 proでは、600種以上の光源を判定可能な14chスペクトルセンサーにより、実際の見た目に近い色味に自動補正してくれる。これにより、光源が交じる室内でも、正確な色合いの撮影を実現した。

左=AQUOS R7。右=AQUOS R8 pro

 また、AIによる被写体判定では食事とデザートを判別し、それぞれが美味しそうに見えるように補正、さらに日の出と夕日の違いも認識して最適な補正をかけられるようになった。このほか、手軽にきれいな花火や星空を撮影できる専用のモードも備えている。

左=AQUOS R7。右=AQUOS R8 pro

 速度の面では、ペットの動きにも追従できる機能を搭載。犬と猫を認識し、その瞳もしくは体全体を追尾して撮影できる。さらにRAW HDR処理速度はおよそ40%向上したほか、連射HDRは秒間15枚撮影に対応する。

 アクセサリーとして、エレコムとLooCoから市販のカメラ用レンズフィルターの装着を可能にするケースが発売される。ケンコーやマルミ、KANIのフィルターの使用が推奨されており、より本格的な撮影を楽しめる。

主なスペック

 搭載するOSは、Android 13。チップセットはクアルコム製の「Snapdragon 8 Gen 2」で12GBのメモリーと256GBのストレージを搭載する。ディスプレイサイズは約6.6インチ(WUXGA+、Pro IGZO OLED)。

 最大3回のAndroid OSのバージョンアップおよび最大5年間のセキュリティアップデートを受けられる。

 アウトカメラはライカ監修の「SUMMICRONレンズ」を備える約4720万画素の標準カメラ(F1.9)のほか、約190万画素の測距用センサーと14chスペクトルセンサーを備える。インカメラは約1260万画素のシングルレンズ(F2.3)。

 nanoSIMとeSIMのDSDVに対応する。Wi-Fiは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/axに対応しており、Bluetoothバージョンは5.3をサポートする。

 本体の大きさと重さは今後、あらためて告知される。バッテリーサイズは5000mAh。IPX5/8およびIP6X相当の防水防塵機能を備える。生体認証は顔認証と指紋認証(Qualcomm 3D Sonic Max)に対応する。おサイフケータイを利用できる。